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わたしのブログ

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続きです。

いつもは威張りくさっていた軍曹(鳥海)とか言っていた下士官が、顔中ひげだらけ顔色は死人色で、ロバに乗ってよろよろと隊を離れて行く所を見た。その後はどうなったか判らない。相当。病兵出て、私も痛みを感じなくなった。ただ歩くだけだ。
 ある日、後ろより馬上の人が「オイ。片山。瀋陽が近いぞがんばれよ。】大きな声で行き過ぎて行った将校の後姿を見た。この人が中隊長であろう。名前も、顔もわからない。私の頭の中は東京で飲んだ青色のソーダ水が目の前にちらつくだけだった。
・・・小休止・・・・飯盒の飯を同年兵とわけ合い牛缶を牛蒡剣であけて食べていたとき、隊長付きの上等兵が来て「飯、食えるか?」といって私に「松村中隊長とどんな知り合いなんだ。」と問われた。
 私は「全然判らない。」と答えたら、「フーンそうか、だけどお前は命拾いしたな、明日は瀋陽だ。お前は入院らしいぞ。良いなぁ。】と小さな声で言い、本部のほうに帰っていった。
 これは本当であった。瀋陽と言う所に着いたあくる日に中隊長命令で野戦病院に入院を命ぜられた。その時、中隊長は・・・・松村中尉・・・であったことをおもいだした。
 私の入院は分隊長も小隊長も知らず、私が迎えのトラックに乗るとき、分隊長の祭等とかいった軍曹が「コラッ、お前どこへ行くのか?」と追いかけてきた。
 「私は入院です。」といったら「何、そんな馬鹿な」といっていた。衛生兵から命令を聞き、がらっと第度が変わり「あぁ、よいんだ。良いんだ。早くよくなりかえってこいょ。」と手を振り送ってくれた。中尉の権限にはいまさらながら驚いた。
 これが松村中尉と二度と逢えない別れになるとは神様だけが知っていたのだろう。約半年後、「27師団は全滅した。」と満州の軍医から聞いたのである。


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