旅を楽しもう!

2003/02/26(水)12:20

英語、上手ですねー

外国人としてアメリカに住んでいながらあまり言われないこと、それは、英語、上手ですねー。移民国アメリカでは、いろいろな英語のレベルの人が住んでいて、別に見かけで英語が上手そうかどうかわかるわけじゃないから、下手に相手の英語能力をどうのこうのとは言わない。生活していく上では、ある一定レベルまでの英語を強要されるので、訳のわからない英語を話していると相手にしてもらえないこともある。知り合いだったり、聞くことによって何か自分にメリットをもたらす相手でもあれば、もうちょっと真剣に聞いてくれたりもするのだが。文法が間違っていたり、使い方が間違っていたとしても、相手の間違った英語を直したりもしない。勉強のために訊いても、たいていは "That’s ok."といわれてしまう。日本では、日本以外の国から来た人が日本語を話すと、「日本語、上手ですねー。どのくらいこちらに住んでいらっしゃるんですか?」と来る。日本のことをある程度わかっている外国人は、「いやあ、そんなことはないです」なんて言って見せたりもすると、ますます日本人は喜び、「いやあ、私もあなたの日本語ぐらい英語が話せたらいいなあ」と言い返す。これは英語コンプレックスと共に、相手を立派にたてている、と私は思う。しかし、私は同じことばを、アメリカで言われた。それは車のディーラーの営業マンだった。あれは、まだアメリカに来て間もない頃だ。「いやあ英語が上手ですね」私は照れて、「いやあそんなことないです」と言いたいところを抑えて、アメリカ流に、Thank you.と返した。すると、その営業マンは、「いやあ、ボクの日本語より上手ですよ」・・・ぐさっときた。彼は営業マンとして一生懸命相手を持ち上げようとしたのだろうが、日本語を一度も勉強したことも(たぶん)興味を持ったこともない人にこんなセリフを吐かれるとこちらとしては情けなくなってくる。英語は日本で長いこと勉強してきた私にだって一応のプライドはある。ところで、アメリカに住み始めたときには「英語、上手ですねー」と言われたら少しは励みにはなるだろうなと思った。でも、いつまでも外国人扱いされないという意味では、いちいちそんなことを言われないほうがいいかもしれない。日本に長く住む外国人の人たちはその点対応が面倒くさいだろう。私も欧州のある国に何年か滞在したときにはよく言われた。最初は嬉しかったけれど、1年も経つとうざったくなった。キヨスクで新聞を買うときに、その国の言葉で「こんにちは」というだけで、「上手ですねえ」と言われ、歩いていてもジロジロみられることがあった。そういう意味ではアメリカは本当に楽だ。英語をある程度話せればごく一般の住民になれる。つい最近パーティーにて、あるアメリカ人を紹介された。私が"Hi!"と挨拶をすると、流暢な日本語で「こんにちは、はじめまして」と言われた。おもわず、「日本語、上手ですねえ!」と言っている自分がそこにいた。

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