2011/01/30(日)01:35
『ダブルキャスト』(193)第6章・函館山・元町・坂道
そう言いながら自分も、やはり権太には安達を殴らせてやりたいと思っていた。
「安達一樹が、どう言って森田麻衣を追いかけていったかは、そのうちわかるでしょ」
ナオミが言った。もう、安達には完全に興味を失ったようだ。
「この展望スペースへ出ていないということは、岡田君を見たのは
山頂駅の中、ということになるのね」
「そうだろう、それで引き返したっていうんだから」
「じゃ、岡田君は展望台まで出てきて、何を見たかはもう…彼と犯人しか知らないんだわ」
ナオミは言った。
「この望遠鏡がものを言えたらいいのにねぇ」
沢田てる子が、犯人が遠藤の頭を打ち付けた望遠鏡を見て、呟いた。
「私も、いつもそう思いますよ」
ナオミはため息をついた。
「沢田さんたちは、岡田君と同じ時間にここにいたんですよね。どうして、あの写真を撮ったのですか?」
「…今にして思うと、なぜでしょうね。男の人がたった1人で、この展望台とは反対の場所で、ただ空を見ているのがさみしそうで、なんとなく絵になりそう、と思ったのかもしれないわ」
てる子は言い、展望スペースのはじを指さした。
望遠鏡もなく、観光客が行きそうもない、ひっそりとした場所だった。
転落防止の柵の回りには、枯れ草がはみ出して、物寂しい感じさえある。
「安達が完全に引き返したかどうかわからないから、森田麻衣たちが山を降りるまで、見守ろうと思ったのでしょう」
ナオミが言った。
「その過程で、あっという間に事件が起き、彼は逃げる犯人を見てしまったんです。…でも、ミーシャには言えなかった。犯人は、岡田君が大好きな演劇の仲間だからです」
「そうか、安達でなければ、北村夫妻か、谷村徹平だもんな。共謀かもしれないが…」
隆一は言った。
「しかし、重大な犯罪を上司に黙っているとは…。彼らをかばいたい気持ちは、わからないでもないが、おかげで権太は疑われて大迷惑だよ。死んだ人を悪く言うわけじゃないけど」
<つづく>
☆人気ブログランキングに参加しています。トップページのバナーをクリックして下さると嬉しいです。
ランキング参加中です。
励みになります、ポッチをお願いします
人気ブログランキングへ
おかげさまで、20位以内です。
みなさまありがとうございます
☆連載ミステリー『ダブルキャスト』は、携帯メルマガ『ミニまぐ!』 でも配信中です。
登録はこちらから:『Kazeのミステリ通信』
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
今夜は、サッカーのアジアカップ決勝ですね~
さっき後半に入ったところです。
スカパー!で、フィギュアのヨーロッパ選手権を観たり、サッカーを観たりと忙しいです^^;
いまはもう、フィギュアのほうは録画にして、サッカー中継に集中しています。
あいかわらず、部屋のTVの画面はスッキリとしないですね。
地デジのチューナーをつないだらキレイに映るのでしょうか・・・
テレビの地上波は、ニュースを観るときくらいしか利用していないため、地デジは要らないか~、といつも思っていたのですが、たまにかじりついて観たい番組もあります。
それは、主にスポーツ中継です。
NHKの受信料は払いたくないんだけど、とりあえず地デジチューナーをひとつ、注文してみました。
地デジ対策!!BUFFALO/バッフォロー 地上デジタルチューナー DTV-S110【在庫あり】 BUFFALO/...価格:4,450円(税込、送料別)
この機種をアマゾンに注文しました。
ポンパレで手に入れた1000円分の商品券を使ったら、3500円以下になりました。
届くのは明後日頃だそうです。
ビデオデッキの入力端子が1箇所だけ開いているので、そこから接続してみようと思います。
それで観てみて、地デジ契約をするかどうかじ~っくり検討します^^
確定申告の時期がやってきました。
今年は、書類が来るのが遅かったです。
毎年、申告で悩むほどの稼ぎはないのに、提出しなければ、というプレッシャーがかかってきました