攻防戦
アルボウは、ねーさん愛用の耳かきがキライ。
だって、くっさいのらよ。
あんたより臭くないわ。
くっさいのらよ!
臭くないのらよ! つられて、なのら言葉になっちゃったじゃない!
そんなのしらないのらよ。くっさいのらよ!
そんなに言うなら…。
アルボウちやん、かわいーね、おりこーちやんでちゅね〜〜。
犬なで声でおびき寄せて、
甘えに来たアルボウの鼻先の位置に、陰からこっそり耳かきを出してやった。
ネコのごろにゃんのごとく耳かきにこすり倒して、
わ! うわッ、くっさいのらッ!
アルボウ、のけぞって、そのまま後ろにひっくり返って、両手で頭かかえて足バタバタして、くさいのらくさいのらくさいのらくっさいのら〜〜〜!
なんだよ、大げさな。そんなにするほど臭くないって! ほら、嗅いでごらん。
うわ、くっさいのらよ、オエッ!
本気でオエッとなることないでしょうが。ほら、嗅げ。
うーわ、くっさいのら、オエッ!
失礼なヤツだ。ほら、嗅げ!
攻防は延々と続く。