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猫と財布に優しい生活

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2008年10月01日
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10/17追記:この記事の内容については、さらに新しい情報があります。
こちらもお読みください→メラミンの最新データと許容摂取量


昔のデータでメラミンの許容摂取量を語っても、意味がありません。ムカッ


中国で混入したメラミンそれ自体が、メラミン以外のモノが数%混ざったいわば"汚染メラミン"だったため、それまでの実験とは異なる振舞いをして腎臓を詰まらせた。
それがわかったのは、昨年4月です。

1983年~2000年動物実験による安全性評価既存化学物質安全性(ハザード)評価シート
メラミンの毒性はきわめて低い
2007年2月北米で急性腎不全が大量発生。
腎臓に謎の結晶。
ペットフードに何が?
2007年3月30日原材料からメラミン検出無害のはずのメラミンでなぜ?
2007年4月19日原材料からシアヌール酸も検出質の悪いメラミンが混入されていた
2007年4月27日結晶の実験室合成に成功メラミン+シアヌール酸で腎臓が詰まると判明


今日、こんな新聞記事がありました。

ノート メラミン・汚染米問題:混入疑いの食品、保養所などに8600食分--品川区 10/1 毎日新聞 
区では、いずれの食品も1人が1食程度摂取しただけで、内閣府食品安全委員会が示す許容量を大幅に下回っているため、健康に影響は与えないと判断している。

パン 1個ぐらいなら平気ってのは同感ですが。
「内閣府食品安全委員会が示す許容量」と書いてあるので、食品安全委員会HP に行ってみました。

ノート メラミンについて(2008.09.26更新)[PDF] 9/26 食品安全委員会(内閣府)
米国食品医薬品庁(FDA)のメラミン及び関連化合物の暫定リスク/安全性評価(2007年5月)
   TDI(耐容一日摂取量):0.63 mg/kg 体重/日(メラミンとして)
   NOAEL (無毒性量)の最小値:63 mg/kg 体重/日(ラットの13週間給餌試験における膀胱結石)

欧州食品安全機関(EFSA)「中国における乳幼児用調製粉乳及び他の乳製品中のメラミンによる公衆衛生リスクに関する声明」(2008年9月)
   耐容一日摂取量(TDI):0.5 mg/kg 体重/日


今度は FDA と EFSA が出てきましたよ。
まず、FDA に行ってみましょう。

ノート Interim Melamine and Analogues Safety/Risk Assessment 2007.5.25 FDA
The most recent reported no-observed-adverse-effect-levels (NOAELs) are 63 mg/kg bw/day (13 weeks, oral with feed, in rats); 240 mg/kg bw/day (28 days, oral with feed, in rats); 417 mg/kg bw/day (14 days, oral with feed, in rats); and 1600 mg/kg bw/day (13 weeks, oral with feed, in mice).2

太字の部分を訳すと、食品安全委員会の文書の「NOAEL(無毒性量)の最小値~」になります。
最後に「2」と脚注があるので、そこも見てみます。

References
2.OECD SIDS Analysis UNEP Publications: Melamine, June, 2002

なんと 2002年の出版物のデータでした。雫

さらにバラしちゃいます。
ラットに13週間食べさせて膀胱結石。63 mg/kg。
これ、最初の表で紹介した「既存化学物質安全性(ハザード)評価シート」に載ってます。

ノート 既存化学物質安全性(ハザード)評価シート メラミン 化学物質ハザードデータ集
ラットに0.075、0.15、0.3、0.6、1.2%(63-1,000 mg/kg)の濃度で 13週間 混餌投与した実験で、0.075%以上で膀胱結石、膀胱粘膜上皮過形成、腎臓の近位尿細管のカルシウム沈着、0.6%以上で体重増加抑制がみられている10, 15)

「10,15)」と脚注があるので、そこも見てみると。

10) IUCLID(International Uniform Chemical Information Data Base) Data Sheet, EU(1995).
15) BUA Report, 105(1992).

1992年と1995年のデータです。雫

「実験で使うようなちゃんと精製されたメラミンはほとんど無害だけど、中国のワルモノが入れるようなジャンクメラミンだと、腎臓でメラミンとシアヌール酸が反応しちゃう」ってことが昨年4月に明らかになったのに。
乳児に腎臓結石が出ている以上、牛乳に入れられたメラミンもジャンクメラミンに間違いないのに。

大昔に「ちゃんと精製したメラミン」で出した数字で「体重1キロあたり1日0.63mg までなら大丈夫♪」って、そりゃないでしょう>内閣府


EFSAのほうも見てみましょう。

ノート Statement of EFSA on risks for public health due to the presences of
melamine in infant milk and other milk products in China
2008.9.24 欧州食品安全機関(EFSA)

It is referred to EFSA's provisional statement of 7 June 2007 related to melamine and structurally related compounds such as cyanuric acid in protein-rich ingredients used for feed and food (Question N° EFSA-Q-2007-093).

シアヌール酸(cyanuric acid)で検索してヒットした部分です。
「2007年のときは~」と振り返ってるだけですね。
ジャンクメラミンを想定した新たな基準値を設定したわけでは無さそうです。



長々書きましたが、そういうわけで、内閣府や厚生労働省に書いてある
「体重60kgの人が1日当たり許容できるメラミンの摂取量は0.63×60=37.8mg」
という数字は、今回の牛乳汚染に対しては全く信頼できません。

問題を正確に把握してほしいものです。



<関連記事>
  • メラミン汚染から「愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律」への軌跡

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    最終更新日  2008年10月17日 17時43分24秒
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    メラミンとシアヌル酸が結合する条件   パパ さん
    難しいかも知れませんが、補足しておきましょう。

    メラミンを検出する試薬はシアヌル酸であり、シアヌル酸を検出する試薬はメラミンです。
    メラミンとシアヌル酸溶は溶液が中性・酸性・アルカリ性も何れでも結合しません。弱酸性の時のみ結合します。口から入っても胃酸で結合することは無いといいます。
    また、一般的な腎臓結石とはできる場所が違います。

    尿は腎臓の毛細血管からろ過され全部が尿になるわけではなく、原尿70%程度は尿細管を流れる間に再吸収され、Na+が再吸収される過程でPHが酸性に推移するのでメラミンとシアヌル酸の結合に都合の良い弱酸性になる時があり、メラミンとシアヌル酸の水素結合はその一瞬に起こり、不溶性のメラミンシアヌレート結晶となって尿細管を詰まらせます。
    血液はPH7.5程度の弱アルカリ性に保たれていますので血液中では結晶しません。

    シアヌル酸はメラミンを工業的に生成する過程で発生する不純物です。更に高度に精製しなければ実験や試薬で使うメラミンになりません。タンパク質欺瞞剤として添加されたメラミンは工業製品であり、試薬レベルの純粋なメラミンであるとは考えられません。
    スクリーニング(検査)では、メラミン量とシアヌル酸量双方を量らないと意味が有りません。メラミンとシアヌル酸の少ない方の量全部で結合し結晶化するからです。
    (2008年10月03日 18時15分21秒)

    Re:メラミンとシアヌル酸が結合する条件(10/01)   きらら=^・・^= さん
    >メラミンとシアヌル酸の結合に都合の良い弱酸性
    そのときの pHの数値はどのくらいですか?
    牛乳も弱酸性なので。

    クエン酸ナトリウムも混ぜていたって話があるけど。
    ストレートにメラミン(&シアヌル酸)だけぶちこんだら、牛乳の中でメラミンシアヌレートができるんでしょうか。
    (2008年10月06日 20時56分31秒)

    パパさんへ追加質問   きらら=^・・^= さん
    pH の話が出たので便乗で。
    だいぶ前の時事通信で「クエン酸ナトリウムや油などを加えることによって、メラミンを大量に混入」してたってのがありましたが。
    クエン酸ナトリウムは pH調整のためですか? 電解質ではないもの(メラミン)を溶かすのに、酸性とかアルカリ性とかって関係あるのでしょうか?
    油は何のため? シロートには想像がつかないっす。

    まぁ、時事通信の報道もどこまで正確だか? 中国紙がソースだし……
    (2008年10月08日 18時35分34秒)

    Re2:メラミンとシアヌル酸が結合する条件   パパ さん
    きららさんが検索して見つからないものは、パパが探しても見つかりませんよ。

    でも、シアヌル酸に2つの型があり、CとNのトリアジン環にOHがくっついているのがエノール型、OとHが分かれてくっついているのがケト型というのが判りました。アルカリ性ではほとんどエノール型で、酸性ではケト型が多いことも判りました。
    余談になりますが、シアヌル酸を入れたプールではpH7~8(推奨値7.4)にコントロールする事になっているそうです。塩素濃度を保つ為ですからエノール型が望ましいのは理に叶っています。

    メラミンと結合する為には、ケト型でなくてはなりませんが、ケト型がpHによってどの様に増減するかというデータは得られませんでした。この方面はアメリカに特許情報が多数ありますが、何れもpHでは記載されていません。
    沢山の文書のニュアンスからpH6~7の間にピークがあると推測できるだけです。

    頃合いのpHの牛乳の中ではメラミンシアヌレートができることになります。

    クエン酸ナトリウムはpH調整(アルカリ方向に調整)に使えますが、必要なのはナトリウムだけかも知れません。
    油脂に水酸化ナトリウムを加えて石鹸を作るのは知っていると思いますが、牛乳にクエン酸ナトリウムと油を入れているという事は乳化成分ができるということです。
    溶けにくいメラミンも、より多く溶ける事でしょう。

    くたびれた~。

    (2008年10月13日 12時45分16秒)

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