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tartaros  ―タルタロス―

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映画

2009.11.25
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カテゴリ:映画

 観て来ましたよ。「仏陀再誕」

 笑いを押さえるのが困難な映画だった。
 とりあえず、劇場でエンディングが始まった瞬間に速攻で帰った親子連れは、信者じゃなかったんだろうなって思った。




 詳しいストーリーに関しては、散々あっちこっちでレビューされているのでここでは詳しく述べない。
 しかしながら、中盤までは、「唯物論者が霊界で裁判にかけられて地獄に落ちる」などいつも通りの幸福の科学である。再誕した仏陀である聖☆おにいさん空野太陽も登場し、少しずつ盛り上がりを見せてくる。
 少なくとも、ストーリー的に破綻をきたしているという訳ではない。
 

 が、敵役である荒井東作なるキャラクターの陰謀が明らかになってから一気に雲行きが怪しくなって来る。

 荒井は全世界に信徒を持つ巨大宗教組織「操念会」のトップ。
 この世は弱肉強食、自分に従う者だけが生き残れるという。マキャヴェリストに近いと言ったらいいだろうか。大川総裁の絶対的正しさを際立たせるためとはいえ、あまりにも解りやすい「悪役」像ですなあ。




 荒井は主人公の弟に悪霊を取り憑かせて死病を患わせる。

 しかし大川総裁……もとい空野太陽先生のお力によって悪霊は退散し、弟は助かった。
 ここまで観てて思ったが、荒井と空野って方向性が違うだけで、胡散臭さはどっこいどっこいではないのか? 


 なお主人公の仲間になるキャラクターとして一人の女優さん(CV:三石琴乃)が登場するのだが、彼女は空野が主催する団体の信者だった。
 
 彼女が空野の語る仏法真理に触れて涙する場面は、危ない宗教の怖ろしさをまざまざと見せつけてくれる。本作屈指の名場面である。



 そして初めは宗教に懐疑的だった主人公も、空野に感化されていつの間にか信者に。なん…だと…。



 どうでもいいが、この映画は空野太陽が登場するとほとんど例外なく仏法についての講釈が始まるため、途端に説教臭くなる。




 束の間の平和。

 主人公とその彼氏が夏祭りを楽しんでいると、
 突如として夜空に無数のUFOが出現!

 

 ビームを放って街を爆撃し始めるという突拍子もない展開に。巨大なビルが屋上にビームを浴びて、最上階から順番に爆発していくという場面は「インデペンデンス・デイ」のオマージュだろうか?

 実は、このUFOを操っていたのは荒井だ。


 日本国民を宗教によって支配せんと目論む彼は、念力を発してUFOの幻を見せ、それを自分が撃退したように喧伝する事で人々の信仰を得ようと企んだのである。
 が、仏陀の加護を得た主人公が不思議なパワーを発するとUFOは消滅してしまう。荒井のマッチポンプ作戦はあっさり瓦解。




 作戦が失敗した荒井は、テレビ各局をジャック。


 今度は念力で巨大津波の幻を見せ、日本中に「私を信じた者だけが助かる!」と放送する。恐怖に駆られて信心し始める国民の皆さん。 
 が、またもや主人公と仏陀の力で幻は消え去る。
 荒井の目論見は再び失敗した。
 度重なる失敗に、操念会の幹部も次々と荒井を見限った。
 教団本部で屈辱にのたうつ彼の前に、怪しげな囁きが……。




 しばし行方をくらましていた荒井は主人公を誘拐し、5万の観客で埋め尽くされた東京ドームへと空中浮揚する謎のメカに乗って出現。
 このメカの原理に付いて、劇中では全く説明されない。

 荒井の元には主人公が!


 二度とも荒井の陰謀を破った彼女は、マスコミが取り上げたことで謎の美少女として国民のカリスマとなっていた。彼女に「荒井こそ再誕した仏陀」と宣言させることで、今度こそ野望を成就させようともくろむ荒井。

 東京ドームの各所に爆弾を仕掛けた、観客の命が押しければ荒井こそが真の仏陀と言え!
 
 荒井はそんな要求を突き付ける……って。えっ? もしかして一人で爆弾を仕掛けたのか?
 それとも逃げ出したのは幹部だけで、下部構成員はまだ彼に付き従っていたというのか? その辺が少し不明瞭。

 しかし、主人公は「空野先生こそが再誕した仏陀!」と敢然と言い放つ。
 
 おめでとう! 
 主人公 は 『女子高生』 から 『信者』 に 進化 した!


 信仰は人命よりも尊いのだッ!


 激怒した荒井、彼女をメカ上から突き落とす。
 彼氏が受け止めてことなきを得るが……。


 と、そこへ我らが空野太陽先生のご登場である!

 ついに勃発する聖☆おにいさん教祖同士の大決戦。
 荒井が黒いオーラを放つと、空野は黄金に輝く剣(どこから取り出したのか)を振るって攻撃を次々と切り伏せる。CGをフルに使った大迫力のシーンである。いったいコレは何の映画なんだ? 

 また上述の通り、空野が登場したのでまたもや説教が始まった。




 次第に劣勢なる荒井。


 すると、彼の体内から悪魔『覚念』が出現する。
 荒井は、この悪魔に操られていたのだ! 
 とりあえず、デザイン的には「陰陽座の瞬火あたりに僧衣を着せて、思いっきり目つき悪くした」感じだ。ちなみに、中の人は三木眞一郎である。

 なおも戦いは続き、覚念は空野によって封印された。
 空野は悪魔を断罪するも、荒井本人は「そなたもまた仏の子」と言って赦した。

 全てが落着すると、何故かCGで描かれた天使が大量に出現。
 空野はついに自らが再誕した仏陀であることを宣言するのであった。

 仏法真理を説く映画で天使が登場するというのも解せないが、もっと不可解なのは、この場面のCGがとんでもなく適当なことだと思う。喩えるなら「一昔前のゲーム」。 
 ついさっきまであんなにバンバン派手なCG使ってたのに、何があったんだろう。




 そんなこんなでエンディングだ。


 EDテーマは韓国人歌手が歌う「悟りにチャレンジ!」

 曲名の時点で十分過ぎるほどアレである。
 案の定、宗教色全開の歌詞なのだが、曲自体はまともなのでそれなりに聴けてしまうのが怖ろしい……。

 









 うーん……何て言うかねえ。
 
 再誕の仏陀=大川総裁の正しさを主張したかったのはよく解る。
 だから、極端なまでの勧善懲悪と、敵にも慈悲をかける仏陀の姿が描写されもしたんだと思う。
 
 何かの正しさを見せるためには、勧善懲悪の思考によって物語を彩ることが必要ではあると思うのだけど、この映画では悪役である操念会は無論、唯物論者まで(ささやかながら)攻撃の対象となっている。閉じられた世界観における価値の正しさを構成員が確認するには、外部の敵を徹底的に叩き排除する事が重要だ。
 カルト組織の特徴として、「外部の者に対して異常に排他的」という部分が挙げられるという。
 本作「仏陀再誕」は、仏法真理だの正義だのと美辞麗句を並べ立てた勧善懲悪ストーリーだが、よくよく観察すると他に対して非常に攻撃的な点が見出せそうでは、ある。

 そして、彼らが追求したいのは「幸福の科学の正しさ」「大川総裁の正しさ」である。
 少なくとも、外部のものを敵と見なして徹底的に叩き潰そうとするこの映画の思想が信者ではない者への共感を呼びはしないだろうし、ただでさえ現代日本で異物扱いされ、そのうえ寛容さを持たない宗教が永劫の信頼を得ることなど到底不可能だと言わざるを得ない。
 だから幸福実現党は一議席も取れなかったんだ。

 そんなだからこの映画。
 今は野党に甘んじているものの、連立与党として国政に影響を及ぼすまでになった公明党の支持基盤・創価学会の映画でさえそうなんだから、この先ン十年も、ずーっとネタ映画扱いされるんだろうな。






 余談。

 今回、俺が足を運んだ映画館へ行く道の途中に、リアル幸福の科学の事務所があった。
 行きはともかくとして、帰りは相当にヤバかったです。
 ずっとニヤニヤしっぱなしなんですものwwwww






Last updated  2009.11.25 23:54:23
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2009.07.20
カテゴリ:映画
 あっちこっちで面白いという感想を見かけるし、知り合いが「すごく面白いから早く見に行った方がいい!」とやたらプッシュするし、「序」も面白かったしで、「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」を見に行ってきた。
 

 タイトルの「破」は、まさに「打破」の破、「破壊」の破といったところ。それくらい、TVシリーズとはまるっきり違う作品だったのだ。

 ネタバレになるので詳しくは書かないが、予告映像を見ても良く解る通り、とにかく戦闘シーンのエヴァが「動く」。グリグリ動く。ガシガシ動く。
 CGを駆使した描写は「エヴァ」というアニメが初めて世に出てからの技術の進歩を十二分に窺わせる。その躍動感はさらに生物的な生々しさを増し、エヴァンゲリオンという存在の設定が単なる「ロボット」ではなく「人造人間」なのだということを視覚を通して脳髄にイヤというほどにドカドカと叩き込まれずにはおかない。


 肝心のストーリーの方は……もう、コレが最終回で良いんじゃねえか? ってくらいに盛り上がる。とにかくも燃えるし、熱い。「序」のヤシマ作戦も相当なものだったが、確実に今回はその比ではない。前述のアクション描写におけるグレードアップも相俟って、間違いなくエヴァシリーズ過去最高の出来だろう。
 アスカのフルネーム設定が変更されたことで話題になった本作だが、キャラクター同士の関係もかなり変更されている。シンジとレイの関係の進展は、より大きなカタルシスを観客に与えてくれる。エヴァに乗るという使命のみに突き動かされていたレイの内面が、シンジとの関わりの中でどのように人間らしく変化していったか。「破」は、綾波レイという一ヒロインの心の機微を細密に描き出す。だからこそ、終盤での衝撃は否応なしに増幅されざるを得ない。シンジは、レイの心に応えたのだ。

 ひたすら単純化してしまえば、観た後に思わず首を吊って自殺してしまいたくなるようなアンニュイな話だったTVシリーズとは異なり、「鬱」分はかなり軽減されていると言っていいだろう。もちろん緩いところは緩いし、締めるところは必要以上に締めてくる。ある、とても悲惨な場面で使用されるBGMは、その明るい内容とあまりにもグロテスクな現実の対比をまざまざと見せつける。皮肉と言えばあまりに皮肉な演出だ。
 そして、元のバージョンよりも圧倒的に絶望感の高まったゼルエル戦において、レイを助けるために駆け出すシンジの姿はまさに「男の戦い」。
 これは、もう、碇シンジと綾波レイの愛の物語に他ならない。
 シンジが自己を肯定すること、他者の繋がりを望むことでカタルシスを得た旧作との明確な違いが(現段階では)、ここにあるような気がする。

 とにかく良い意味で予想を裏切られること請け合い。

 シンジが初号機を覚醒させ、その命を賭してレイを救い出した時。
 俺が居た劇場内は、啜り泣きの声が、方々から聞こえて来たのであった。






Last updated  2009.07.20 22:29:30
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2008.09.29
カテゴリ:映画
vip614125.jpg



MOVIX仙台まで、クラウザーさんにレイプされに行って来た「デトロイト・メタル・シティ」を観に行って来た。
さすがに平日なので人の入りは少ない。


とりあえず、内容的には原作を映画向けに再構成したストーリーといったところ。
事あるごとに周囲から笑い声が聞こえて来た。
さすがにあの破天荒さを完全再現する訳にはいかなかったんだろうとは思うけれども、一娯楽映画としてはかなり面白い部類に入るんじゃないだろうか。
原作自体のファンが見たら(若干ソフトになってて)少々期待外れかもしれないが、松山ケンチ扮する実写クラウザーさんに映画館でレイプされるのもそれほど悪くないとは思う。







Last updated  2008.09.29 17:10:24
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2008.09.26
カテゴリ:映画
ドグラ・マグラ (1988)


ニコニコにまさかの予告版。

映画版はもう20年も前の作品になるのか……。
「夢幻の恐怖ワールド」っていうコピーがいかにも80年代って感じで良いですな。
観てみたいが、近くのレンタルショップにビデオの一本でも置いてるのだろうか?
地元では一回も見かけた事は無かったが。

それにしても、正木博士が全くイメージ通りの見た目な事に驚く。



それにしてもこの「ドグラ・マグラ」という作品、夢野久作による原作は原稿用紙1200枚という大作で、かつ完成までにかかった期間が十数年。さらに内容は「奇怪」の一言。一種のメタ技法を駆使した探偵小説なのだが、これが滅法面白い。

夢野は「この作品を書くために生きてきた」と言ったとか言わなかったとか。

そして「ドグラ・マグラ」発表の一年後、夢野は脳溢血で急死する。
考えてみれば、十数年もの歳月をかけて畢生の大作を完成させた、そのわずか一年後に死んでしまうというのも、何か運命的なものを感じる話だ。



また読みたくなってきた。
が、あいにくと実家に置いてきてしまっている(角川文庫版)。
ちくま文庫版でも探すか……?






Last updated  2008.09.26 23:58:21
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2008.02.10
カテゴリ:映画
ちょいと前に、ヨーロッパ旅行中にホテルで睡眠薬を盛られて財布を盗まれた経験があるという世界史の先生から「映画好き」みたいな事を言われました。

おかしい……俺は特に彼に対して「映画が好き」などと表明した覚えはないのだが。そもそも映画好き認定されるほど熱心に映画観てるわけでもないし、俺。
しかし、そんな事を言われるからにはやっぱり思い当たる節が無い訳はありません。


それで思い出したのですが、この先生、前の先生(女性)が産休に入ったために代理として我が高校にやってきた人。それで、まずは生徒の情報をある程度把握しようと思って、クラス全員に「名前」「部活」「好きなアーティスト」などの質問項目のあるプリントを書かせてました。

それで俺が「好きな映画」の欄に書いた回答が、俺に対する彼の「映画好き」なる認識が発生したそもそもの原因だと思われる。


で、肝心の回答の内容ですが、確かこんな感じだったかと記憶しています。





「博士の異常な愛情 また私はいかにして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか」

「ザ・フライ」

「フルメタル・ジャケット」

「生きる」






もう1、2個なんか書いてたような記憶がありますが、ちゃんと覚えているのは上記の4作品。
これはアレです。何というか「通ぶろうとして失敗した」ようなセレクトだと思います。我ながら痛い。
ああ、立派な中二病だなあ。
それにしても最も大変なのは、この回答をしてからまだ半年ちょっとしか経過していないという事。

つまり、きっかけさえ存在すればまたぶり返す危険が……。




それにしても先生、本当の映画好きというのはこういう人の事を言うんだと思います。






















さて。




























それじゃ日記も書いたし。









































「カリガリ博士」でも見てくるかな!






Last updated  2008.02.10 20:03:31
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2007.12.25
カテゴリ:映画
「プルガサリ 伝説の大怪獣」。

映画好きとして知られる将軍様が、日本から「ゴジラ」シリーズの製作スタッフを招いて製作したという北朝鮮製怪獣映画なのです。
諸般の政治的事情によって、公開が10年以上見送られたといういわくつきの作品でもあります。

ストーリーとしては、悪政のために獄死した老人が米で作った人形に命が宿って怪獣「プルガサリ」となり、王朝打倒のために挙兵した農民たち反乱軍と共に、悪政で民を苦しめる悪い王を倒す……というもの。
なお、この映画は朝鮮半島の民話に取材したものであるとの事です。



ここまではいいのです。

「弱者が奮起」あるいは「弱者が団結」して「横暴な強者を打倒する」という物語上のモチーフというか類型のようなものは、あちこちで目にする事ができます。
「ウィリアム・テル」しかり「スイミー」しかり「七人の侍」しかり。



「プルガサリ」も大筋ではそうした流れに沿っています。しかし、「横暴な強者」に相当する王の最期があまりにも悲惨。
反乱軍と共に官軍と対決したプルガサリは勝利を収め、宮殿を破壊し始めます。

官軍を指揮していた将軍は倒れた柱の下敷きになって死に、諸悪の根源である王は宮殿の広間を逃げ回った挙句、何を血迷ったのかその辺から垂れ下がっていたカーテンのような布で身体を包み隠してその場に倒れこみました。

別に光学迷彩とか、そういうアイテムではないので意味が無いような気がしますが、案の定、王はプルガサリに踏み潰され、体から血を噴き出して絶命。

これ、王が「もう悪政はしません」と誓って方々が丸く収まるという展開じゃ駄目だったんでしょうか?
実にこの部分に社会主義国家である北朝鮮の事情が反映されている気がしないでもないです。



「農民軍=反乱軍VS官軍」という構図は、そのまま「労働者階級VS資本家階級」の暗喩であるようにも読み取れます。
「人民を苦しめ搾取する横暴な資本家階級は、いずれ労働者階級が起こす革命の前に敗れ去る」というメッセージが秘められているとすると、一気に階級闘争的プロパガンダ臭が濃厚になります。




さて、王を圧殺して人民に平和をもたらしたプルガサリ。
この怪獣、実は鉄を食料として成長するという設定なのですが、戦いが終わった後も鉄を喰い続けるため、今度はプルガサリのせいで国中の鉄が喰われて無くなってしまうのではないかという心配が、人々の中に頭をもたげてきました。

ラストでは最悪の事態を回避するために、ヒロインが犠牲になってプルガサリを滅ぼすわけですが、単なる勧善懲悪物語にしなかった所は好感が持てます。


また、一体予算をいくら使ったのかと言いたくなる様な反乱軍と官軍の大規模な戦闘シーンも良。
「ゴジラ」シリーズのスタッフが製作しただけあって、特撮シーンも迫力がありました。



しかし、北朝鮮でこの映画を観ることのできた人間は一体何人いたというのか、その辺が気になったり。










Last updated  2007.12.25 20:23:33
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2007.10.12
カテゴリ:映画
「アレキサンダー」見終わりました。

どっかのレビューで書いてあったのですが、この映画は

「史実を知らなければ楽しめない」


なるほど確かにその通りで、東西諸民族融和の理想を家臣たちに語る場面では、確かに何も知らずに見ると何が何だか分からんような、説明不足の印象でした。


しかし、この映画はそんな駄作でもないと個人的には思うのですよ。

遠大な理想が理解されぬ故の悲しみ。
王であるがための孤独。
転戦に次ぐ転戦で疲れ果て、忠誠心を失っていく兵士たち。


「世界を一つにし、全ての民族を融和させる」という理想を語りながらも、一歩間違えば単なる支配と抑圧にしかなり得ない現実離れしたその考えは、周辺民族を蛮族視する家臣たちには決して理解されません。
そして、親友の死によって精神の均衡を欠いた王は、暗黙の了解のうちに結託した家臣たちに暗殺されてしまいます(史実では熱病で死亡。終盤、“暗殺”ではなく“病死”と記録するよう命じるシーンがある)


「英雄」アレキサンダーの人間的な、弱なる内面をよく描いた傑作だと思うんだけど。






それにしても、ガウガメラの戦いのファランクス(密集方陣)は凄かった。








Last updated  2007.10.12 16:31:16
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2007.09.28
カテゴリ:映画
何年か前に日曜洋画劇場で放映された際、あまりに怖くて最後まで観るのを断念した「ザ・フライ2 二世誕生」を、この度改めて観ました。



前作「ザ・フライ」は、ヒトと蝿の遺伝子が融合してしまった男が少しずつ怪物に変容していく恐怖、人ならざる姿になってしまった悲哀を描いたホラー要素の強い映画でした。
が、続編となる今作からはそうしたホラー的要素が排されてしまい、個人的には不満。



物語後半で主人公・マーティンが怪物と化して、自分を実験体に使用していた研究所員を襲撃し始めるのはなかなか楽しめたのですが、これではもはやモンスター映画。
特撮のインパクト自体グレードがダウンしている感が否めません。怪物化後の姿の造形の素晴らしさと、どんなに醜く変身しても主人公を変わらず愛する恋人の存在が一応の救い。


ただ、テレポッド起動のパスワードが「DAD」なのは、マーティンの実の父に対する思いやら、父のように慕っていたバートックが、実は自分を実験動物並みにしか見ていなかった事実やらを連想させて哀しくなった。(結末は一応ハッピーエンドだけど)


しかし、全体通してみると、また別の理由で哀しくなってくる映画でした。やっぱり前作の方が……。
















Last updated  2007.09.28 22:54:19
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2007.09.09
カテゴリ:映画
「博士の異常な愛情 また私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか」(←長い…)




発狂した軍人のために核戦争へと向かう世界の中で、戦争を回避しようと右往左往する人々の姿を描いたブラックコメディ。
何という面白さ。

共産主義に対する恐怖から発狂したアメリカ空軍のリッパー将軍はじめ、まともな精神の人間がほとんど登場しない映画です。




特に強烈なのがドイツからアメリカに亡命してきたというストレンジラブ博士。

足が不自由なために車椅子に乗っている彼は、核戦争回避の為のアメリカ首脳の緊急会議をナチスの党大会か何かと勘違いしているのか、大統領をついつい「総統!」と呼んでしまったり、テンションが上がってくると右手でナチ式敬礼をやろうとして慌てて左手で止めるなど、奇行が目立ちます。



物語中盤、ソ連は自国に向かう、核兵器を搭載した4機のB52をミサイルで攻撃します。
が、終盤になって一機だけ生き残っている事が明らかになりました。低空で飛んでいたためにレーダーに感知されなかったのです。

ミサイル攻撃によって故障したB52。ところが投下地点到着の直線になっても爆弾倉が開きません。


「爆弾倉が開きません!」

「非常電源を使え」

「開きません」

「手動で開けろ」

「開きません!」

「止むを得ん。俺が修理する」




そう言うと、パイロットのキングコング少佐は自ら爆弾倉に赴きます。
爆弾倉では2発の核爆弾が。見たところ、核爆弾の真上にある開閉のための回路が壊れているようです。火花が散ってます。

そこでキングコング少佐、核爆弾にまたがって修理を始めました。

……少佐殿、どう見ても死亡フラグが立ちまくっています。




やがて修理は終了。直後に投下地点にも到着。操縦席のパイロットは

「キングコング少佐はどうした?」

と、一瞬疑問を抱くものの、すぐに爆弾倉を開いて任務を遂行しました。


2発の核爆弾と共に、ソ連の大地に投下されたキングコング少佐。

「ウウウウウウウウアアアアアアアアアア!!」

も、物凄い悲鳴だ…。




その後に待ち受けているラストの、あまりにも唐突とも(どうも途中のシーンがカットされたらしい)思える爆笑の展開は、自分の目で確かめて欲しいです。
















Last updated  2007.09.09 18:42:02
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2007.08.19
カテゴリ:映画
「貴様らは人間ではない。両生動物のクソをかき集めた値打ちしかない!


「俺は厳しいが公平だ 人種差別は許さん。黒豚、ユダ豚、イタ豚を、俺は見下さん。
すべて――― 平等に価値がない!


「アカの手先のおフェラ豚め!ぶっ殺されたいか!? 」


「気に入った。家に来て妹をファックしていいぞ


「パパの精液がシーツのシミになり、ママの割れ目に残ったカスがおまえだ!」


「おまえの顔を見たら嫌になる!現代美術の醜さだ!


「騒がしいぞ!ミッキーマウスクラブのお祝いか?


「パパとママの愛情が足りなかったのか、貴様? 」


「よく女子供が撃てるな」
「簡単さ。動きがのろいからな!


「逃げる奴はベトコンだ!逃げない奴はよく訓練されたベトコンだ!





そういう訳で、戦争における人間の狂気を描いたスタンリー・キューブリック監督作品
「フルメタル・ジャケット」を、ようやく観賞いたしました(実はまだ見てなかった)。







Last updated  2007.08.19 22:43:53
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