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わたしのブログ

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つづきです。

あまり遠くない聖徳街という裏通りに行くと、二軒長屋が二十軒くらい固まっているところがあった。モンペ姿の小柄な四十歳くらいの婦人が来たので、「この辺、臨検が終わったかね。」と聞いてみた。私の顔をジーと見て「あんた、兵隊さんね。」と言われ、・・・ハッ・・・となった。「どんな所でもよいからとめてくれんかね。」その婦人は笑いもせず前のドアを開けて「早く入りなさい。」とすばやく入れてくれた。私の靴を台所の方に隠して「早く上がりなさい。」と親切にしてくれた。「あんた、どこから来たの?」「奉天から・・・。」「良く捕まらずに」日本人だなぁと思った。・・・・「この一角は、市電の職員の社宅だからソ連兵も臨検も大丈夫よ。ただし、私一人暮らしだから、男の人の声が外へもれないように気おつけてよ。」と言われた。「私は今、買い物から帰って来たところょ。ちょうど良かったわね。晩御飯の支度するからここにいなさい。」と台所へ行って支度を始めた。「よろしくお願いします。旦那さんはどうしたの?」聞いてみた。たものですがに市電の事故で無くなっちったの、その時、内地に帰ればよかったが、国に帰っても家があるわけじゃないし、大連の方が暮らしいいので、この様になってしまったの。私はお金には困っていないし、ここにいればソ連兵も満人も市電がとまると大変すごく困るので、反対にニーヤンが夜中でも守ってくれるの。」私はこんなよいところがあったのだなぁと感心するやらたものですがく気づけばよかったと思った。「ハイ、食べなさい。」とご飯を出してくれた。卵も焼いてもらった。


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