2011/05/17(火)19:46
病院船、出航せよ [フィクション] [編集]
先ほど、内閣危機管理室の学からその種の指令を受け取っている。
船長は判断に迷っていた。「直ちに出航すべきか」と言うことである。石垣島の島民の健康診断と二つのオペをしているのだ。
健康診断は今すぐ取りやめても支障はない。問題は二つのオペだ。一つは子供の怪我だ。こちらはあと一時間くらいでなんとかなる。
もう一つのほうだ。こちらはあと三時間はかかるだろう。厄介なオペであることには代わりがない。その上に、家族や親戚が立ち会っているのだ。
院長にその判断を仰ぐことにした。今回、この船は国内にとどまっていられ、緊急な災害に優先的に運用されるということになっている。国内外にとどまらない。
「院長、直ちに出港と言うことだが、・・・・。二つのオペは?」
「一方は、一時間で何とかなる.もう一つが、・・・・・。その家族も乗船しているし、・・・・。」といったきりである。
この前はフィリピンの地震と津波に派遣された。病院機能を丸ごと船の中に収めている。4つのオペ室まで備えているのだ。5000トン級の輸送船がつけられている。そっちと、こちらに12機の機能の違うヘリまで搭載されているのだ。
今回は国内と言うこともあり、輸送船を伴つてはいない。横須賀の岸壁に係留されたままである。もちろん、物資他の積み込みは完了済みにはなっているらしい。
先ほどから、「地震津波で甚大な被害があるのではなかろうか」とニュースが伝えられてきている。船長も、病院長も判断を決めかねているというところだ。
第一報を受け取ってから30分以上経過してしまっているのだろう。院長、船長の補佐をしている女性がいる。翼と名乗ってはいるが、れっきとした女性だ。女にしておくにはもったいない器量である。両方の意味を含んでいる。美人と言うことと、才覚があるのだ。
「そんなに迷っていることじゃないでしょう」と言い出した。「碇を揚げてすぐに出向すべきだ」「家族はそのままどうこうさせればよい。それ以外の人たちは輸送用ヘリが到達できる空港に一番近いところで、その空港に搬送すればよい」と言うのだ。
「急行しても、輸送船と合流できて、現地に到達するのに、丸一日以上かかります。別に輸送船が先に到達していても問題はないはずですが?」さらりと言ってのけるところがこの娘の偉いところである。続けて、「指令に打診してみたら、おそらく、彼はそのことを想定済みにしているとおもいますけれど、・。」
注 この部分はあくまでもフィクションです。今回の震災で病院が野戦病院化してしまい。
病院が本来の機能以上になってしまったことを思い出していただきたい。
そして、船は足が遅いけれど、すべての機能をその中に収められます。
なお、この提案は三年以上も前にしてあるはずです。「ジャンボをつった人々または危機 の管理学」参照ですが、最初は「ocnブログ人」サイトにあったものをソーネットさん サイトに移し変えています。