天保異聞 妖奇士
この番組については, テレビはついているがまじめに見ていないので, ストーリーや設定を十分に把握しているわけではない. しかし, 今回常識外れのおかしなシーンがあった. 少年が二人の侍の脇を駆け抜けるのだが, この際侍の左側を通っている. これは明らかな間違いである. 折角, "侍は走ってはならない"という知識をひけらかしているのに, これでは馬鹿丸出しである. 自分の左側には抜打ちの一閃は不可能なので, 侍は左側を空けないはずである. そこまで緊迫した状態でないにせよ, 侍の左側を通過し, 鐺にでも触れようものなら大変である. だから, もともと日本では左側通行だったのである. この程度の常識さえ知らずに, 誤った情報をマスメディアに流すのは無責任過ぎ. もっとも, Blood+での配慮に欠ける放送や, 誤った日本語を平然と放送するTBSにそのような良識を求めるほうが無理なのかもしれない.なお, 時代劇の誤りは極めて多いらしい. これは, 名和弓雄氏の"間違いだらけの時代劇"に詳しい. これを読んだのは随分前のことであるが, 子供の頃からの疑問がようやく氷解したものである. 刀を背負った場合, 納刀が出来ないのでは, とずっと思っていたのだが, やはり納刀出来ないそうである. 自分で刀を背負ってみれば, 間違いであることはわかろうというもの. ましてや, 刀を様々な道具として用いる忍者が, 背中に背負うなどありえないこと. にもかかわらず, このスタイルが定番となっているのは, 無知なのか, 前へ習えなのか. しっかりしてくれと言いたい.