カテゴリ:研究室風景
さえ:
毎週土曜日にやっているJournal Clubが、参加している人たちに本当に有効か、悩んでいるでしょ。 一つは演者側の問題です。演者が読んだ論文を、中身を真に理解しないで皆の前で喋っているケース。 二つ目は、聞き手の問題。漫然と聞き流していても、それで済んでしまうのは演者にとても失礼だし、聞き手にとっては時間の浪費ですね。 どんなひどい話でも、ぼくは聞いている一人として一生懸命論文の内容を理解するように、何度も質問して、ほかの聞き手も正しく理解できるように勤めているわけですが、どうしたらこの演者の問題点を直せるか。 実際の発表の場で、問題を指摘して正しているわけですが、だからといって次回に改善されてはいないのです。 人の前で話すためには、論文そのものの内容を(ちゃんと理解して)受け入れた上で、それを批判しながら読まないといけませんね。このような論文の読み方を身をもって指導してきたつもりですけれど、分かって身につけている人もいれば、分からないままの人もいます。 じゃ読み方を、一対一で教えたらいいじゃないか、ということになりますが、具体例がなくて論文の読み方の指導になると、ごく観念的なものになってしまいます。 ちゃんと内容を理解しなさい、実験はどのようにやられて、それから何が導き出されたかをちゃんと理解しなさい、と言う具合になります。しかしこれも、本人が分かったつもりになってしまえばお終いです。 実際に目の前で話して貰わないと論文の理解度は分からないわけです。それは実際に、いつもJrounal Clubで実行していることですね。だからといって、何時も気をつけていますが、皆の前で手ひどいことを言って演者のプライドを傷つけたらいけませんよね。 それでひとつ思いついたのは、聞き手に紙を配って、書き入れさせることです。 演者は論文の背景を十分に聞き手に分かるように話したか 演者は論文の内容を十分に理解したうえで話をしたと思うか ここの実験の目的、内容、その結果を明快に説明したか 話は論理的だったか 話は聞いていてよく分かるように組み立てられてていたか 論文の内容を理解したとき、その研究に感心したか 演者の話し方に感銘を受けたか 話の途中で質問をしたか Jounal Clubに出ていて、自分はどの程度貢献したと思うか この話を聴いていて自分はどの程度理解したと言えるか これを、秀・優・普通・不可で書きいれて貰います。 さらに「実際にした質問・あるいは未だしていない質問を書きなさい」という欄外も作りました。 つまり聞き手が、演者の話しかたを評価すると同時に、書かれた評価と自己評価から聞き手の理解度がこちらには分かる仕組みにしたつもりです。 中国の学生が仲間をかばう程度は信じられないほどですから、演者のことを厳しく批判することはないでしょう。でも、聞き手の態度はこれを書き入れることで今までと比べものにならないほど真剣になるだろうと、期待しています。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2013.05.05 08:21:21
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