tartaros  ―タルタロス―

2009/03/08(日)21:45

私を野球に連れてって(笑)

与太話(102)

 WBC、日本が韓国にコールド勝ちしましたな……。  こういったスポーツなんかの国際試合で日本が勝つと、一日本国民としては素直に嬉しいものがある。しかし、どうも俺は「野球」というスポーツ自体が嫌い……とまではいかなくともあまり好きな方ではないらしい。だから、半分だけ歓喜して半分は「それが、どうしたの?」といった印象だった。正直なところ。  戦後における日本の父子関係の一種の理想的原風景というのは、夕暮れの公園で父と息子がキャッチボールをして語らう一定のモデルが存在しているのだと俺は勝手に確信しているのだが、俺はそんな経験など一度も無い。だからと言って父と仲が悪いとかでは決してない…ハズだ。  確か小学一年生の頃だったと思うが、児童向けの「ファーブル昆虫記」を父が買って来た事があった。本当は欲しくも読みたくもなかったのに嬉しそうな素振りをしていた記憶がある。結局、最初の数ページだけ読んで後は投げ出す羽目になったものだ。後年に妹がその本を読んでの読書感想文で何かの賞をもらった時は皮肉としか思えなかったが(笑)  まあ、要するに特別良くも悪くもない間柄。どうにもぎこちない所があるのは否めないのだけれども。  そもそも幼少期に野球なる存在に対して何らの興味も抱いた記憶が無い。テレビの野球中継なんかも、観たいテレビ番組が潰されるはた迷惑な番組という認識。  ボールもグローブもバットも欲しいとは思わなかったし、それらの道具に初めて触れたのは小学校の体育の授業だった。だいいち、野球はルールが複雑すぎると思うのだが。高校体育で教師に野球のルールが解らない旨の発言をしたところ「野球のルールを知らない高校生が居るもんなんだな…」と、たいへん驚いておられた。    では子供の頃に何に関心を抱いていたのかと言えば、アリの巣に虫よけスプレーを延々と噴射してアウシュビッツのガス室のような惨状を引き起こしたり、聖書の創世記よろしくアリの巣にジョウロから大量の水をぶっかけて一国家が滅ぶ様を飽かず眺めているような残念なガキだったよ。  面白い事に、殺虫スプレーでなくともアリって死ぬんですよコレが。子供によくある無意味な残虐さの発揮。たぶん、似たような事をやっていたヤツは他にもたくさん居たはずだ。    話がズレたので軌道修正するが、俺の野球離れをいっそう加速させたのが小中高における「野球部」という集団だ。彼らはとにかく横暴かつ横柄だった。別に苛められたりしていた訳でないが、連中は必要以上に自らを主張して恥ずる事が無い。その振る舞いはある意味では一長一短なのだろう。自分も周囲も明るくする事ができるムードメーカーであると同時に、無関心な者の精神領域に対しても遠慮会釈なく土足で踏み込んでくる傍若無人な善悪両面を兼ね備えた存在。  どだいテンションの低いタイプである俺が、運動部……とりわけ野球部に特有の体育会系テンションに共感できるはずがなかったのである。  坊主憎けりゃ何とやら。  気がつけば子供の頃よりも野球が嫌になっていた。  そんな訳で、昔からの非ッ常にどうでもいい個人的事情が多分に絡み合った結果、俺の野球に対する無関心が造られたのでした、というお話。  で、野球なんて本当に楽しいの?  

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