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カテゴリ:映画 マ行
『真夜中のピアニスト』を観ました
カルトな名作『マッド・フィンガーズ』を、ジャック・オディアール監督が 『ルパン』のロマン・デュリス主演でリメイクしたフィルムノワールです >>『真夜中のピアニスト』関連 原題: DE BATTRE MON COEUR S'EST ARRETE THE BEAT THAT MY HEART SKIPPED ジャンル: ドラマ/犯罪 上映時間: 108分 製作国: 2005年・フランス 監督・脚本: ジャック・オーディアール 出演: ロマン・デュリス ニエル・アレストリュプ オーレ・アッティカ 【ストーリー】 28歳のトムは、父の影響から、不動産の裏ブローカーとして、暴力や裏切りが横行する 世界に生きる男。 しかしそんな彼の心の中には、母のようなピアニストになりたいという夢が眠っていた。 そしてある日、彼は昔の恩師に再会、オーディションを受けてみるよう勧められるのだった。 夢を諦めきれずにいたトムは、その言葉で再び鍵盤に向かう決意を固める。 しかし、そんな彼のレッスンのサポートをしてくれるのは、フランス語も話せない 中国出身の女流ピアニスト。 それでもトムは、過酷な裏家業のかたわら、オーディション目指して練習に励むのだったが…。 ここから先はネタバレを含みます。ご注意を 僕から音楽があふれ出す ハーヴェイ・カイテル主演の78年作品『マッド・フィンガーズ』を現代のパリに移して リメイクした作品ということであります。 オリジナルは観た事がないので比較はできませんが、闇で生きてきた青年が夢への最終切符を手にしようと もがき苦しむ姿は息の詰まるような緊迫感、言いようもない絶望と哀愁が漂い、 いかにもノワール・ムービーという感じがしました。 主人公は、死んだ母親と同じようにピアニストになりたいと夢をみながらも、 父親と同じ薄汚い地上げ屋稼業に生きる主人公の青年トム。 ある日、母親の元マネージャーと再会し、 オーディションを受けることになるのであります。 中国から来たばかりの若い娘ミャオリンとのピアノのレッスンは言葉が通じないので 音楽だけで感情をぶつけ合い、美しい旋律を奏でる指は、 次の瞬間では闇の世界で血に染めていたりする。 光と闇、夢と現実、男と女など、 相対する描写がめまぐるしく展開され絶妙な演出に目が釘付けであります。 主人公のトムを演じたのは、『ルパン』のロマン・デュリス。 鳥肌ものの怪演で魅せる、愛するが故に離れられず、憎しみも大きい父親との関係、 人間性を取り戻しながらも抑える事が出来なかった復讐心、 闇の世界から抜け出そうともがき苦しむ青年の姿を見事に演じていてすばらしいのであります。 主人公同様眠る事さえ許されないような緊迫感の中で展開される光と闇の2つの世界観が スタイリッシュな映像とジェットコースターのようなスピード感で見事に演出され、 荒々しい男の世界にほろ苦い人生を感じさせるような味わい深い映画でありました。
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