第一話「灰色の瞳の男(1)」1-1 始まりトップの髪の毛が跳ねている男がいる、おそらく癖毛であろう。 彼は、パイプ椅子に座って辺りを見渡していた。 彼がいるのは小さな個人の店である。 しかしその中には、その外観からは信じられないほど沢山人がいた。 午後12時40分、店の中の人口密度はさらに上がっていった。 (・・・・あと10分、あいつブッチする気じゃないよな...) 20xx年 秋 ベットの上で本を読んでいる彼のもとへメールが来た 「ねぇ~ソラぁ、たまには隣町まで行ってみない?」 都 空良(みやこ そら)それが彼の名前である。 メールの送り主は彼より一つ下の幼馴染の女の子である。 もっとも、このメールはデートの誘いではなく、 彼女と空良 ・・・いや、その簡単なルールからいまや子供だけなく 老若男女問わず遊ばれている『デュエル・マスターズTCG』 その店舗大会への誘いだった。 (隣町かぁ、、今週は近くに大会がないし、行ってもいいか) 黒い帽子を深く被った女の子が空良に声をかけてきた。 「ゴメンッ ちょっと布団から出れなくて、、、いやぁ『春眠暁を覚えず』だねぇ」 「いや、いま秋だし」 「きにしな~い きにしない♪」 彼女が空良をこの大会へ誘った張本人、今井 優香(いまい ゆうか)である。 「今日、ユウカはどんなデッキで出るんだ?」 「へへーん よくぞ聞いてくれましたぁ 今回のデッキは安定性と防御力そして制圧後から一撃必殺の・・・」 「またドロマーかよ」 空良は苦笑した。 「ドロマーは地球を救うんだよ! 今日夢で見た」 「どんな夢だよ」 12時50分 「えー皆さん、定刻になりましたので大会エントリーを開始しま~す」 店員の声が見せ全体に響き渡った。 ジャンル別一覧
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