ばっかり食べ
敬愛する作家・書誌学者の林望さんの掲示板にしょっちゅう投稿しますが,いつも丁寧にお返事をいただきます。以下の文は林さんの新刊 『新個人主義のすすめ』の一文にいちゃもんをつけたものです。お読み下さい。※いつもお世話様です。先日は作文についてご教示いただき,御礼が遅れ失礼いたしました。ありがとうございました。 楽しみにしていた『新個人主義のすすめ』早速,拝読,極めて実践的な内容に感銘を受けました。 学校教育に関する御批判とご提案,腑に落ちることばかりでした。 67ページに「ばっかり食べの児童が6割を占め,先生がいっさい是正しない」という記述に関し,現場の声をお聞き下さい。ばっかり食べが給食でよく見られるというのは事実です。私の職場ではクラスに数人いると思います。職員がこれを見たならば,通常は注意すると思います。学校給食には指導計画があり,箸の扱い,片付けなど含めて「主食,主菜,副菜の順で食べましょう」,いわゆる三角食べを奨励しています(実はこの方がよく世間で揶揄されることが多かったのですが)。 では,どうしてばっかり食べが給食で普及するのか。原因は一斉給食のために時間が取られ,はやく食べるよう急かされているための,子どもたちの防衛手段なのではないかと思います。給食にかける時間は45分,準備で15分,片付けで15分,食事には15分しかかけられません。一律のメニュー,量ですので子どもによっては時間が足りなくなります。狭い教室で40人の配膳,食事,下膳(歯磨き・掃除)は騒然としたものです。私たち教員は指示と叱咤を繰り返して食べさせ,自分は5分で昼食を取り,残りの時間を宿題やテストの採点に当てる。給食指導が完全に終わって,残りの休憩時間は十数分。さらに次の時間まで採点朱筆というのが全国のほとんどの教員の姿かと思います。愚痴を書き,申し訳ありません。給食,運動会をはじめとする旧態依然とした行事,40人学級・・・,学校の課題はまだまだあります。林先生の提案,本当にありがたく,身にしみます。長文失礼いたしました。