やっぱり！「今日も笑顔で元気です！」

[京都　流れる時間] カテゴリの記事

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  桜花爛漫　親子旅

  　　大学合格を決め，親子で春の京都旅行をしよう。これがこの数年の私と息子の目標でした。生後1歳，まだ歩くこともおぼつかない頃から京都に連れてきた長男，イノダのコーヒー，今宮神社のあぶりもち，鍵善良房のくずきりが好きという，変な子に育ってしまいました。当然，大学も京都へ，という親子の願いがありましたが，残念ながら実力が伴わず，地元への進学となりました。まあそれでも無事合格はうれしいことです。　長男は百万遍で古書店めぐりが楽しみだそうです。その間，私は出町柳の名曲喫茶・柳月堂でモーツアルトを聴きながら昼寝をすることでしょう。　その後は枡形商店街から同志社のキャンパスを眺め，御苑へ。今月末の京都では近衛家の糸桜が見れるでしょうか（写真は07年3月の写真です）。　大学の先輩がお祝いをしてくれるといううれしい話。八坂神社石段下でお会いします。祇園新橋から夜桜を見ながら白川を定宿の岡崎までふらふら親子で歩いて帰るとおもいます。　上気した頬の新入生が鴨川の桜に陶然とする季節。私も京都で若さを少し取り戻してきます。　

  2008.03.22

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  紅葉　京都

  木曜，退勤後，夜行バスに乗って昨日まで京都に行ってきました。昨年の師走，4月の桜，8月の地蔵盆，そして今回の紅葉と，1年に四季を連続で味わったのは初めてでした。残念ながら今年の紅葉は汚く，このまま朽ち果てる感じがありました。それでも，大好きな大徳寺・高桐院や真如堂，くろだにのカエデやイチョウの美しさには感動いたしました。息を飲む鮮やかさでした。しかし，京都の混むこと。朝6時に京都駅につくのですが，その時点で朝マックのお客さんが列をなしていました。南禅寺，哲学の道はもう人ひと・・・・湧いてくるようでした。ガイドブックに載るようなお店はどこも長蛇の列で，四条通りは歩くのさえ大変。東山通は混んでバスが動きませんでした。食事はコンビニや大学の学食という情けない始末でした。まあいつだって並ぶ金も気力もない私ですが。今回，下宿の近くで親のようにお世話になった方のお宅へ四半世紀ぶりにお邪魔してきました。一緒に遊んでもらったり，ご馳走してくださったり，本当に優しくしていただいたのです。（確かここかな・・）不安に思いながらインターホンを押したら，奥さんが「ああ　赤間君！」とすぐに思い出してくださったのです。時がとまったかのようでした。私が3年の時，ご主人が重病で入院，その後，25年間奥さんが介護の末に，一昨年ご主人が亡くなったこと，お孫さんの重病，当時高校生だった息子さんが議員になられたこと。ご近所の仲良しの皆さんのその後・・・。西陣の日のあたらない狭い路地，「鰻の寝床」の狭い間口，4室しかないつつましい生活です。私が宮城に帰ってから便りの無い私を，ご主人がずっと心配していただき，「赤間君の土産のささかま，うまかったな」と何度も繰り返しておられらたとのことを聞き，涙が止まらず，仏前で詫びました。学生生活でこれだけご近所と仲良くできたのは同級生の中でも私だけだったようです。それがいまだに京都から離れられない理由なのですが。法然院で同級生の女の子によく似た人を見つけて息が止まりました。考えてみれば年が全く違うわけで・・・数秒見つめてしまった私は冷たい視線を浴びてしまいました。実は，昔好きだった人の娘だった・・・なんて言うのは『風の盆恋歌』みたいなよくある小説の世界（私は別に好きだったわけではありませんが（笑）。時の流れの非常さ，人とのであいの有難さ，しみじみ感じた旅でした。

  2007.11.25

• そうだ，　京都行こう

  そうだ，京都いこうここのポスター展がなかなか素敵です。疲れたときにうっとりと見ることがよくあります。

  2007.10.24

• 感傷旅行　最終日

  　20日，5時半にチエックアウト。青蓮院で朝日が東山から昇る。　円山公園で昨日お会いして知恩院前の「かとう」さんを紹介してくださったまゆみさんとおしゃべり。「またいつでも連絡ください。」と携帯を教えてくださる。京都人のイケズとか冷たさなんて私は感じたことが無い。冷たい人間がいるだけで，それは京都に限ったことではない。　バスで四条烏丸。前田珈琲で朝食。　バスで初めて東寺に行く。司馬遼太郎さんの『空海の風景』の恐ろしいイメージが強くて，なかなか敬遠がちだった。密教の異国性は広大な敷地に国宝が居並ぶ立体曼荼羅。九条車庫 眠く疲れて早く家について寝たくて仕方がない。 清水道，清水寺，高台寺都路里でしらたまパフェ。バスで北野天満宮。妙におちこみ， 何もしないでバスにのって三条河原町。1時携帯チャージ。 三条大橋スタバに入る。スタバとブックオフが対する三条大橋。ここは国辱の風景と怒っていたが，実際にはすばらしい風景で感動した。カシスを飲みながら川原を眺めていたら，カワセミを発見。 バスで河原町今出川へ。鴨川渡って ２時半出町柳の柳月堂でアイスコーヒーをいただく。学生さんが「英雄の生涯」（カラヤン ベルリンフィル）をリクエストしている。私はブラームス1番（クレンペラーＰＯ）をリクエストする。バス 祇園 でお土産の扇子を買う。そこのご主人に，近くの団栗湯を紹介してもらう。南座のの裏辺りなのに雰囲気は私が慣れ親しんだ西陣の下町気分。実に爽快だった。四条大橋から1本なのに団栗橋はなかなか渡らない。吹く風が最高だった。 四条寺町で携帯をチャージ，八ツ橋を買う。 バス三条小橋のお好み焼き「どんぐり」。おいしかった。今日はどんぐり尽くし。※写真は三条スタバからの眺め。全く素晴らしい。日本の心のヘソである三条大橋。スタバのように企業コンセプトのしっかりした企業の店で京都にとっては幸せだったかもしれません。

  2007.08.25

• 安らぎの一日

  　朝５時半に宿を出て，白川沿いに行者橋まで歩く。　知恩院山門を左に，円山公園で犬の散歩，鳥にえさをあげていた元コンパニオンのまゆみおばさんと小一時間話す。　イノダ本店で朝食。河原町三条からバス２０５系統，大徳寺高桐院に初めて訪問。唖然とするアプローチの美しさと竹林，かえでの清清しさに小一時間ぼうっとする。 　いつものように今宮神社の一和さんであぶり餅をいただく。 　バスで知恩院に戻りおそばや「かとう」さんで木の葉丼を食べる。美味しかった。　バスで岡崎道，黒たにはいつ行っても気分がいい。本堂に涼しい風が吹き渡る。真如堂から宗忠神社。バスで宿にもどり，洗濯。　占いしてもらったらなぜかえらく元気ななる。　バスでジュンク，六曜社でコーヒー。　 ※写真は高桐院。このアプローチの見事さ！

  2007.08.24

• 送り火の後の京都

  　17日，7時30分仙台駅前発。帰省ラッシュを避けるため，山形・小国峠越えで北陸道へ。６時半到着。 快晴にも関わらず猛暑に慣れたからか京都特有のめまいのするような暑さは感じない。 　イノダ本店で朝食。 岡崎の宿に荷物を預け，平安神宮の大鳥居からバスで東天王町。 バス停の白川沿いのキョウチクトウが美しい。 大好きな哲学の道。 一昨日の送り火で賑わっただろう，大文字山が美しい。 京都で一番好きな法然院 蝉時雨までか涼しい 時折鹿おどしが響く 観光客も少なく清らかな庭をゆっくり楽しんで過ごした。 浄土寺から出町柳柳月堂でフルトベングラー指揮ウイーンフィルの「ウラニアのエロイカ 」をリクエストする。　下鴨みたらし団子食す。 植物園で昼寝してから冷やしうどん。 京都コンサートホールで「出口武と仲間たち」のコンサート「コシファン」「 パスクアーレ」「仮面舞踏会」「ボエーム」を聴く。 バスで四条河原町，ジュンクで本を立ち読みあいて元気。 三条河原町で携帯チャージをしてもらう。 三条京阪ブックオフ，四条へバス，フランソワでアイスコーヒー。※写真は夕景の鴨川。　どうにも夕景を見に，たそがれ時はふらふら誘い込まれるのがここ。　大橋から,夏は巨大コイ，冬はゆりかもめの鳥柱を見るのが楽しみ。

  2007.08.22

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  一人旅

  　一人ぼっちで京都へ行った最初は長男が生まれた年の年末だった。　どうにも京都の街が見たくなり振りきるように新幹線に乗った。育児で忙しく身動きとれない日々なのだったために行きたい気持ちが高まっていたのだろう。その時には日頃忍耐強い家内だが不平を言われた。当然のことと思う。詫びつつもどうしようもない気持ちに押され何度も京都へ通っている。　　京都には私の大半がある。感性、趣味・・、京都で過ごした学生時代に種となったものあるいは学んだものが今の自分を作っている。京都に行くことはそんな自分の原風景を見に行く会いに行くことなのだ。観光も少しはあるがあまり興ののることでなく鴨川や御所などの散歩は家族から嫌われてしまう。私にとって京都への旅は現在の京都ではなく過去の自分と京都への幻に会いに行くのである。　東山トンネルを越えるときのあのときめきと苦さ。　一人旅の罪に身を責める。※写真は法然院。せみ時雨さえ涼しい。時折，鹿おどしが静かに響く。

  2007.08.21

• 京都市電が走った街今昔

  　昨日，初めて家族が揃ったので久しぶりに小岩井へ行ってきました。ぴょんぴょん舎本店斜めのブックオフで見つけた『京都市電が走った街 今昔 JTBキャンブックス (単行本（ソフトカバー　沖中 忠順 (著), 福田 静二 (編集』を購入。これが実に楽しい本。市電が走っていた各ポイントを現在の風景と揃えて掲載している。変化したものと変化しないものを見つけるがおもしろい。　「市電の走っていた地域の街路は、御池、五条、堀川、川端通を除けば現在も大きな変化がない。町並みの変化は戦後50年で括ると大きいが、10年ごとに見ると中心部を除けば比較的穏やかなように感じる。見慣れたものが徐々に変化するせいか、一変したと見えないのである。これが京都らしいところかもしれない。」（本文）　バブルで町を破壊されたことを多く報道された京都であるが，考えてみれば他の土地はもっと壊されている。後発開発のわが町は国体，ワールドカップ誘致に団地造成で山が次々に消えて行った。京都は３０年前の学生時代の風景がまだ残っている。　さて，京都市電は７８年９月に廃止された。折りしも私が同志社に入学した年。最後に残された外環線に乗って西大路を北上し，左大文字を見た記憶がある。　ちなみに，７６年に仙台市電が廃止。　蛇足だが，８１年には地下鉄烏丸線開業も目撃している。　この本はコメントに情報が多く楽しい。著者を見たら同志社の鉄研ＯＢ。どおりで話に懐かしさがあるわけだ。　見たことの無い風景がほとんどであるが妙に懐かしい風景である。　京都出身者のナイトキャップにぴったりである。

  2007.07.29

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  祇園祭

  　学期末の猫の手も借りたい季節，心惹かれるのは祇園祭。　３連休の一日でも行けないかなと思うのだが，全くの見果てぬ夢。　学生時代，毎年　見に行った。　忘れられないのは，好きだった女の子をずっと待った宵山の夜。悲しかったなあ。　教員になって三陸の小さな町の汚いアパートで通信簿を書きながらふと見たTVのニュース。　宵山の「チャンキチチャン」という囃子の音。涙が止まらなかったことを憶えている。　

  2007.07.13

• 青葉若葉の町

  青春のある時期に人は自然の美しさに出会うという。私の場合，それは高１の春，両親とジャガイモの植え付けをしている時であった。周囲の山の木々が萌葱色に芽生えていく姿に急に陶然となった。その後の高校生活は当時，旧制二高の回顧展があったことや北杜夫の『ドクトルマンボウ青春記』に夢中になっていたこともあり，旧制高校生に憧れ，弊衣破帽のバンカラ姿で，仙台の鶴ケ谷周辺や青葉山周辺を岩波文庫をポケットに入れて山の中を歩き回ったものだ。京都という学生の町を選んだのも「紅もゆる」（旧制三高　逍遥の歌）を旺文社の大学受験ラジオ講座で聞き，京の町の「古き良き学生時代」ロマンを味わいたくなったからである。同じ今出川でも，京大ではなく同志社という鴨川の反対側に入ったのはご愛嬌。さて，京都という大都会と自然というのは変な取り合わせのようだが，私の自然観はこの町で培われたと言ってよい。　京の人々は四季に合わせて身近な自然に慰めと喜びを感じる装置を作り上げてきた。和歌，俳諧，茶道，華道・・・，さらに服飾，作庭，料理・・・　多くの伝統芸の中に季節を感じるコードを作ってきたのである。 私も京都で過ごす時間が無かったら自然を大事なものとは考えなかったと思う。　初夏の京都。京見峠に登るまでもなく，街中の吉田山ではウグイスやホトトギの爽やかな鳴き声がこだまする。　御所の濃く厚い緑。　梨の木神社脇の緑のトンネル。　突然の夕立。　鴨川沿いに吹く夕方の風。　全てが熱狂の祇園祭，そして夏本番に動いていく京都の初夏の姿は胸が沸き立つようなはしゃぎに溢れている。

  2007.06.15

• ほっと京都

  京都はどうしても世界遺産コースが目に入るし，周辺の楽しみも多い。我が家の長男は清水の坂が大好きで，「ここに来たら京都って感じがする」と言う。確かに清水～高台寺周辺はすばらしい。私が学生時代を過ごしたのは1978年から1982年までの5年間であるが，その頃は観光地が嫌いだから，そばを通ることはあっても近づくことはしなかった。驚くのは30年前よりも確実に京都化しているのである。京都化と言えばおかしいが，我々が期待する町並みである。80年代のバブリーなタレントショップも駆逐され，落ち着いた町並みができている。これはまさしく住民の努力だろう。　さて，私が必ず行く場所，それは観光地から離れた所である。賀茂川　出町から植物園，大徳寺から船岡周辺，下宿のあった北野商店街，下にも書いた神楽岡から黒谷。京都の人々の落ち着いた暮らしが感じられる場所が好きである。 必ず訪れるのは，大学の「庭」だった京都御苑。四季それぞれに美しく，歩く喜ぶのある場所。　写真は，近衛邸跡の糸桜。満開でした。

  2007.04.07

• 2日目

  6時に宿を出る。池波正太郎流の旅行術は，・詰め込んで観光しない・早く宿に入る・早く寝るで，私はこれを守っているが，京都は特別。京都は朝が早い。朝がいい。もちろん夜もいい。となると，勢い不眠がちになる。この日は昨夜帰ってきた白川～疎水の道を逆に南下。バスで四条高倉，再びイノダ本店へ。河原町からバスで千本北大路。さらにバスで植物園。北門からてくてく歩いて出町で柳月堂。百万遍から吉田山，神楽岡，宗忠神社，真如堂，くろだに。この桜の岡の散歩はいい気分である。桜は八分咲き，鶯は絶好調で鳴き続け，遠く東山の大文字は白く霞んでいる。ここは京都の別天地である。あとは山を下りてから，無謀にも東山に突入したが，もう5年の京都生活で見たことが無いような混雑振り。歩きもバスもひどくてうんざり。

  2007.04.02

• １日目

  朝，6時に八条口。いつもの通り，京都の下駄？バスカード1日券500円を買って河原町三条へ。堺町三条イノダ本店。7時前だが入れてくれる。いつも窓際の席。となりはいつもの常連さん。自転車のヘルメット持った元気なおじさんが中心。周囲にはすてきなファッションの老夫婦。いつ行ってもいつものメンバーが定席に座っている。他人に見えない。京の朝食1050円。あれ，あんなに楽しみにしていたアラビアの真珠が香らない。体調が悪いのだ。嫌な予感。河原町に戻り，岡崎へバス。神宮道で下りて常宿，トラベラーズインへ荷物を置く。チエックインはできないが荷物は部屋まで運んでいただく。ここは最高の宿だ。まず安い。なにより疎水の桜が舞い込むようなロケーション。南禅寺・哲学の道に15分，平安神宮に5分。図書館，美術館，動物園なんでもある。そして美しい風景。疎水の桜は三分咲き。神宮へ行ったら掃除のおじさんが「まだまだよ」という事。とって引き返し，バスで東天王町へ。哲学の道。ここは桜，雪柳が最高に美しい。大好きな法然院はやはり静寂そのもの。毎朝仏前に供える有名な散華が美しかった。その後，銀閣寺から北野天満宮へ。桜の平野神社からまた天神さんに戻り，昼食は門前のとようけ茶屋で湯豆腐膳（1000円）。これは絶品。バスで今出川河原町。川渡りをして出町柳へ。名曲喫茶「柳月堂」へ。ここは何十年も時間が止まっている場所。ブラームスヴァイオリン協奏曲，マタイ受難曲抜粋をリクエスト。京都御苑へ。近衛邸の糸柳は満開。御所の東側の杉桜を見る。杉の倒木の中から桜が出てきた。何かエイリアンみたいで怖い。一度，宿に戻ってから，花見小路と先輩と遅くまで話す。帰りは白川沿いをゆらゆらいい気分で歩く。

  2007.04.02

• 桜の京都

  3月29日(木）から1日（日）まで京都に行ってきました。1泊はホテルですが，行きかえりは車中ですので1泊4日のいつもの弾丸ツアー。今回は京女で教授をされてる先輩と飲むのが目的。しかし，この日までインフルエンザで具合の悪い日々。夜行バスなんてあまりに無謀でした。で，結果は・・・桜の祇園・花見小路は最高に楽しかったのですが胃腸が調子悪く，楽しみにしていたものはほとんど食べられませんでした。たこ焼き，お好み焼きのネギ焼き，王将のギョウザ，六曜社のコーヒー，ひさごの親子丼，下賀茂のみたらし団子，今宮神社のあぶり餅，鍵善のくずきり，都路里の抹茶パフェ・・・今回はとようけ茶屋で湯豆腐，イノダに3回！これでおしまいでした。やれやれ。

  2007.04.02

• 師走の喜び

  京都の師走に訪れるのは何度目だろうか。世間の人が慌しく動いている最中に，まねきの上がった南座やユリカモメの舞う鴨川を歩く気分の良さはなかなか味わえないものである。師走と新年の準備という伝統的な日本の風情を味わうのに京都ほど適したところはない。正月の買い物で賑わう錦市場や北野商店街でめずらしい京野菜を眺めるのは楽しい。１２月は観光客の少ない月である。女性誌で「並んでも食べたいスイーツ」などと書かれる名店もすんなりと入れる。四条では鍵善良房（絶品くずきり），向かいの都路里（抹茶パフェ）などもすっと入れた。ただし，年末年始で不定期な休みにぶつかることもしばしば（今宮神社のあぶりもち，北野天満宮の粟餅，下賀茂のみたらしだんごはアウトだった）。冷たい比叡颪に冷えた体を三条堺町のイノダコーヒや河原町三条の六曜社の芳しいコーヒーで温めるのはいい気分である。

  2006.12.30

• 師走

  いやあ寒い京都でした。２５日の夜行バスで家族全員で行ってきました。今回は，２６日強い雨。２８日は嵐山に行きましたが，この日は北山時雨。渡月橋では愛宕山に虹が出て，天龍寺では何と雹。子供たちは「生まれて初めて」と大喜び。２９日は一日中，市内は雪でした。今回は京都の寒さを実感した。仙台では真冬に街中を歩く人などはいない。店に入ると汗をかくような暖かい暖房。ところが京都では四条のような繁華街の店でも軽い暖房しかしれていない。客のにぎわうお香の愛山堂では何と電気ストーブ，しかもすべて切っていた！いやあ京都の始末ですね。そういえば大学の恩師のお宅にお邪魔したとき，真冬の２月だというのにエアコンで暖房していて，全然暖かくないのに閉口しました。寒がりの家内は「早く帰って薪ストーブの前でお昼ねしたい」と言っていました。 

  2006.12.30

• 西陣

  西陣，と言っても，私の下宿は北野天満宮から下がった仁和寺街道沿い。堀川周辺の佇まいよりさらに庶民的と言えるかも知れない。　ここに住んだことは本当に幸いであった。　よく京都人は冷たい，などと言われるが，私は１度もそんなことは感じたことがない。　私の部屋は豆腐屋さんの屋根裏。信じられないが，屋根の勾配がそのまま。つまり天井が斜めになっている。床も斜めになっていて，友達がみんなここに来ると頭が痛くなると言っていた。小さな窓から路地を見下ろすと，銭湯帰りのお姉さんがすぐ下を通る。　親切な人ばかりだった。近所の方がおやつを作ったからと差し入れしてくれた。よくお世話になった吉田さん一家には夕飯をごちそうになったり，野球や卓球に引っ張り出していただいた。　西陣の人々の暮らし，そのつつましさを思うと胸が熱くなる。家の前のほんの狭い場所にたくさんの植木や鉢を並べて丹精をこめて育てる。庭のない家など普通である。おばあさんたちが乳母車のような買い物カートに腰を下ろして路地で何時間も話している。北野商店街の懐かしさ。全く良い場所であった。

  2006.12.02

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  京都への思い

  私が京都へ行ったのは１９７８年の大学入学。高校１年の夏に親友とこの町を訪れ，（必ずここの大学に入る）と決めたものだ。東山，大原，嵯峨野，高尾の地は心にしみる美しさだった。　憧れたこの町での学生生活は私の人生を決定付けたと言っていい。一度も引っ越さなかった下宿での５年の生活は全く快適であった。当時，学生向けのアパートや下宿は修学院や岩倉に多かったが，私の下宿は北野天満宮から最高に素敵な北野商店街を抜けた下森通下長者町三助町。大本山立本寺。いわゆる西陣地区のややはずれ。一日中，織物の音が絶えない，まさしく京都の下町である。深夜，近くの銭湯の桶を片付ける音と，山陰線の汽車の音が聞こえた。狭い路地には車はほとんど来ない。時が止まったかのような静けさであった。同じ大学の友人に較べて京都への思い入れが多いのはこんなすばらしい下宿で過ごしたことが大きい。

  2006.11.30

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