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詩人の役目   田中宏輔

詩人の役目   田中宏輔

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2017/03/30
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ぼくの英詩翻訳 013


Departmental

 

Robert Frost

 

An ant on the tablecloth

Ran into a dormant moth

Of many times his size.

He showed not the least surprise.

His business wasn't with such.

He gave it scarcely a touch,

And was off on his duty run.

Yet if he encountered one

Of the hive's enquiry squad

Whose work is to find out God

And the nature of time and space,

He would put him onto the case.

Ants are a curious race;

One crossing with hurried tread

The body of one of their dead

Isn't given a moment's arrest-

Seems not even impressed.

But he no doubt reports to any

With whom he crosses antennae,

And they no doubt report

To the higher-up at court.

Then word goes forth in Formic:

"Death's come to Jerry McCormic,

Our selfless forager Jerry.

Will the special Janizary

Whose office it is to bury

The dead of the commissary

Go bring him home to his people.

Lay him in state on a sepal.

Wrap him for shroud in a petal.

Embalm him with ichor of nettle.

This is the word of your Queen."

And presently on the scene

Appears a solemn mortician;

And taking formal position,

With feelers calmly atwiddle,

Seizes the dead by the middle,

And heaving him high in air,

Carries him out of there.

No one stands round to stare.

It is nobody else's affair

It couldn't be called ungentle

But how thoroughly departmental

 

 


種族

 

ロバート・フロスト

 

テーブルクロスのうえにいた一匹の蟻が

動いていない一匹の蛾に偶然出くわした、

自分の何倍もの大きさの蛾に。

蟻はちっとも驚きを見せなかった。

そいつの関心事はそんなことにはなかったのだ。

そいつは蛾のからだにちょこっと触れただけだった。

もしもそいつが別の一匹の虫に突然出くわしたとしても

その蟻っていうのは巣から出て来た先遣部隊の連中の一匹で

その連中の仕事っていうのは神のことを

時空の本質のことを調査することで

それでも、そいつは箱のうえにその別の一匹の虫のからだを置くだけだろう。

蟻というのは好奇心の強い種族である。

自分たちの仲間の死骸のうえを

あわただしい足取りで横切る一匹の蟻がいるが

そいつはちっとも足をとめたりはしない。

なにも感じていないようにさえ見える。

でも、蟻は疑いもなくいくつかのことを仲間に知らせるのだ、

触角を交差させることによって。

そして、たしかに仲間に知らせるのだ、

庭のうえのほうにいる仲間に。

ところで、蟻という言葉は、ラテン語の Formic(蟻の)からきている。

「死がジェリー・マコーミックのところにきた。

 ぼくたちの無私無欲の馬糧徴発隊員のジェリー。

 特別な地位にいるジャニザリーは

 彼の事務所は、その将校の死体を

 埋葬することになっているのだが

 ジェリーを彼を待つ人々のところ、彼の家に彼の死体を運ぶだろう。

 一片のがくのうえに置くように彼の死体を横たえ

 彼の死衣を花びらでびっしりと包み

 イラクサのエッセンスの芳香で満たすだろう。

 これがあなたたちの女王蟻の言葉である。」

そしてまもなくその場面で

一人のまじめくさった顔をした葬儀屋が姿を現わすのだ。

そして形式的な態度をとりながら

彼の体をなでるようなしぐさでちょこっと触れ

彼の死体の真ん中のところをぐっとつかみ

彼の体を空中高く持ち上げると

そこから外に彼の死体を運び去るのである。

その様子をじっと見るためにそこらへんに立っている者などひとりもいない。

それは、ほかの誰の出来事でもないのだ。

高貴でないと呼ばれることはぜったいにない。

しかし、なんと徹底的な種族なのだ、わたしたち人間というものは






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Last updated  2017/04/01 07:20:33 PM



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