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カテゴリ:読んで(観て)みました
テレビで「新春ドラマ 里美八犬伝」とCMしていたのを見て、
「あー、昔小学生の頃に読んだきりだけど、面白かったような」 と思って図書館で借りてきました。 ずばり「滝沢馬琴 著」という本は残念ながらなく、安西篤子さんの書いた八犬伝にしました。 この手の古典だと瀬戸内さんの「源氏」なんかが有名ですけど、他にも沢山あるのですね。 我々もだんだん国語力が衰えて、わかりやすいように書いてもらわないと理解できなくなったんですね・・・。 安西さんは「私と『南総里見八犬伝』」という一文を最初に載せてらして、 八犬士は男性であるけれども、物語を「作る」ことになる女たちが何人も登場する。 この女性たちに焦点を合わせてこの長編を紹介しようと試みた。 と書いておられます。 で、八犬士が生まれたそもそもは というと、「玉梓」という美人が殿様のお妾さんだったというところからかも。 と安西さんははじめています。 その殿様がこの美人の玉梓と遊びすぎで、国をちゃんと治めない。 「そんなんじゃ、農民が迷惑するだろ」とこの殿様を討ったのが里見さんで、 玉梓が「私はか弱い女です。助けてちょうだい。うるうる」とやったところ、 一瞬「でれっ」となった里見さん、つい「助ける」と言ってしまうんです。 でも、やっぱりそれはまずいだろ ということで玉梓も討たれます。 ちきしょー、ずっと呪ってやるからなあ-- で、この玉梓が手を変え品を変え、怨念に変わっていじわるをするので、ピンチになった里見さん、 自分ちの飼い犬に「敵の大将をやっつけてきたら、うちのかわいい娘を嫁にやる」 なんてたわごとを言ってしまうわけ。 で、実際首を討ってきた犬と約束どおり結婚することになるのが伏姫。 「犬と結婚することになったなんて・・・(がーん)」と思いつつも家を去った姫、 次第に犬と気持ちが通じ合ったところでなんと妊娠してしまう。 「犬とナニをしたわけでもないのに、このお腹じゃあ言い訳もできないわ」 とショックで自害を決意。犬も素直に姫にお供することに。 二人で自害したとき、彼女のお腹から8つの光る玉が出てきて、飛び散っていくわけ。 って、思い出しました? こんな感じの話です。 伏姫も霊体となって、玉梓のいじわるを阻止し、八犬士の心の母みたいな役割をします。 ちなみに、新春ドラマではこの玉梓が管野美穂さんで、伏姫が仲間由紀恵さんです。 で、話の本筋は、この玉に導かれた8人の男子たちが、領主の里見さんの腹心としてはせ参じるまで という感じになってます。 ということで、本筋については「二行」で説明終わりなのですが、正直読みづらい。 8人プラスその周りの人物ということで、すごく沢山の人が登場します。 途中で出会ったり別れたり、名前も改名するし・・・で、あわてて読むとごっちゃになります。 でも、基本線としては、「勧善懲悪・SFファンタジー巨編」といった趣ですので、 一応(?)安心して読んでいられます。 どうして、よみづらかったのかなあと思ったのですが、 小学生の頃に読んだときの記憶では、8つの玉にそれぞれ書かれた字 「仁・義・礼・智・忠・信・孝・悌」 とその玉を持つ犬士(剣士じゃないのよね)の境遇がかなりリンクしていたように思いましたが、 安西さんの本ではその部分はあまり感じませんでした。 強いて言えば、「孝」の玉を持った犬塚信乃が「ああ、そうかなあ」と思ったくらい。 「仁の人」なんていう風になると分かりやすいし、めりはりがつきやすいですよね。 女性に力点を置いたせいなのか、小学生の時に読んだ本が子供向けにデフォルメされていたのか?? 別の「八犬伝」を読まないとその辺りはわかりません。 いい機会なので、と次は「山田風太郎」のものを狙っています(笑 余談ですが、八犬士が無事里見さんのところへ仕えることになって物語は終わりですが、 最後にすごい「おち」がついていました。 この8人最後にどうなったと思いますか? 憶えてます? 一応伏字にしますが、なんと 8人が全員で「集団見合いして結婚」します。 しかも相手は8本のひもをそれぞれ引っ張って、反対側を握ってる女子と結婚!(笑 もしや、これが元祖フィーリングカップル8対8かも(爆 そして、引退してから山にこもったみなさま最後は「仙人」になったらしいというところで終わっていました。 オリジナルもこのエピローグなのでしょうか? この辺りが「かなーり」気になります(笑 同時期に同じ「八犬伝」を借りた宮木京子さんと示し合わせて(?)アップしています。 京子さんの方は山田風太郎さんの「八犬伝」。 そちらの感想もあわせてどうぞ♪ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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