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あたしはあたしの道をいく

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2008.01.30
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我が家の夜のスケジュールは、

20時すぎ、私が実家へ子どもを迎えに行く。

20時半、実家で子どもと風呂に入る。

21時過ぎ、風呂から出る。

21時半、自宅へ子どもを連れ帰る。

22時、就寝。



21時半から22時の間に、歯磨きして布団に入り、絵本を読む。

22時には絵本を読み終わって、腕枕、なので、

自宅に戻る時間が遅くなったり、歯磨き前に遊んでしまうと、読める絵本が少なくなる。

というルールにしている。



昨夜は、21時半に自宅に戻ったのだけれど、

二人とも遊び始めてしまって、何とか歯磨きを終わらせたのが21:55。

すごく短い本を一つずつ選んでおいで、と言って絵本を選ばせたのだけれど、

ハナコはそれを聞き落としたらしく、そこそこ長い本を2冊選んできた。



そこから、バトル。



3歳児は、まだまだ自己中心性が強い。

それは性格的な頑固さというよりも、この年頃であればとても普通のことだ。

だから、ここでムリに屈服させようとせずに、子どもの欲求に従うのも良い、と思う。



ところが、ハナコの横にはタロウが居る。

こちらは、ルール作りの真っ最中で、「親の言うこと=善」のルールを覚えているところ。

そして、正義感も芽生えて、公正さとか、そういうのにウルサイお年頃。



つまり。

ハナコの欲求を受け入れて、本を2冊読もうとすると、

「ハナコちゃんはずるい! ハナコちゃんは悪い子!」

と大騒ぎする子が居るわけで、それを説得させるのも大変。

どっちか一人に合わせるのはラクなんだけどさーーーーー。



と、ヒスったハナコが、私の顔をバシリ。

ちょうどそれが眼窩に命中して、すこぶる痛い。

私もつい、条件反射的にハナコの腕をバシリ。

火がついたように泣き始める、ハナコ。



と、そこで。



あっ、と思った。



2年前の再現だ。

あたしがタロウを叩かなくなったのは、あたしが成長したからではなく、

タロウが成長して、叩く必要が無くなったからに過ぎないんじゃないか。

あたし自身は、何も変わってなくて、タロウが変わっただけ。

それをあたしは、自分の変化だと、天狗になってただけじゃないのか。

その証拠に、あたしはタロウと同じ年頃に差し掛かったハナコに手を上げている。



1年位前、あたしはタロウに「もう叩かない」って約束した。

それは、タロウとの約束でもあるけど、あたし自身との約束でもある。

タロウはそんな約束をしたことを忘れてしまっているだろうけれど、あたしは覚えている。

それから、あたしはタロウを叩いていない・・・・・と、思う。

緊急避難的に叩いたことが無いとは言わないけど、

少なくとも、条件反射的に、感情的に叩いたことは、無い。



あたしは、ハナコに腕枕をしながら、ハナコに約束した。

「おかーさん、もうハナコちゃんのこと叩かないからね。」

目にいっぱい涙をためて、ハナコは「うん」「うん」って頷いた。

あたしは、この約束を忘れちゃいけない。



と、心に誓う一方で。



風呂場で、タロウがハナコを酷く叩いて、それを叱ったのを思い出した。

タロウ、ぐっとこらえて、「ごめんね」とハナコに謝ったけど。

あたしが条件反射的にハナコを叩いたのと同じように、

タロウも条件反射的にハナコを叩いたんじゃないかしら。




「ねえ、タロウくん。

 お風呂でおかーさんが怒ったとき、ハナコちゃんが何かした?」

と、聞いてみた。

一瞬息を飲み込んで、それから堰を切ったように泣き出したタロウ。

ぼそぼそと話すのを聞いてみたら、やはり、先に手を出したのはハナコだった。



タロウの方が年上で、しかも男なんだから、ぐっとこらえて、許してやらなきゃだめよ、

なんて口先で諭すのは簡単だ。

だけど、その実行が難しいのは、ついさっきあたしが証明してしまった。

あたしはハナコよりずっと年上で、しかも母親なんだから、

ぐっとこらえて許さなきゃならないのに、そんなの考える隙も無かった。

叩かれて、叩き返さない、というのは難しいことだ。



タロウ、難しいこと求められてたんだなあ。

求めてる側には、それが難しいことだなんて思っても居なかった。



色んな意味で、重い夜だった。








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Last updated  2008.01.30 12:23:02
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