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山形達也84歳の心理学

2011.05.30
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カテゴリ:研究室風景
さえ:

細胞を培養していると、時々培養皿に白いカビが見つかったり、顕微鏡で見ると、眼を凝らしても見えないほどの小さな点がうじゃうじゃ増えてきたりしますね。いわゆる培養のコンタミ(コンタミネーション 細菌などが混入して細胞培養が汚染されること)ですね。

日本では梅雨時など湿度の高いときはこの確率が増えますが、たいていは培養をする操作の不注意です。

毎週、学生と会って実験結果を聞いて、その先どうするかの話をしていますね。この間、培養していたらコンタミしてしまって、細胞がないので実験が進みませんでしたというう学生がいました。その時は、仕方ないねえ、気をつけようね、で済ませましたが、この「コンタミ」が引き続いたので、話を良く聞いてみると、白カビを見たわけではない、何かが培地の中にあるのでコンタミと思ったというのです。

じゃ、この次はぼくが一緒に見るから、おかしな時は必ず呼んでねと頼みました。

二日後の朝、深刻な顔をして学生が呼びに来ました。「コンタミしています」というのです。「何時培地を換えたの?」と聞くと、昨夜だと言います。夕べの今朝でやけに早いなと思いました。

昨夜から細胞培養を始めて、今朝これにsiRNAを入れるところだという話です。培養皿の上で、そのコンタミの正体を探して貰いました。やっと見つけてくれたのは、細胞の固まりでした。自然に出来るはずがありません。そこでその培養皿の中の細胞を丁寧に見ていくと、細胞一カ所に集中していて、火山みたいに集まって噴火口に当たるところに細胞が盛り上がって、離れかけているのが見つかりました。

これが、「コンタミ」の正体でした。

「細胞が離れたものだから、コンタミじゃないよ。大丈夫。これをよく見ておいて、又明日見てご覧よ。」

というわけでこの「コンタミ」は落着しましたが、まだ別の「コンタミ」があるかも知れません。今までも、「コンタミして細胞を捨てました」というのは、間違いだったこともあると思います。

細胞を培養して研究するのは、時間とお金を掛けていますから、無駄なことをしたくないですね。何時でも要望に応じられるように、教授室と実験室との心理的距離を近づけましょう。






最終更新日  2011.05.30 07:21:19
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