Que sera, sera

2009/01/27(火)11:57

音楽の「表現力」とは?(練習編(1))

娘のはなし(628)

毎年書いていますが、 娘が参加するKのこどもコンクールは、 「表現力を評価する」 というのがうたい文句で、 テクニックを競う他のコンクールとは趣がちょっと異なるものです。 バイエル後半―ブルグミュラーレベルのさほど高くないレベルの曲で 表現力の違いを競うようです。 でも、毎年、ド素人の私は 「表現力って?いったい何がどう評価されているんだろう?」 と悩みました。 去年のコンクールを終えてから、とにかく、 「表現力」とは何か? と考え続けた一年間でした。 ムスメが今回挑戦した曲は、 こびとのおどり という曲。 題名どおり、こびとが軽やかに踊るイメージの曲で、 ペダルを踏む箇所はなく、 スタッカートで曲が進んでいきます。 でも、最初の半年、ムスメはただひたすら、 ぶったたくように弾いていました。 最初は、指の回りが速くなる部分や和音の部分では音抜け がひどく、先生に 「これはテクニックの問題ですから」と、 運指の練習を徹底していただいて何とかなりました。 でも、何かが足りない。 次に先生から徹底的に指導されたのが、 「楽譜どおりに弾くこと」 fやp記号や、クレッシェンド、デクレッシェンドなんてのは 私にもちゃんと見えているのですが、 「ここはテヌートだから音を伸ばしたあとで切って」 「ここはスラーが切れているから息継ぎする程度に音を切って」 「ここはマルカートだから一音だけ元気に」 などなど。最後まで見落としている箇所がたくさんでした。 でも、なかなか表現力豊かとはいかず・・・ 強弱の問題なのかな?と、「強弱を付けて」と再三注意してみたのですが、 まるでボリュームを調節するかのように、 強く、弱くの繰り返し。 練習していくうちに、一応ノーミスで弾けるようにはなったのですが、 まるで機械が演奏しているようで、 そのうち聴いているのも苦痛になるほど。 ミスなく弾いているのに何かが違う・・・何かが足りない。 その状態は、コンクール4日前の最後のレッスンのときにも 変わらず。 先生も、コンクールを目の前にしてダメ出しをして自信を 失わせることを恐れてか、はっきりとはおっしゃらなかったのですが、 明らかに、ムスメの演奏の足りない部分をわかってらっしゃいました。 何かが足りないのに・・・ その何かがないと、とても金賞なんてムリ・・・。 それはわかっているのに、その部分をカバーできないもどかしさ。 その何かに私が気づいたのは、 コンクール2日前の夕方のことでした。 実は、スタッカートもスラーもきちんと弾けていないんだ、という 非常に基本的なことに。

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