ウルトラマンゼット 第1話レビュー!
6月20日(土)。いよいよ待望のウルトラシリーズ新作『ウルトラマンZ』が放映開始された。 舞台となるのは、これまでウルトラマンが降り立ったことのない世界観の地球。他のシリーズとは別宇宙という設定なのだろう。近年のシリーズが活用しているマルチバースというやつだ。 そんな地球には、度々怪獣が姿を現しているようで、地球防衛軍(懐かしい響き)の日本支部『ストレイジ統合基地』は、ロボット怪獣セブンガーを使って市民の平和を守っている。ウルトラマンZ【ウルトラ怪獣シリーズ 121 セブンガー】バンダイウルトラヒーローシリーズ ★ウルトラマンゼット オリジナル 74 以下、ネタバレを含むためご視聴をおススメします。 【レビュー】 王道とリアリティとコメディの3要素セブンガーといえば、ウルトラマンレオに登場したキャラクターで、変身能力を失ったウルトラセブンをサポートするために、光の国から贈られたギフトだった。そのため、当時からセブンガーが強い強い。ぶっちゃけウルトラマンレオよりも強かった。 そことは世界観がつながっているわけではないので同一体ということはないのだろうけれど、今後のセブンガーも強い。冒頭に登場した怪獣ゴメスの2倍ほどの体長を有し、おそらくアッパー1発でゴメスを倒している。 どれだけ開発予算が掛かっているのか知らないが、どうやらこの世界ではこれまでの怪獣はゴメスレベルのサイズ(15~20メートルくらい?)がデフォルトのようなので、まずサイズ感で圧倒してしまおうというセブンガーの開発構想は賢いと言えよう。その昔、K-1ファイターにセーム・シュルトという選手がいた。彼はただでさえサイズの大きなヘビー級にありながら、周りの強豪が身長2メートル前後のところ、なんと2メートル11cm(Wikipedia情報)もあり、その巨体を活かした戦い方でk-1を4度制覇。反則級の強さを誇っていた。 だからこそやっぱり身体の大きさって、戦いにおいて重要。しかし大きい分操作は難しいようで(本作のセブンガーは人間が搭乗して操作している)、ゴメスを中々捕まえられず、子犬を助けようと地面を駆け回っていた主人公(ハルキ)を窮地に陥らせたり、ゴメスにアッパーを決めた際にバランスを崩してビルに倒れ込んで、建物を粉砕したりしている。 そんなこともあって、彼らの部署は予算を削られたりと不遇な扱いを受けている模様。なんだか帰ってきたウルトラマンに出てきたMATチームを思わせる。 こうしたところからも分かる通り、本作は『昔ながらのウルトラマン的(特撮的)な世界観=地球防衛軍やセブンガーなど』、『現在に即するリアリティ=セブンガーの操作性の難しさ・後述する主人公とゼットの一体化のシークエンスなど』、『荒唐無稽さをカバーするためのコメディテイスト』、によって構成されている。 現代で昭和シリーズを成り立たせるには本作では地球防衛軍という懐かしの組織が登場している。近年のウルトラマンにはかつてのような防衛チームは出ず、民間組織だったり家族であったりが戦いの中心に身を置いて物語を展開した。 それがここに来て地球防衛軍である。それも戦闘機ではなくロボット怪獣を駆使して戦う。ウルトラシリーズとゴジラシリーズの中間をいくような設定だ。 彼らは戦うだけでなく、その後の破壊された街の復旧にも尽力する描写がある。この辺りは現代の作品的なリアリティ要素に感じられる。その頃、宇宙ではウルトラマンゼットとウルトラマンゼロが宇宙鮫ゲネガーグを追って戦いを繰り広げていた。ここでゲネガーグが何やら光球を口から発射してブラックホールみたいなものを作り出すが、この能力がよく分からない。これを多用すれば無敵じゃね?とか思っちゃう。 しかしゼットとゼロのやり取りから、この作品がコメディ色を打ち出して、とっつきやすい作風にしようと試みていることが窺えて、そのコメディテイストによってこうしたツッコミどころみたいなものも何となく看過出来てしまう。 そして地球にやってくるゲネガーグ 。市民の頭上を、炎を纏った隕石となって降ってくるこのカット。幻のチャ○ヨープロ制作『PROJECT ULTRAMAN』のPVにあるワンシーンを想起させる。偶然か意図的かは分からないが。(意図的だとしても、作劇上の狙いでは絶対ないだろうけれど)第1話の隕石落下シーン某チャ○ヨープロ制作お蔵入り作品のPVワンシーン ちなみにこのゲネガーグのデザインが何とも良い。昭和ガメラに出てきそうな雰囲気+自主特撮映画の怪獣っぽい不格好さが、これまでのウルトラにはいなかったオーラを纏っている。監督の田口さんは、若い頃に自主特撮映画『大怪獣映画 G』などを制作されている。デザインにどれだけ寄与しているかは分からないが、そんな監督のルーツとスピリッツを感じる怪獣だった。※第一話の怪獣っぽくはなかったけど。笑 そしてセブンガーとゲネガーグの戦闘が始まる。と、そこへ宇宙からウルトラマンゼットが降り立つ。この、無駄に登場を引っ張らない潔さが現代っぽくて好感が持てた。それと、やはりウルトラマンが初めて地球に降り立つシーンというのは、どの作品を観ても燃える。 その後、紆余曲折あって、ゼットと主人公のハルキは一体化。初代ウルトラマンをパロディしていたり、主人公の命を救うため一体化を持ちかけたり、いちいち懐かしい。 ただ今回が昔のシリーズと違うのは、一体化しないとハルキの命が失われてしまうというだけでなく、ゼット自身も死んでしまうから双方にメリットのある、Win-Winの合体ということだ。現代っぽい。 そこから初変身に繋がるわけだけど、近年では定番となっている長ったらしいシークエンスながら、戦闘中にこんなに変身に時間を掛けてよいのかというツッコミや、ハルキがゼットの名前を叫ばなくてはいけない辺りの流れとか、こうした部分もコメディを使って上手く説明し、視聴者の冷笑を回避している。それがリアルと無縁の変身シーンの無駄な動作を、何とか作中でのリアリティを保たせることに貢献している。というか、コメディテイストでの説明をしなきゃ、やっぱり「ただおもちゃ売るための変身シークエンス」に終わる。 本作「ウルトラマンゼット」は、昭和テイストや玩具展開のための不自然なルール等に、理屈を付けて現代に馴染むリアルさを付与することにアイデアを発揮している。その最大のエンジンとなるのが、”コメディ”だ。 どのような作品でも、シリアスよりもコメディの方が、ライト層の視聴者や大人の視聴者はとっつきやすい。 レトロなシリーズの魅力を、令和の時代に順応させる最大限の工夫と言えるだろう。 ウルトラマンゼットはコメディなのか 現時点では、コメディ色の強い本作。しかし戦いが終わった後、謎の存在が主人公たちを見つめている描写がある。この人物の正体は判然としないが、おそらく多くの視聴者が「あの人じゃね?」と予想しているだろう。 もしそうだとするならば、今後、どシリアスな展開に向かっていく可能性はある。おそらく全編通してこのコメディ調は通されるだろうが、だからこそシリアスな展開が顔を覗かせた時の高揚感はバカデカいはずだ。 田口監督の期待を裏切らない特撮レベルの高さも相まって、今後目が離せない作品としたスタートを切った印象だ。 ★定番ソフビシリーズも発売中です【初回生産限定特別価格】ウルトラヒーローシリーズ ★ウルトラマンゼット アルファエッジ 75ウルトラマンZ ウルトラ怪獣シリーズ 122 ゲネガーグ | おもちゃ ゼット 変身 メダルバンダイ ウルトラヒーローシリーズ スぺシャル限定 ウルトラマンZ オリジナルスペシャルカラーVer.※ゼロはレジェンドウルトラマンのメダルを回収していたようですね。【7月発売予定】 ウルトラマンZ SGウルトラメダル01 【全8種セット】【新品】おもちゃ DXウルトラマンゼット最強なりきりセット 「ウルトラマンZ」