377 「僕の昭和」「昔の田舎のご馳走事情」リメイク
tankuroです、こんにちは。
◆◆ もう50年も前の「僕の昭和」の思い出です。
「昔の田舎のご馳走事情」ですが、私が高校生の時に
お袋の故郷に行って驚きました。
お袋の実家は鹿児島県の熊本県に接する日置郡の
山奥にありました。
隣の民家まで500mも離れたのどかな部落です。◆◆
◆◆ さて、その田舎家に到着してまず目に入って来た
のは、中庭の柿の木に逆さまに吊るされた鶏でした。
よく見ると、あんぐり首が切られていてポツリポツリ
血がしたたっただろうと想像ができます。
きっと、今晩のご馳走になるのだろう、、と。◆◆
◆◆ この山深い地方の最高のご馳走が「鳥刺し」だと
聞かされています。
まず、殺傷した鳥の首を切って逆さまに吊るし血抜きを
します。
それ以降の作業を実際におじいさんに見せてもらい
ました。
全身の毛をむしります。
まだ産毛の残ったそれを豪快に焚き火の中に投入します。
パチパチ毛が焼ける音が。
程よく焚き目がついたら鳥を解体します。◆◆
◆◆ 頭部のついた首を切り離します。
お腹を割きます。
うん、卵の黄身がいくつか入った内臓を取り出します。
それは煮物に変身します。
そして、腿と胸肉に切り分けて、さらにスライスして
焼きめのついた「鳥刺し」が出来上がります。
それが甘いたまり醤油をつけていただく最高の
ご馳走です。◆◆
◆◆ あっそうそう、思い出します。
兄が小学校6年生の時に未だにおねしょが治りません。
それを心配して鹿児島の祖父母が鳥のトサカのまんまの
佃煮を贈ってくれました。
兄は嫌がりながら父に叱られて食べていました。
もちろん、私は笑ってみていただけです。◆◆
◆◆ ここで不思議な事が起こります。
鳥刺しのご馳走が出る前に、餡子が一杯かぶった団子が
出て来ました。
うん、なんだろうとキョトンとしていると優しい祖母が
食べる様に促します。
「いただきます」
甘いお団子です。
これがおもてなしの第一弾だったのです。◆◆
「ありがとうございました」
食事前に甘いものを食べると満腹中枢を刺激して食欲が
落ちると言います。
それが目的だったのでしょうか?
それとも甘いものが希少で贅沢品だったのでしょうか?
どっちだったのでしょうかぁねぇ、、?