男子畢生危機一髪
「死にたくなったら読書100冊」そんな言葉を何かの本で読んだことがある。たしか、大槻ケンヂの本だったような?違うか。読書をしているうちに、死にたい気分も無くなってしまうそうで、確かに何も考えないでただ活字を読むというのはいいのかもしれんが、なにぶんめんどくさい。で、それが私の場合「死にたくなったらイースタン」これに限りますね。日本に、「イースタンユース」というバンドがいる。イースタンは、なるべく若いうちに出会う音楽のような気がする。非常に文学的な歌詞で、哀愁と己の情けなさや無様さ、日常の焦燥感をズンズンのギターサウンズに合わせて歌われる、その音に魂を揺さぶられる。そしてなにより、イースタンの歌は、「明日が見える」「明日が見える」この感覚。もやもやの日常との葛藤からみえてくる自分の存在の小ささ。こんなちっさな自分でも、「馬鹿だな、俺」って、笑いながら生きてやる。全力で生きてやるって。そんな人間が好きだから。少し自分を好きになれるパワーを秘めた音楽なのかもしれない。今夜久しぶりにイースタンを聴いてみて、そのような感想をもった。そういえば、昔、進路のことで悩み、真剣に調理師への道を自分では目指していたという時期があった。テストを白紙で提出し、かなりやけになっていた時期。その時聴いていたのもイースタン。そして、やっぱり大学へ行こうと決心し、重い腰をあげて、やっと勉強を始めた頃に聴いていたのもイースタン。センター試験で模試に比べ120点近く下ってしまい、あまりのショックと周りの人間達の嬉しそうな顔に、己の情けなさに教室の机につっぷして涙を流しながら聴いていたのもイースタン。「もがく人間にはイースタンが似合う」とにかくもがいている人間にはイースタンユースを。「口笛、夜更けに響く」「孤立無援の花」「旅路に季節が燃え落ちる」この3枚があれば人生乗り切れます。ちょうど11年前、熊本までイースタンユースのライブを観にいったときに買った、人生初のライブ会場で買ったバンドT。学生時代にかなり着まくった記憶があるにも関わらず、いまだに健在な素晴らしいTシャツである。そしてフロントプリントには「男子畢生危機一髪」という文字が。そもそも読みが分からん人も多いと思う。「これはね、『おとこひっせいききいっぱつ』と読むんです」と、ボイス(イースタンユースはヴォーカルではなく、ボイスという)の吉野さんが言っていたようないないような。男の人生なんてのは、常に危機一髪の繰り返しという意味なのだろう。そういえば歌の題名にもなってますね。ああ、なんか久々に、詩を書きたい気分でいっぱい。こんな夜にはいい詩ができる。「あとはロックに打たれて眠るだけ」♪本日の一曲♪イースタンユース/アルバム「旅路に季節が燃え落ちる」より『徒手空拳』もがく人間テレキャスにピッタリの曲だ。