tartaros  ―タルタロス―

2009/04/06(月)21:53

唯ぼんやりとした不安

日常の出来事(521)

 最近、何に対してもやる気が起きない……やったとしても空虚な印象しか残らない。  俺はこの一年なにをしてきたというのか。資格を取るためでしかない学科に入って、絶望的な就職活動を始めて(しかも受かる気がしない)、履歴書を一枚書く度に「専門学校」の四文字に責め苛まれる。克服したと思っていた劣等感がまた噴き出した来たようだ。まだ4月の上旬だというにもう5月病とは情けない。  ポッカリと口を開けた暗闇を歩くためには明かりが必要だが、俺はその明かりを持っていない。なぜ明かりを取ろうとしなかったのかという悔いだけがただただ響く。  一年前に現在の環境に移って来たとき、一度だけ不安の故に泣いてしまった事があるが、今はもう涙すら出るまい。泣いたところで何もならないのだから――。いくら本を読んでも根本的な解決にはならないし、社会的生活を営んでいく上で不要な知識ばかりが蓄積されていく。もっと実学の方面に特化した人間になれれば良いのだが、何もかも手遅れなので手持ちの薄汚くくすんだ頼りない明かりのみで暗闇に入り込んで行かなければならない。    ああ、明日はブラックとして悪名高いD社の一次面接だ。  たとえどこであっても無様な敗北しか残せない気がする。  唯ぼんやりとした不安。

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