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山形達也85歳の心理学

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2013.12.13
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カテゴリ:研究室風景
さえ:

例によって朝のYahooニュースを見ていたら、「『疲れた』は禁止、モチベーションを下げる社内ルール」というのがあって、笑ってしまいました。

この頃とみに厳しくなった “法令遵守”に縛られ、『組織内に閉塞感が蔓延。モチベーションは低下し、新しい試みを敬遠する事なかれ主義によって、企業の成長、引いては経済が停滞することを「コンプライアンス不況」と言う』そうです。

『社員のモチベーションを上げるためだろうが、「マイナス発言禁止令というルールがある。「疲れた」は禁止ワード。そんなときは「充実感あった」と言い換える』決まりのある会社があるんですって。(資料1)

「疲れた」なんて実に自然に口から出る言葉ですね。誰が、そのかわりに「充実感あった」なんて、真面目な顔して口に出せるでしょうか。

ぼくのブログに何度も書いていますが、うちの娘が学校で「ちくしょう」を覚えてきて連発するので、かわりに「ふんぎゃあ」と言いなさいと言ったら、彼女はそれを真面目に実行していましたが、そのうち馬鹿しさに気付いて、言わなくなりました。もちろん「ちくしょう」も言わなくなりましたね。

サラリーマンが、疲れて社に戻ってきて椅子にどかっと座って、「充実感あった」なんて口にするなんて、実にあほくさて笑えますね。そう言おうと思うだけで疲れてしまって、元気がなくなるでしょう。沈滞しきった空気の会社の雰囲気が想像できます。

その点、大学での生活は実に気ままなものです。まったく、縛りはなし。うちの学生も、朝8時から11時まで、午後は2時から5時まで実験室にいなさいよ、どこかに用事があるときはその旨ぼくに知らせてから出掛けなさい、というきまりだけです。それ以外はすべて自主的な生き方に任せています。のんびりしたけりゃ、それでよし。やがて時期が来て、研究の結果が出ないで困るのは学生自身ですものね。

ぼく自身に対するルールは、誰に向かっても「忙しい」とを決して口に出さないこと、という一つだけでしょうか。

これはむかしぼくが研究室で宮仕えしていた頃、研究の上の相談で上司(つまり教授や、部長)に会いに行ったとき、その上司が顔をしかめて「とっても忙しい、後にしてくれ」ということがあり、そういう上司に勇を鼓して会いに行ったのに断られて、さらに話をしに行く意欲を失ったことを覚えているのです。

その時、いずれぼくが人に責任を持つようになったら、決して「忙しい」とは口にしないと誓ったのでした。

そして、ぼくは何をしていようと、どんなに仕事の最中で中断されたくなくても、自分の研究室の誰かが会いに来たら、必ず手を休めて話を聞きました。

さらには、研究室以外の人が来ても、同じように決して「忙しい」とは言わずに会いました。これは長く生きているうちに、人は得てして「忙しい」と口にすることで自分を偉そうに見せるものと、学んだからですね。

幸い、この頃は「忙しい」ことは滅多になく、何時でも誰でも来てくれることは大歓迎です。「忙しくない」と嘘をつくこともなくなって、心の赴くまま「充実しない」人生を幸せに生きています。


(資料1)
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20131207-00527109-sspa-soci

『「疲れた」は禁止。モチベーションを下げる社内ルール』週刊SPA! 12月7日





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最終更新日  2013.12.13 08:32:13
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