残念な最近の週刊プロレス
11/10発売の1551号にて, 谷津嘉章選手の記事がある.この中で, 正規軍 vs 維新軍の綱引きマッチにて,藤波, 高田, 木村の3選手と試合をした, とあるが間違いである. 正しくは, 83年の綱引きマッチでは, 猪木に完敗.翌84年の 5対5 勝ち抜き戦で中堅として出場.正規軍の先鋒 藤波, 次鋒 高田を破り, 星を五分に戻したものの中堅対決にて木村に敗戦したものである. おそらくこの記事を書いた記者は, これらの出来事をリアルタイムでは知らないのであろう. さらに言えば, 最近は永田, 中西選手らを第三世代といっているが,これももともとは, 武藤選手の世代をさす言葉である. 87年のIWGP決勝が, 猪木 vs マサ斉藤となったため,長州がリングに駆け上がり, "これでいいのか!" と反旗を翻し,ナウリーダーズ vs ニューリーダーズ の抗争がスタート. 前者は, 猪木, 坂口, 斉藤, 星野ら.藤原選手は, 年齢的にはニューリーダーに近いながら, その風貌から引きずり込まれてしまったのだそうな. 後者は, 長州, 藤波, 前田, 木村らを中心とした布陣. 5対5 イリミネーションマッチなども行われたが,ナウリーダーズは, 何かと欠員が生じ,上田馬之助, マードックらを助っ人とすることもしばしば.それでも足りなかった際に, ニューリーダーズより若い武藤を起用.このため, この世代を第三世代と呼ぶのである. こういったことを知らずに, プロレス雑誌を作っているのは, 残念な限り.かつての週プロは, 良し悪しはともかく, 確固たる主張があった.試合経過などは十分に知ることができなかったが,読み応えあり, というのが当時の思いである. それが今では, 作り手が単なる仕事として淡々とこなしているようにしか見えない. 惰性で読み続けて入るものの, かつてほどの熱中感はない.プロレス界自体の熱が下がっていることも事実だが,週プロもまた残念な存在になっているのである. なお, 高田選手の字は本来異なるのだが, 機種依存文字としてはねられてしまったためやむを得ずこの表記としてある.