2006/01/19(木)10:18
「東京タワー」と母への想い。
先日、リリー・フランキーさんの「東京タワー」を読み上げた。
昨年からベストセラーになっていたので、ずっと気になっていたものの、
新刊、ハードカバーで1500円は、
正直ちょっと痛くて、どうしようかと迷っていた。
けれど、買って本当に良かった。
この本を読んで本当に良かった。
そう、思える1冊だった。
どんなお話なのかご存じない方もいると思うけれど、
実は、あたしも
「母のありがたみがわかる本」
「ユーモアに溢れる文章、そして感動、号泣」
本の帯チラシに書いてあるこの情報のみで、買おうと踏み切った。
初めて本屋さんでこの本の見出しを見たとき、
少し前に映画であった、黒木瞳さんとV6の岡田君のノベライズ本だと思った。
作者や紹介文を見て、違うと知って一度は素通り。
「母のありがたみがわかる本」
だなんて、そんな本を読まなくたって、
あたしは充分母のありがたみを知っているほうだと思っていた。
けれど、違った。
読んでいると、記憶の隅の方に追いやられていた母との思い出や、
当たり前だと思い素通りしてきた母の愛情、
誰よりも苦労してきた母の側面を、改めて客観的に捉えることが出来たりして、
後半は、涙が止まらなかった。
あたしの両親は、あたしが2歳くらいの時に離婚している。
それからはずっと、あたしと姉、二人の子供をひとりで育ててくれた。
今ほど離婚が当たり前でないご時世、周囲からはまだ小さいあたしを
父のほうへ引き渡すべきだと言われたらしいけれど、
母は頑として、首を縦に振らなかったという。
「二人とも、ウチの子や。」
文字通り、昼夜働いた時期もある。
そんな中でも、自分を磨いていた母はとてもモテたけれど、
決して、男性の世話にはならなかった。
経済的に決して豊かではなかったはずなのに、
姉を東京の大学へやり、卒業させた。
かたやあたしは、高校へはまともに行かず、入学式、卒業式以外に
3~4回学校へ足を運ばせた。くそ忙しいのに。
成績が悪くても、「勉強しなさい。」と言ったことはなかった。
タバコを吸っている事を母に白状した時も、
「学校でだけは吸うなよ。」と言って笑い飛ばした。
友人宅へ外泊を繰り返しても、心からあたしを信用していた。
あたしは勉強が嫌いだったから、高校を卒業してすぐ働いたけれど
ガイドを辞めてから、残業の多い会社に入った為、
帰りは9時を過ぎることが当たり前になっていた。
母はとても心配性だった。
ある日、いつものように駅からあたしが歩いて帰っていると、
黒いダウンジャンバーにジャージ、夜なのに色付き眼鏡に野球キャップ
という見るからに怪しい格好の人物が、あたしに向かって
「おかえり~」
と言った。
あたしは、怖くてビックリして2メートルほど後ろへ飛びのいた。
母だった。
あまりにもあたしが遅くて心配だった為、駅まで迎えにいこうと思ったらしい。
けれど、冬だったのでとても寒い。だからダウンジャンバーを羽織った。
眼が悪いので、眼鏡をかけた。
お風呂上りだったので、寝間着のジャージだった。
おまけに髪が濡れていたので、風邪を引かないよう帽子を被った。
どこからどう見ても不審者だ。
あたしが、帰り道に変な車に追いかけられてからは、
あたしの当時乗っていたスポーツカーをなれない運転で迎えに来るようになった。
そんなふうに育てられていながらも、
あたしは今、母をひとり置いて地方へ嫁いでいる。
昔から、たびたび母は言った。
「あたしのことは気にせんでええから、自分が好きなように生きたらええ。
子供の人生は、子供のもんや。
子供に面倒見てもらおうなんて思わへん。
私の事を考えて、あんたらに気ぃ使わすような人生はやめて欲しい。
あんたらの重荷にだけは、なりたないねん。」
「素直な子に育って欲しい。」
母がそう願ったとおり、見事にその言葉を鵜呑みにして
あたしは巣立っていった気がする。
24歳で結婚したあたし。
24~25歳は、大人だと思っていた。
けれど、何もわかっていなかった。
離れて暮らしてみて、少しずつわかってきた。
子供を生んで育てて、ほんの少しだけ母の立場へ近づいて気付いたこともある。
里帰り出産で、結婚後初めて3ヶ月近く実家で過ごし、
夫の元へ帰る前日だっただろうか。
「ここでこのままお母さんと暮らしたほうが楽しいかもしれない。
たとえ離婚してで戻ってきても、全然平気な気がする。」
と、あたしは言った。本心だった。
その時、母は言った。
「そんなことは言うもんやない。
そら、1人で暮らすよりも、
あたしはな、あんたら子供と暮らすのが一番楽しいで。
そやけどな、順番で言うたら、どうしてもあたしのほうがはよ逝くんや。
そしたら心配でしゃあないやないか。
ええ旦那さんに恵まれて、ええ両親もついとる。
お姉ちゃんにも、ええ旦那さんがついとる。
私はあんまりええ親やなかったかも知れんけど、
親としての役目を果たせたんやなって、
それが私の誇りなんや。」
それを聞いて、あたしは泣いてしまった。
やっぱり、何もわかっていない。
「どんなに親孝行をしたと思っても、必ず後悔をする。
ああ、あれもしてやればよかった。これもしてやればよかった。」
本の中に出てくる言葉。
そうかもしれない。
「あたしが健康で幸せに暮らすことが一番の親孝行」なんて言うけれど
あたしは、きっとまだまだ親不孝モノだ。
何をしたらいいのか手探りで、何も出来ていない。
それどころか、まだまだずっと母が必要だ。
だからお願い。
ずっと元気でいて。
身勝手な子供のお願い。
血圧が高いんだから、もう少し、お酒とタバコを控えてください。
いつまでも働かせてゴメン。
でも、無理しないで。
いざとなったら、甘えていいんだから。
まだまだ未熟なあたしだけど。もう少し親孝行させてください。
本を読む前から想っていたこともたくさんあるけれど、
読んだことで、気付かせてもらったこと、
ちゃんと、伝えなくちゃ。
ずっとずっとありがとう。そして、これからもよろしく。
本当は、こういうことは母個人へ向けて、
メールでも打てばいいんだろうけど、やっぱり少し照れくさいので、
HPで堪忍してや。
東京タワー
この本は、これからもたくさんの人に読んでもらいたいので、
あらすじなどは伏せさせてもらいました。
笑える文章に太鼓判!
涙すること間違いなし!
買って、損しない一冊でした。
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ダイエット経過報告
20分。やると体脂肪が一気に3%くらい落ちる。
お風呂上り⇒柔軟・体操
補正下着 ⇒お休み。
朝:
昼:余ったご飯でチャーハン。焼豆腐の煮物
夜:寿司。刺身の盛り合わせを買って、初めて握り寿司に挑戦。
シャリの味が難しいなあ。
野菜たっぷりの味噌汁。
間食:なし!!
なんとか、1kgちょい減りました。