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カテゴリ:読んで(観て)みました
かの有名な「本陣殺人事件」です。
先日「僕たちの好きな金田一耕介」を読んで、沢山の横溝作品の中、せめて 「金田一ものだけでも読むぞ」 と思ってたのですが、ちょうど図書館の書棚にあったので、借りてきました。 この本作者の「自選集」で、「本陣殺人事件」と別の探偵が活躍する「蝶々殺人事件」を収録してます。 で、「本陣殺人事件」は再読かどうかというと、よくわかりません 多分ちゃんと本では読んでなくて、映像化されたものを観たような・・・。 「読んだっけ?」と話の内容を思い浮かべようとすると浮かんでくるのは 「よき こと きく」 の単語だけ。これは明らかに違う話だ(笑 金田一の謎解き部分のある不思議な光景(刀が空中に浮かんでいるところ)のくだりに来たときに、 「あ、(読んだのではなくて)観たことあるなあ」 と思いました。真相も種明かしの実験を始めたところで何となく思い出しました。 改めて読んでまず思ったのが、話の「短さ」です。あれー、こんだけなんだ とびっくり。 第一作ということもあり、有名なお話である故の思い込みだったのですが、かなりの長編だと思ってました。 うーん、これだったら長編というより中編かなー。 それから、思ってたより「(作者が)聞き書きしました」という形態がとられていること。 最初は「書き出す前に現場の家を改めて見に行ってみました」 とあるし、 最後の部分は「お医者さんに聞いたことを書いておきます」 とある。 それから最後の最後では、本格ものとして守るべきことは守って書いてある ということが強調してあって、 「ちゃんと○○と書いているので嘘ではない」的なことがちょっとしつこめに書かれてありました(笑 初めて登場する金田一はかの「石坂金田一」の風貌であると書かれていて (だから、スーツやジーパンの金田一はおかしいんだね) 探偵事務所を開いて活躍するようになるまでの経緯も記されています。 お金の無心が結構上手だということもわかります(笑 探偵事務所開設費用と当座の生活費ということで「五千円」もらってます(爆 とにかく、中編?というくらいの長さなのに金田一の説明や本格の但し書きなどがあって、 実際の事件に関してはそんなに長くないし、そんなに難しくないのですが、 紅殻の壁に血が飛び散っているとか、田舎の旧家で血のつながりが強くて・・・・ という金田一ワールド全開です。 映像と同じく、思い浮かぶ光景はどうもいつも、曇りがちな雰囲気(笑 この時点で横溝さんが金田一ものを続けて書こうと思っていたかどうかは知らないのですが、 長編ではないなりにも、今後のシリーズの「第一作」として相応しいものになっていた という感じです。 今日は朝から雨上がりの青空でさわやかですねー。少し涼しくなるといいのですが・・・。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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