094423 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

探偵Qちゃんの探偵な日々

探偵Qちゃんの探偵な日々

ストーカー調査 編

ストーカー調査 「僕がストーカー?」 編

僕は基本的には自営業者になるんですが、サラリーマンの方々と同様に接待や付
き合いがあります。

僕はお酒が大好きなんで、そういう席は嫌いではないですし、自分のボトルをキ
ープしているお店も何件かあります。

行きつけのお店に行けば、こんな僕でも「馴染みの客」なもんですから、そこで
働く女の子とも顔なじみになっていろんな話をするようになるもんです。

女の子たちは僕が「IT探偵」だと知っている子が多いので、いく度にいろんな
相談を持ちかけられます・・・

その中でも多いのは、やっぱり「ストーカー被害」の相談なんですね。

商売上、女の子たちは、たとえ嫌なお客さんでも笑顔で接客しますし、愛想良く
接します。

僕はそういう女の子たちを見て、

(商売とはいえ、凄いな~)

って、いつも関心してるんですけど、お客さんの中にはそれを勘違いする人もい
るんですよね・・・

どんな勘違いかって言うと

『この女の子は、俺に気があるから愛想がいいんだ!』

これってとんだ思い違いですよね・・・

そりゃ中にはそういうこともあるかもしれませんよ。

でも、店の女の子がみんながそうなんてことはありませんからね・・・

今日の話も、正にそのままの相談だったんです。

ある日、久しぶりに夜の予定が空いたので、友人(やっぱり電気屋さん)を誘っ
て飲みに出かけたんです。

最初は友人の行きつけの焼き鳥屋さんで喉を潤し、その後、いつものラウンジに
行ったんです。(もともと友人の行き着けのラウンジです)

行く前に電話を入れておいたので、店に着くと4人掛けのテーブルがリザーブさ
れ、僕のボトルもセットされてました。

マスターと女の子が僕たちを向かえてくれて、早速、席につきました。

いつものように乾杯をして良い感じで飲みだしたんですが、いつも陽気で店でも
人気の高い○○ちゃんが、その日は口数も少なく、顔に笑もありません・・・

僕はほろ酔いでしたから・・・

(アレの日かな・・・?)

くらいにしか思ってなかったんです。

時間が過ぎて友人がトイレに立ったとき、

「○○ちゃん、今日は元気ないね~」

って軽く声をかけたんです。

「そんなことないですよ・・・」

そういう彼女の笑えきれない顔が気になりながら、友人がトイレから戻ったので
また飲み始めました。

飲みながらカラオケで歌を唄っていたときに何気に彼女を見ていると、ちょっと
気になることがあったんです。

彼女はいつもタバコと携帯電話を持ち歩いてるんですが、その携帯電話がのラン
プが、さっきからずっと点滅しっぱなしだったんです。

でも、彼女は携帯電話を見るだけで電話に出ようとしません。

(メールかな?)

って思ったんで

「ようメールくるな~」

って言ったら、彼女はちょっと苦笑いをして黙ってたんです。

(なんかおかしいな・・・)

そう思って友人がトイレに立ったときに彼女に聞いてみたんです。

「なんか、困ってるやろ?」

彼女は苦笑いしながら首をちょこっと縦に振りました・・・

「なんか、困ってるやろ?」

彼女は苦笑いしながら首をちょこっと縦に振りました・・・

「どないしたんや?客からなんか言われてんのか?」

彼女は席を僕の隣に移って、耳元で言いました。

「こういうのはよくあるんですけどね・・・
今回はしつこいんです・・・
この前、家に変な手紙が届いてたし・・・」

「手紙?住所教えたんか?」

「教えるわけないですよ~!」

「ほな、つけられたんやな・・・」

「どうしたらいいんでしょう・・・」

彼女がここまで話た時に友人がトイレから戻ってきたので、彼女に

「わかったし、明日の午後にでも電話しておいで」

そう言って僕の名刺を渡しました。

それを見ていた友人は・・・

「え、なんなん?なんで?なにしてんの?」

「いや、なんもないで・・・

そやそや!あれ歌ってよ!あれ!あんたの得意なやつ!」

「お~!あれやな!○○ちゃん、あれ入れて!いつものやつ!」

「は~い」

(友人は単純な奴です)

それからしばらくして、僕らは店を出ました。

帰り道、友人がまた

「なぁなぁ、さっき何話しててん?」

「いやぁ、なんもないで。あ、ラーメンでも食おか!?」

「お~いいね~」

(やっぱり友人は単純です)

その後、ラーメンを食べて帰りました。

次の日の午後、(どうかな~、かかってくるかな~)って思ってたら、かかって
きました。どうやら真剣に悩んでるんですね・・・

「もしもしQちゃんです」

「昨日はありがとうございました。」

「いえいえ、それじゃ詳しい話を聞こうか。」

「あの~、そっちにお邪魔してもいいですか?家に居るのがなんだか不安なんで
す・・・」

「もちろん良いよ。場所はわかる?」

「はい、わかります。じゃ、今から行きますね。」

それから30分くらいして彼女が事務所を訪れました。

私服の彼女は夜の姿とは全然違って、普通の女の子です。

(変わるもんなんですね~)

「すいません、忙しいのに・・・」

「ううん。そんなことないよ。ま、座って。」

「はい、すみません・・・」

「で、いつから?」

「2ヶ月くらい前からです・・・」

「もともとはお客さん?その人の素性とかはわかる?」

「詳しいことはわかりません・・・。最初はそんなにいやなお客さんじゃなかっ
たんです・・・
良く通ってくれてたし、ボトルも入れてくれるし、お金払いもいいし・・・
何回か食事に誘われたんですけど、『同伴ならいいですよ』って言ったら『それ
でもいい』って言ったんで、何回か同伴で食事にも行ったんです・・・
でも、だんだん回数が増えてきて、電話もしょっちゅうかかってくるようになっ
たし・・・
私にも都合があるから、そんなに頻繁に付き合えないし・・・
あんまりしつこいから冗談半分で『プレゼント買ってくれたら』って言ったこと
があって・・・
そしたら『プレゼント渡したいから』って電話があったんです。私は冗談のつも
りだったし、そんなのもらったら後が大変だから、『あれは冗談だったんです。
そんなのもらえませんよ・・・』って断ったんです・・・
そしたら、次の日の朝に玄関に包みが置いてあったんです。なんだろうって思っ
て開けたらピアスと手紙が入ってて・・・
手紙には『○○ちゃんのために買ったから使って下さい』って書いてて・・・
私、すぐに電話したんです。『こんなのもらえないし、どうして家がわかったの
』って・・・
そしたら、『そんなの気にしないで!僕は○○ちゃんのことはなんでもわかるか
ら』みたいなこと言われて・・・
それからは、しょっちゅう手紙が置いてたり、プレゼントが置いてたり、電話も
しょちゅうで、『手紙読んでくれた?』とか『プレゼントは使ってくれてる?』
とか・・・
あんまりしつこくて、マスターも『最近、○○さん来なくなったね~』とか言い
出すから・・・
私、こういうことになってるとか言えなくて・・・
本人に電話して言ったんです。
『もうやめて下さい!会いたいならお店に来て!』
って・・・
それからです・・・
手紙の内容が過激になって、家の壁に落書きとかもされるようになったんです・
・・
もう、怖くて・・・
いつも私が仕事に行ってる間みたいだし・・・」

ひととおり話し終えた彼女の目は涙で潤んでました・・・

「そうなんや・・・そんなんやったら、もっと早く言えば良かったのに・・・」

「・・・・こういうのって、なかなか言えなくて」

「ま、そうかもしれんね。今日、店に行くんやろ?」

「はい。行きます」

「それやったら、マスターに事情を説明しとき。そいつはいわゆる『ストーカー
』やし、なんとかしなあかんしな。」

「なんとかしてもらえますか?」

「うん、今は『ストーカー規正法』も有るしね。とりあえず『証拠』が必要やし
ね。」

「わかりました。よろしくお願いします・・・」

「元気出して!!がんばりや!!」

そう言って彼女を送り出しました。

早速、『ストーカー退治』の準備です。

まずは下見。

彼女の家は一軒家で、人通も少ないところです。これならストーカーを特定する
ことは簡単。

状況を確認して、夜から張り込みをすることにしました。

張り込みを開始して数時間・・・夜中の11時頃、彼女の家に男性が現れました


ビデオのスイッチON

男性は彼女の家から少し離れたところに車を置いて、歩いて彼女の家の前まで来
るとポストに何かを入れました。きっと手紙ですね。

その後、男性は何もしないままに車に戻り走り出しました。僕も早速、追跡開始


なんで追跡するかっていうと、男性の素性が知りたかったんですよ。

結婚してるのか、独身なのか、どんな生活してるのか・・・

なんで追跡するかっていうと、男性の素性が知りたかったんですよ。

結婚してるのか、独身なのか、どんな生活してるのか・・・

男性の車の後をついていくと民家の集まった住宅地に着きました。

男性はその中の極普通の家のガレージに車を停めて、自分で玄関の鍵を開けて家
の中に入って行きました。

どうやら、家族がいるようですね・・・

とりあえず住んでいるところはわかりましたから、次のステップです。

次の日から、この男性の素行調査をしてみることにしてみました。

わかったことは次の通り・・・

独身

親と同居

サラリーマン

彼女はいなさそう・・・

その他・・・

男性は仕事を終えると、クライアントの家に行き、何をするでもなく帰っていく
・・・

定期的に手紙やプレゼントを玄関やポストに入れることで、自分の存在をアピー
ルしてきたんですね・・・

状況を見る限り、特別な悪意はなさそうだし、どっちかって言うと純粋な『スト
ーカー』ですね・・・

でも、いくら純粋でも、ストーカーはストーカー・・・

今の時代では許されません。

僕はクライアントに連絡して今までの状況を説明しました。

ストーカーは調査をしたほぼ毎日、クライアントの家に来てる・・・

ストーカーは独身で親と同居してる・・・

会社勤めのサラリーマン・・・

彼女はいない・・・

その他・・・

それからこの先のことについて話しました。

「相手はね、特に悪質ってわけじゃないでしょ。少し手紙の内容が過激なとこは
あるけど、直接的な危害は加えてきてないしね・・・」

「そうですよね・・・。私としてはそういう行為がなくなればそれでいいし・・
・」

「特に慰謝料を取りたいとか、警察に届けたいって言うのも今はないんやろ?」

「はい、やめてもらえればそれでいいです・・・私にも責任はあると思うから・
・・」

「よし、ほな、直接話しようか。」

「直接ですか?」

「うん。そのほうが話は早いし。」

「・・・・・・・・・・・・・・」

「どうもないって!直接話するんは僕やし、嫌やったら会わんでいいから。」

「わかりました・・・じゃ、お願いします・・・。」

「ま、事が済んだら連絡するから、いつもどうりに仕事に行ってくれてええよ。


そういって彼女を送り出し、夜になるのを待ちました。

いつもの時間になって、彼女の家に向かいます。

しばらく待つと、いつものようにストーカーが現れました・・・

今日は手紙かプレゼントがあるようです。

玄関に近づいて何かを置いています・・・

事を済ませて出てきたところ見計らって、僕は車を降りてストーカーに近づきま
した。

「ちょっとすみんません・・・」

「・・・・・・・・・・・・・」

かなり驚いた様子です・・・

「○○さんですね?」

「・・・・・・・・・・・・・」

「ここはなんやし、場所変えましょか・・・」

「・・・・・・・・・・・・・」

ストーカーは思った以上におとなしかったですね・・・

僕とストーカーはクライアントの家から少し離れたところに移動して話を始めま
した。

「○○ちゃんて女の子知ってますよね?さっきの家に住んでる女の子」

「・・・・・・・・・・コクン」

「ほな、なんで僕が声かけたかわかるよね?」

「・・・・・・・・・・コクン」

「今のあなたの行為はストーカー行為になるのわかります?」

「な、なんでストーカーなんですか!?」

ようやく口を開きました・・・

「なんでて、後をつけたり、嫌がってんのに電話をかけまくったり、手紙にいろ
んなこと書いたり、ストーカーそのまんまやん!」

「別に、そんなつもりやないですし・・・」

「ほな、どんなつもりやねん!?」

「・・・・・・・・・・・・・・」

「あんな、今はそういうことしたらストーカーになるねん。相手が嫌がってるの
に、つきまとったり、手紙に過激なこと書いたりしたら、恐がらせるだけやろ?


「・・・・・・・・・・・・・・」

「○○さんは、今回は自分にも責任があるから、訴えるつもりも、慰謝料を取る
つもりも無い、言うてるし、僕もあなたを見てて、そんなに悪い人間やとは思て
へんから。」

「・・・・・・・・・・・・・・」

「とにかく、この書類に署名して。」

「なんですか?これ?」

「誓約書。もう二度とストーカー行為をしませんていう約束ですわ。」

「書かなあきませんか?」

「そりょそうやん。そやなかったら訴えられるよ!今回、訴えられへんだけでも
幸いやのに・・・」

「誰にも言いませんか?」

「あ、心配せんでもいいよ。この誓約書と、今回のあんたの行動を記録したビデ
オを○○さんに渡すけど、今後、こういうことせえへんだら、表には出さあらへ
んから。」

「・・・・・・・わかりました。」

「うん。ほなここに名前書いてね。嘘書いたらあかんよ!おたくの名前も住所も
勤め先もわかってるんやから!」

「・・・・・・・はい」

ストーカーは署名欄に署名し、僕の用意した朱肉で拇印を押しました。

これで、ストーカー事件はとりあえずは一件落着・・・

その日の夜遅く、仕事を終えたクライアントから電話がありました。

「どうでしたか?」

「うん、大丈夫。うまくいったで!」

「そうですか!ありがとうございます!」

「明日の昼間、事務所に来てね。ビデオとか渡すから。」

「はい!じゃ、明日いきますね!」

そして次の日・・・

「ありがとうございました!」

「いえいえ、とりあえずこの書類とビデオ渡しとくね。」

「はぁ・・・」

「相手には、今度こういうことをしたら警察に届けるって言うてあるから。ま、
またこんなことがあったらすぐに僕に言うてね。」

「はい。本当に有難うございました。お礼に今度、おごりますね!」

「ありがとう。ほな、また飲みに行ったときにサービスして」

「もちろんです!!」

ということで、事件解決。

その後は手紙やプレゼントは来なくなり、お店にもまったく顔を出してないそう
です。(当然ですけどね・・・)

このストーカー事件はまだ、被害も小さくて早期解決できたほうですね。

僕が知るほかのストーカー事件だと、ストーカーが女性の家の前で首を吊ろうと
して、僕の探偵仲間が止めに入ったって事もありました・・・

きっと、もっと以前からこういうストーカーまがいの話はあったんだと思います


でも今ほど陰湿じゃなかったんでしょうね。

だから事件にならなかった・・・

でも今は、命の危険すら感じるような行為が行われていることは事実です。

なんで、こうなったんでしょうね・・・

やっぱり、これも時代のせいなんでしょうか・・・

でも、なんでもかんでも時代のせいにするのもどうかなって気もするし・・・

時代や社会を作るのは我々人間なわけだから、そういう意味では僕らに責任があ
るのかもしれませんね・・・

もっともっと、強くならなきゃ・・・


© Rakuten Group, Inc.