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2008.04.22
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カテゴリ:親業実践
我が家では毎晩、布団に入って絵本を読むのが、寝る前の儀式になっています。

タロウもハナコも1冊ずつ、自分の好きな絵本を選んできて、それを私が読んでやります。

時間によって読める量に限りがあるので、「今日は少し長くてもいいよ」とか

「今日は短い本ね」とか本の長さの指示だけはしますが、

それ以外は、好きな本を選んでくることを尊重するようにしていて、

アレがいい、コレがいい、とは極力言わないようにしています。



で、そんなルールで昨晩、ハナコが選んできたのが、この本。

『ママがおこるとかなしいの』。


ママがおこるとかなしいの

この絵本。

子ども向けの絵本としての評価は、ビミョー……と思う。

絵も大人向けのイラストっぽくて、絵本としてはどうよ、って思う。

さすがに文章の破綻はないけれど、(絵本には日本語のおかしいものがよくある)

イマイチ、ストーリー性に欠けるというか、面白みに欠けるというか、

要するに、絵本として楽しむ分には、ぜーんぜん評価してない絵本。



なんだけど、実はこれ、親業絵本なのだ。

親業の理論を通り一遍にしろ学んだ私だけど、

親業を意識していないと、実践していくのは未だに難しい。

とはいえ、PETを読み返すのは、分量的にも辛いし、大変。

なので、音読しても5分少々で読み終わるこの絵本は、貴重。



主人公はメグちゃんという、小学生くらいの女の子。

メグちゃんは、友達のたっくんとケンカしてしまい、

それを、おかあさん、おとうさん、おにいちゃん、おばあちゃんに話す。

お母さん・お父さん・お兄ちゃんの三人は、親業で言うところの、

「お決まりの12の型」を使って、メグちゃんの話を返す。



「お決まりの12の型」というのは、

目下の相手との会話で使ってしまいがちな、ありふれた応対。



命令

脅迫

説教 

提案

講義

非難

賞賛 

侮辱

解釈

激励

尋問

誤魔化し



私はまだ未熟なので、それぞれの差をイマイチ把握できていないけれど、

どれも関係を損ないがちなコミュニケーションだというのは、分かる。

メグちゃんも、お母さん・お父さん・お兄ちゃんに言われて、どんどん凹んでいく。

けれど、おばあちゃんは違う。

おばあちゃんは、メグちゃんの話を聞いて、「能動的な聞き方」で返していく。

メグちゃんは、自分の中の悲しい気持ちを聞いてもらって、昇華させる。

おばあちゃんとメグちゃんは、心を通わせる。



さらに、メグちゃんはおばあちゃんに、

こころの奥の奥のことばを素直に伝えることを教えてもらい、

ピアノが弾けなくて嫌な気持ちになっているとき、それをお母さんに伝える。

それは、親業で「わたしメッセージ」というコミュニケーション方法だ。



この絵本で扱われるコミュニケーション方法は、

「能動的な聞き方」と「わたしメッセージ」のふたつだけで、

もう一つの重要なコミュニケーション法である「勝負なし法」には触れられていない。

けれども、親業をイメージするにはとてもいい本だと思う。



実は、ちょうどハナコがこの本を選んでいる間、私はタロウを怒っていたところでした。

ハナコはそれを我関せずの顔でいたのに、

「ハーちゃんねぇ、おかあさんが怒ると悲しいんよぉ。

 じゃけえ、コレにするぅ」

と、持ってきたのでした。



私:ハーちゃん、おかあさんがお兄ちゃんを怒って、悲しかったんだね

娘:うん……ハーちゃん、とっても悲しかったん。

と、話をして、ハナコを抱きしめました。

我関せずの顔をしていたのに、ハナコは心を痛めていた、

というのは、私の心をほっこり暖かくしてくれました。



それから、タロウにも「おかあさん、ひどく怒ってごめんね」と謝り、

三人くっついて絵本を読み、眠ったのでした。








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Last updated  2008.04.22 12:52:16
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