大崎市教育委員会へ要望書を提出しました(1月24日)
24日、社民党の豊島市議、大崎タイムズの記者立ち合いのもと、大崎市の教育委員会に要望書を提出してきました。対応してくださったのは、教育委員会事務局の吉田教育総務課長はじめ3名の職員さんです。応接室で1時間程要望書に沿って意見交換させていただきました。非常に真摯に対応してくださいました。おおまかな内容は次の3点です。1.校地の安全について 2.校外学習の安全について 3.給食の安全について話の中で、給食について今のところ国の決めた基準より低い基準を作る根拠がないので、独自の基準を作る予定は無いことと、牛乳が県の畜産課から割り当てられているのでこちらで変えられないということは、おっしゃってました。大崎の野菜は、実際測ってもそんなにセシウムが出ていないので、調理した給食は問題ないでしょう。そこは同意見です。ただ、牛乳について、業者さんの改善努力を待つ以外の方法も考えていただけたらと思います。それについては、給食牛乳で出た20ベクレルは基準値より低いものであるし、牛乳を飲まないことによる栄養不足の方を心配されておられました。要望書の中には、全品検査は無理なので、あらかじめ高いベクレル数カウントしそうな食材を避けてくださいという要望も入っています。大崎は自校給食が多いのですが、これは各栄養士さんの研究会なり、勉強会などで、共通認識を作れば可能な範囲ではないかと思います。魚、里山のものなど、ここ1年のデータから汚染度の高い食材には傾向があるので、対策は取るべきだと思います。これがよく言われる風評被害とは違うということがきちんと伝わることを望むのみです。口頭で提案したのは、栄養士さんたちの研究会に一般の保護者も参加できるようにして、栄養の取り方や、セシウムについての考えを保護者にも知らせたらどうかという事です。保護者との距離を縮めて、お互いに納得のいく方法を実践していくのが一番なのではないでしょうか。大崎市教育委員会への要望書(資料込全21ページ/4.24MB)pdf回答は文書でいただける予定です。下に要望の部分を転載します。 子どもを放射能から守るための要望書 普段より子どもの健やかな成長のための環境づくりにご尽力いただき、大変感謝しております。東日本大震災後には、放射能から子どもたちを守るという新たな問題が課され、現在も対策を勘案中のことと思います。ここ大崎市にも、有志による測定では、ホットスポットと呼ばれる高い放射線量が検出される場所があり、子どもを持つ親として不安な気持ちは消えることがありません。放射線をどこまで許容できるかについては専門家でも意見が分かれています。しかし、子どもの健康に害が出てからでは取り返しがつきません。大崎市には、ぜひ周りに先駆けて子どもの安全のための予防策をとっていただきたく、以下の要望を提出させていただきます。記1.校地の安全を確保してください。(1) 校庭の中央だけでなく、側溝・草むら・軒下等の放射性物質の溜まりやすい場所の測定を定期的に行い、測定値 を公表してください。その際、関心のある保護者が立ち会えるよう、あらかじめ広報などで測定日を公表してください。(2)環境省が定めた基準、毎時0.23μ?以上検出された場合は除染してください。2.校外学習時の安全を確保してください。遠足、野外活動、修学旅行など、子どもたちが校外学習に使う場所を選定する際には、事前の調査でホットスポットを避ける配慮をお願いします。3.給食の安全を確保してください。(1)厚生労働省の定めた新基準値(一般食品100Bq/kg・牛乳50Bq/kg・飲料水10Bq/kg)より厳しい基準を大崎市で定め、子どもを内部被ばくから守ってください。(2)給食測定用に、検出限界値が低い食品測定器を準備してください。仕入れ業者が事前に食材を測定できるようにし、その検査結果は「不検出」や、JAにおいては「精密検査の実施の目安以内」という表示ではなく、検出限界値を表記した明確な数字にしてすべて公開してください。(3)放射線が高い食品を提供する業者があれば、改善を求めてください。改善されない場合は、子どもの安全を最優先に考え、業者を変更してください。現在、大崎市の給食牛乳から全国的に見ても大変高い値の放射性セシウムが検出されています。早急に対応をお願いします。(4)学校で給食を作っている所が多いため、事前検査の徹底が不十分になることも考えられます。文科省が出した土壌汚染マップなどを参考に、汚染度が高いと思われる地域の食材を使用する場合は、放射能を少なくする調理法(皮をむく・水にさらす・ゆでる等)を実践するよう各学校に指導してください。(5)給食が提供される前に、わかる範囲の給食食材の産地を公開してください。その際、保護者には、「子どもに食べさせるかどうかの相談に応じます」という旨も知らせてください。以上「要望の趣旨」1.校地の安全確保について 放射性物質は雨や雪などで流れ、一か所に集積することがあります。そのため風通しの良い校庭の真ん中以外にも、定期的に校地内の数か所を測定することが必要だと思われます。放射性物質が溜り安い場所について、実際に子どもを預けている保護者の意見も取り入れながら測定することで、放射能を不安に感じている保護者の納得を得られるとともに、保護者が学校や市と意見交換できる貴重な機会にもなると考えます。校地内の測定実施の際には、関心のある保護者が立ち会えるよう、広報・回覧板・お便りなど、事前の通知をお考えください。2.校外学習時の安全を確保してください。 大崎市は市内にも、そして周辺地域にも、比較的放射線量の高い場所が存在しており、すでに学校では活動先の選定に苦労しておられることと思いますが、再度、活動場所の事前調査を行うよう、教育委員会より各学校施設へ指導していただきたいと思います。特に、合宿など長時間の野外活動の場合には、必ず活動場所の詳細な測定情報を前もって保護者に知らせ、高いところがあれば近づかせないなどの対応策をとっていただきますようお願いします。3.給食の安全確保について給食における基準値の考え方については、添付資料をご覧ください。厚生労働省の基準値より厳しい基準を望みます。大崎市では各学校で調理が行われるため、一食丸ごと測定を全校において行うのは難しく、同様に、すべての食材の事前測定も難しいと思われます。市で食品測定器を準備し、業者の段階で食品測定ができるよう、体制を整えて食の安全性を高めて欲しいと思います。また、現在の大崎市の給食食材の測定データは品目・測定の頻度も少なく、残念ながら日々の参考にできない状態です。保護者の判断材料を増やすために、献立におおよその食材産地を載せるようにしてください。産地表示は子どもの食育にもなると考えます。ぜひ実施するようお願いします。給食食材のデータを補う意味で、仕入れ先であるJAの測定値も見ているのですが、年末にJAに入った簡易測定器は17Bq/kgまで測定値が出るのに対し、公表値は「精密検査の実施の目安以内」(250Bq/kg以下)を〇と表示しているのみで、どの品目がどの程度の値なのかの傾向を知ることができません。JAの測定値の記載方法を数値表示に改めるよう、教育委員会から要請していただけると助かります。もうひとつ、技術職員(学校栄養士)が食材を選ぶ際には、土壌汚染マップや過去の測定データなど、あらゆる情報を参考にするよう、徹底していただきたいと思います。現在、放射性物質の流れを堰き止める壁となった山脈、汚染物質の流れ出た太平洋側の海の汚染度が高いことがわかっています。そして、今までの食材調査から、きのこ類、山菜、たけのこ等は放射性セシウム吸収度が高いこともわかっています。あらかじめ危険な食材を避けた献立作りをするよう、技術職員へ指導してください。この大崎市で、子どもたちが健やかに成長していくことが私たちの願いです。できることから取り組んでいただけることを期待しています。