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カテゴリ:読んで(観て)みました
友達が「面白いから、読んでみる?」 と貸してくれた本。
全然知らない作家だったので、シリーズものの途中かしら? などと少し調べてみる。 この本が3作目で、デビュー作の「脳男」で江戸川乱歩賞を受賞。 その後「事故係 生稲昇太の多感」があり、この「刑事の墓場」。 CASA(現代美術振興協会)を主催しているそうで、多才な方のよう。 この本、なかなか面白くて、「脳男」も読んでみたい という気になりました。 「刑事の墓場」というタイトルはそういう警察署があるということで、 いろんな問題を起こした警官を「飼い殺し」しておく警察署。 ここ数十年、一度も捜査本部ができたこともないし、予算もほとんどなし。 両側に中堅の警察署があり、何かあると住民もそちらに連絡する・・・・。 そんな墓場警察署に転任してきたのが主人公で、本人はその理由が納得できない。 そんな中小さな傷害事件が起こり、それがまたまた事件を呼び・・・・。 というお話で、その事件の犯人探しと「刑事の墓場」に主人公が送られた理由、 その墓場警察署の「先輩諸氏」面々の個性的な人物像をどんどん明らかにするというもの。 脇役の「先輩諸氏」のキャラが濃くて、シリーズ化できそうだなあと思ったのですが (「チームバチスタの栄光」もそんな風に思ったなあなどと思いました) そうなると主人公が個性的にちと弱いかも。普通の警察官って感じなので。 読んでいて「あれ?」と思い始めるのは事件発生後で、 前代未聞の「捜査本部設置」が行われた後、無能と他の全警察官からののしられる署の面々が、 「(捜査本部設置なんて)どうしましょう?」と相談しているのですが、 もしも解決できなかったら、 「おれたちは全員クビになるばかりか、最悪の場合刑務所行きということにもなりかねない」 なんて話しています。 どうしても刑務所なんでしょう?? どうもただの無能集団ではないのかも?? なんて伏線もあり、その辺りからペースアップ! なかなか楽しく読めました。 余談ですが、この墓場警察署の先輩諸氏の名前がちょっと変わった苗字が多くて、 「鶴丸・梅垣・猪俣・一柳・蝶堂・桜葉・鹿内・桐山」 これで全部(警察署がこれで全部ってのも少ないのだけど・・・)。 何かが連想されてきませんか? 鶴に梅、桜に柳や桐、蝶に猪・鹿・・・・。 多分アレから名前をとっているのでは? なんて、読み終わってから気がつきました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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