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カテゴリ:映画 ハ行
『パンズ・ラビリンス』を観ました
![]() 1944年のスペイン内戦下を舞台に現実と迷宮の狭間で3つの試練を乗り越える 少女の成長を描くダーク・ファンタジーです ![]() ![]() >>『パンズ・ラビリンス』関連 原題: EL LABERINTO DEL FAUNO PAN'S LABYRINTH ジャンル: ファンタジー/ドラマ/ホラー 上映時間: 119分 製作国: 2006年・メキシコ/スペイン/アメリカ 監督・製作・脚本: ギレルモ・デル・トロ 出演: イバナ・バケロ セルジ・ロペス マリベル・ベルドゥ 【ストーリー】 1944年のスペイン。 内戦終結後もフランコ政権の圧政に反発する人々がゲリラ闘争を繰り広げる山間部。 内戦で父を亡くした少女オフェリアは、臨月の母カルメンと共にこの山奥へとやって来る。 この地でゲリラの鎮圧にあたるビダル将軍と母が再婚したのだった。 冷酷で残忍な義父に恐怖と憎しみを募らせるオフェリア。 その夜、彼女は昆虫の姿をした不思議な妖精に導かれ、謎めいた迷宮へと足を踏み入れる。 そこでオフェリアを出迎えたパン<牧神>は、彼女が地底の魔法の国のプリンセスの生まれ 変わりで、満月の夜までに3つの試練を乗り越えれば、魔法の国に帰ることが出来ると告げる。 オフェリアはその言葉を信じて、与えられた3つの試練に立ち向かう決意を固めるのだったが…。 ![]() ![]() ![]() ![]() だから少女は幻想の国で、 永遠の幸せを探した。 内戦で父を亡くした少女オフェリアが主人公のファンタジー映画ということですが、 はっきりとくっきりと大人向けのダークな仕上がりにゾクゾクしました。 独裁者フランコの分身のようなビダル大尉と再婚することになった 臨月の母に連れられ山奥の駐屯地にやってきた少女オフィリア。 道中で出会った奇妙な昆虫がきっかけで、オフィリアは 不思議な迷宮(ラビリンス)へと誘われ、 そこで出会った牧神パンに「君は地底の魔法の国のプリンセスなんだよ」なんて言われ、 魔法の国の両親のもとに帰るため、3つの試練を受けることになるわけであります。 空想の世界の手のひらに目玉があるベローンとした怪物や、巨大蛙と対決するなど、 プリンセスらしからぬ泥まみれの試練に耐え、 現実世界では日に日に弱っていく母親を心配し、 ゲリラを容赦なく惨殺し、お腹の中の息子の事だけを心配する 冷酷非道な義父ビダル大尉の行為に 心を痛めつけられるオフィリアがかわいそうで観ていられません。 うにょうにょ動く根のようなもの、ベタベタしたものを吐き出す巨大カエル、 羊の頭を持った牧神パン、妖精さえも巨大な昆虫化してなんて・・・ なんとも表現しがたいファンタジーの世界が繰り広げられます。 近年の高度な映像技術とは一味違った肉厚で濃厚な怪物たちと 不気味なのに美しい、観た事も無いファンタジーの世界の描かれ方が絶妙であります。 オフィリアを演じたイバナ・バケロがこれまたすばらしい。 悲しみと動揺を湛えた表情、危なげで純真無垢な感じが可愛らしく、 物語をより豊かにする見事な演技に感服でございます。 ゾワゾワするような不気味さが醸し出すダークなファンタジーの世界と 現実の生々しい戦争の殺戮、独裁政権の怖さ、 母親を失うかもしれない少女の恐怖が見事に交差し、 大人が楽しめる不思議な魅力に満ちているファンタジー映画でありました。
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