独白劇場

何年も前にある人から頂いた灰皿。
ずっとずっと使ってきたもの。

シェリー酒のロゴになっている夕日を背負った闘牛が
シルエットでデカデカと入ったガラス製の灰皿。

昨日の昼頃、吸殻を捨てようと手にとったら
なぜかすでに真っ二つに割れていた。

いったいどうして割れていたのか分からない。
前日まではくっついてたのに。

大好きな人からもらった大好きな灰皿だった。
もう何年も会ってないけど、今でも大好きで尊敬してる人。

悲しくて悲しくて涙が溢れる、何かあったのではと不安になる。

他にもいただいたものはたくさんあるのだけれど、
その灰皿が彼女からいただいたプレゼントの中でも
一番大好きなものだった。

あの人たちのことを忘れた日はない。
近況は知っている。

だけど、もうずいぶん長い間会っていない。

とっても会いたい。
たくさんの幸せをくれてありがとう。
夏も冬も幸せだった。

灰皿を見るたびに思い出していた。
毎日思い出していた。

灰皿が割れて
大切な人達がまた遠くなった気がした。