ミーハーtomoのブログ

2022/04/28(木)16:06

ドンドン近づく

坂崎空也(20)

新しい空也の物語が。 荒々しくも清々しく、時には穏やかな空也の物語。 大怪我をして2ヶ月間気を失い蘇生をした空也の出島でのリハビリの日々がとても面白い。 豚や羊が飼われている庭で、空也は盛光を鞘から抜きあげて、鞘に納める稽古をしていたら、豚、羊、沢山の犬や猫が空也の稽古を眺めていた。 というくだりがなかなかいい。 動物は見たことのない不思議な動くものになんの警戒心も持たずに興味を示したのだろう。 また、バタヴィア人のミゲル君と仲良くなり、庭を散策しながら、ミゲル君の故郷のことを聞いたり、自分のことを話したりした。 「江戸には帰りたいか?」ときかれ、素直に「帰りたいな」と答えた。 「でもあと2、3年は修行」と付け加えていた。 ミゲル君や動物達の交流は空也にとってはほんの一時の穏やかな日々だったのだ。 それは 読者にとっても心安まる箇所なのだ。 父、磐音も想像が付かない破天荒な武者修行を空也はしている。 若く、まっすぐな心の持ち主は、物事を公平に見て、垣根を作らない。 長崎奉行も「長崎滞在が有意義であることを強く望む、剣術をはなれて、長崎を見よ、異人と接しよ、そなたならば、利欲や狭い考えだけで、異国の万物を判断するとは思ん」と言われ、「長崎滞在の許されるかぎり、そなたらしく振る舞い、学べ」との言葉をいただいたりした。 父磐音、母おこんのDNAをしっかり受け継いでいる息子です。 そんな空也がどこに行き、何に遭遇するか、とても楽しみなのです。 けやきの若葉。

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