良い政治とは何か&良い政治家とは

2004/12/22(水)14:42

・財務省原案に小泉首相/構造改革へメリハリ利いた予算・

国内政治(90)

・平成17年度予算原案に大満足/小泉首相・  小泉首相は12月20日昼、平成17年度予算財務省原案について、「いい予算に仕上がった。一般歳出を前年度以下に抑え、新規国債も減額でき、メリハリの利いた予算になった」と上機嫌で評価した。  新規国債発行額が首相公約の30兆円を突破したことについて、首相は「30兆円枠は税収が50兆円以上の時という前提が付いている。そうではない時は経済は生き物だから大胆かつ柔軟に考える」と、釈明した。公共事業費や財政投融資計画削減などを理由に「着実に構造改革が進んでいる」と強調した。   では何が良くなったのか。小泉流「構造改革」で日本の国民の生活は、どう良くなったのか。 ・「政治の善悪を見る指標」と小泉首相・  小泉首相は「いい予算に仕上がった、構造改革は着実に進ちょく」と胸を張るが、国民生活を取り巻く状況は良くなったのか。  為政者は国民を「鼓腹撃壌(こふくげきじょう)=(世の中が治まり、人びとの生活が安定し、人生を楽しむさま)」に導かなければならない。  中国の五経の一つ、詩経によれば、「政治の善悪を見る指標」は、「鰥(かん)・寡(か)・弧(こ)・独(どく)=やもお・やもめ・親のない子・老いて子のいない者」、つまり、身寄りや頼りのない者が楽しく生活しているか、どうかにある。  この指標は万古不易の大原則であると言えるだろう。  かく考えれば、為政者、政治家、官僚、地方役人はこの大原則に添って施策を進めなければならないのである。  だが、果たして日本国に暮らす国民は、生活を楽しみ、明日への希望を抱いているだろうか。  状況は小泉首相が登場した3年半と同じか、あるいはもっと悪化している。  都市の河川敷や公園にはホームレスの掘っ建て小屋が林立し、街のゴミ集積場では浮浪者とカラスと野良猫が残飯を奪い合っての三つ巴である。  ハローワーク(旧職安)は失業者で溢れ、求人コーナーは、門前市をなす、にぎわいである。  昼時ともなると吉野屋、松屋、ハンバーグ店の前には人びとが百円玉3枚を握りしめて長蛇の列を作っている。  商人は物が売れずに天を仰ぎ、中小企業の経営者は受注激減で苦しみ、中高年サラリーマンはリストラの影におびえ、爺さん婆さんはトラの子の目減りを心配し、若者は老後に年金が受給できるのか、どうかで不安を抱いている。  長引く不況、デフの深刻化、株価の下落低迷、カネ目当ての凶悪犯罪の激増等々、一体、小泉政権は何をしているのか。  小泉首相は、自らは歌舞伎とオペラに「感動」し、和・洋・中華の高級料理を堪能、国民には痛みに耐えるよう求めている。  小泉首相の耳には不安を抱きつつ、じっと痛みに耐えている国民の悲鳴が聞こえないようである。  幸か不幸か、大手マスメディアの世論調査によると、小泉内閣の支持率が確実に下落している。

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