奮闘する「大器晩成」日記

2012/09/06(木)16:28

「脅迫」はまだまだ続く

政治「物申す!」(216)

 ちょっと前の8月31日のことになるが、「アズミ」財務大臣は今年度予算の裏付けとなる特例公債法が今の国会でこのまま成立しない場合、9月から地方交付税など予算の執行を遅らせる方針を正式に表明した。  実際に成立しないまま閉会してしまう可能性が高いので、交付予定日だった9月4日の執行は延期されたのだろう。  報道によると、政府が交付を予定していた9月分の地方交付税約4兆円のうち、道府県向けの2.1兆円については11月までに0.7兆円ずつ3回に分けて交付、市町村向けの1.9兆円はとりあえず全額を今月中に交付するということのようだ。  一見、市町村には影響が出ないように配慮されたようにも見えるが、市町村が受け取る様々な交付金や補助金の中には、道府県を経由してくるものも多々ある。  その意味で影響は必ずある。  「停電するぞ!」という強迫だけでは飽き足らず、とうとう「お金あげない」という強迫まで始めたということだ。  そもそも地方交付税は自治体「固有」の財源だ。直接的な「自主財源」ではないが、その総額は機械的に算出される。現在、地方交付税の総額は、法人税の35.8%、所得税と酒税の32%、消費税の29.5%、たばこ税の25%を合算した金額だ。この割合は法律で決められているものだ。  あれ、なんか変だ、と思わないだろうか。  そうなのだ。どこにも赤字国債を財源にするとは書いていない。あくまでの税収の何パーセント、という話だ。  つまりありていに言えば「使い込んだ」ということになってしまうのではなかろうか。  地方交付税という制度は自治体間の税収不均衡を均すために設けられているわけだから、財源は国の予算の一部ではなくて、税収の一定割合を地方に渡す、ということになるのだ。  こういう制度の趣旨から考えれば、財源不足を理由に地方交付税の交付を遅らすのは全くの筋違いだということがわかる。  今回の特例公債法案の審議未了は多分に国会の政局的な側面があるのだから、その結果、国の事業が滞るのはわからなくもない。しかし地方行政にその影響があるとなると、民主党マニフェストにあった「地方分権」の推進とは全くの絵に描いた餅、だったということになる。  そうか、あのマニフェストはもう捨て去られたものだったんだっけ…。

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