ウクライナ人に戦うな、降伏しろと勧める橋下徹
ロシアは隣国のウクライナに大軍を送り込み、ウクライナ政府を転覆してロシアに都合の良い傀儡国家を樹立しようとしている。ウクライナは自分達の同族の兄弟国家だと言いながら、その兄弟国家を地上から殲滅しようとしている。なんとも不条理な言い分だ。ウクライナはロシア軍の侵攻を受けて、ロシアの見立てでは二、三日で首都キーウを陥落させるはずだったのに、よく戦って首都を防衛している。もちろん両軍に死者が出ているし、攻撃されているウクライナ側では都市市街が端から狙われているので一般住民に多くの被害が出ている。侵略されたウクライナはロシア軍を追い払うべく戦わざるを得ない。戦えば兵士は戦死し、市民も巻き添えで死ぬことになる。ロシアの侵略を受けたウクライナの祖国防衛戦争に対して、日本の論客の何人かは、戦えば死ぬことになる、だから降伏しろと言い続けている。戦いは悪だ、戦いを地上から一掃しよう、という考えは正しい。しかし侵略を受けて戦わざるを得ない国民に対して、戦いはよくない、戦うな、というのは、どう考えても納得できない。戦いは良くない、というならば、侵略しているロシアに向かっていうべきセリフであろう。これらの論客の中に橋下徹がいる。彼は前回の衆議院銀選挙で躍進した政党「維新」の生みの親である。弁護士で、大阪市長もやって政治経験もあり、日本の政治に対して至極真っ当なことを言っているだけでなく、「維新」まで立ち上げた見事な人だと思っていたが、ロシアに侵略されたウクライナ国民に対して、「戦うな、逃げろ」と言い続けるのを見ると鼻白むものがある。ロシアの侵略に対して戦うか、降伏するかを決めるのはウクライナ国民だ。にもかかわらず、これを言い続けているということは、つまり、日本が他国からの侵略を受けた時、真っ先に「命あっての物種だ、降伏しろ」とわたしたちに向かって説くということだろう。いざという時に日本滅亡、日本消滅に喜んで力を貸そうという輩なのだ。折角、こらから伸びようとしている「維新」にとってこの橋下との関係は大きなマイナスだと思う。日本では誰がとんな考えを持っても良い。口を開いて大声でどんな主張をしても許容されるのが日本だ。しかし「維新」が橋下のこのような考えを支持しないなら、早急に縁を切るべきだろう。