奮闘する「大器晩成」日記

2008/03/15(土)11:52

ビミョーな「朝礼」

四方山話(299)

 大阪府の橋下知事が行った朝礼。テレビで流れた30歳以下の部?で、朝礼は始業前にやるものだというあの理屈。まあアレは私の知る限りでも民間企業では結構当たり前に行われていることであるのもまた事実だ。善し悪しは別にして、ね。  私が20代の頃勤めていた会社でも朝8時40分から課の朝礼、50分から部の朝礼だった。始業はもちろん9時から。  ということは朝礼に遅刻しても勤怠には付かない。上司からの勤務査定では感情的には含まれてしまうかもしれないが、評価の対象ではない。これははっきりしていた。    もっともその会社の終業時間は17時30分だった。実働は7時間30分。ということはプラス20分であっても8時間は超えない。社員から不満もなかった。  もちろん年間休日は124日(当時)、サービス残業はおろか15分刻みで付けて、きちんと25%増しだったし、22時を超えればプラス深夜手当ても付いた。  こういうことをきちんとやる前提で「もっと働け」と言うのならば、「どれだけサービス残業をやっているか知っているのか」みたいな発言は出てこないだろうに。  しかも、「サービス残業」ははっきりとした違反行為だ。そこの実態調査を指示したというような話は聞かないし、この前後の発言も「職員が悪いのだからサービス残業当たり前」みたいな考えに基づいて延々発言している様にしか聞こえない。  行政はこういった民間に横行している労働実態を調査して場合によっては改善を求めることもあるだろうが、自らの違反実態が放置されれば、誰が言うことを聞くのだろうか。  もっとも、発言した職員も府民の不満の矛先が何に向いているのか分かっていたのだろうか。サービス残業は「悪」だが、生産性を上げる努力をしない労働も府民から見たら同じ「悪」だ。    その意味で双方共に意識の中に府民不在、という印象を持ってしまうやり取りだった。  もう1つ思うのは、橋下知事の若さ、ということだ。さまざまに波紋を呼ぶ発言をしているが、そのどれをとってみても、「波紋の効果」が感じられない。結果的に何の一石も投じていないように感じる。ということは終いには「おおかみ少年」のごとく、信頼されない影響力の無い知事になってしまうだろう。  最近は「発言することは良いことだ」から「言った者勝ち」に変わりつつあるように思う。発言することは確かに悪いことではないが、物理的に声の大きい者に引きずられるような風潮には警鐘を鳴らしたい。  いずれにしてもマスコミ注目のあの朝礼にはどんな意味があったのか。そもそもああいう話をする場が朝礼だったのか。朝礼は連絡事項の伝達の場ではないだろうか。その意味でも橋下知事の目的が見えてこないビミョーな朝礼だった。  「若さ」が許される期間もそう長くはない。もっとも発言も主張も「過ぎたるは及ばざるが如し」と言ってしまえば元も子もないですが。

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