|
カテゴリ:紙魚の部屋
いやぁ、秋ですのう。
天高く、子も肥え、アテクシも肥えます。 飯が美味く、空気も美しいこの時期は、 どこへ行っても楽しげでございます が、百姓はこういうときこそ、めっちゃ忙しい。 どこへも行けーーーん!! そんなふうに嘆いておりましたら、 フェイスブックで百姓仲間が同じことをつぶやいていて、 「ああ、アテクシだけじゃない」 それでもう気が済んだりして、単純なもんでございます。 さて、どこへも行けない百姓アテクシ 夜寝る前に、読書くらいならなんとか (疲れ果てて寝落ちすることも多いですが) 最近、何度も 『Rain Won't』 (雨ニモマケズ) 文・宮沢賢治 翻訳・アーサービナード 絵・山村浩二 発行・株式会社今人舎 アマゾンのサイトの画像 日本人なら、ほとんどの人が知っているであろう宮沢賢治の詩を、 ビナードさんが英語に訳してるわけなんですけども。 アタシ、今までずっとこの「雨ニモマケズ」がどう良いのか、理解できんかったんです。 だいたい「雨ニモマケズ」って、小学生のころにどっかで習うじゃないですか。 アタシは低学年だったと思います。 アメニモマケズ カゼニモマケズ 最初は、韻を踏んでいるようで楽しい響きだと思いました。 ユキニモ ナツノアツサニモマケヌ ジョウブナカラダヲモチ 三行目から韻が消えて、もうワケがわからなくなるんですが、 大人がありがたがって教えているんだから、すごくいいことなんだろうと思って 我慢して聞いてる ヨクハナク ケシテイカラズ イツモシズカニワラッテイル 習ったころのアタシは、あれもこれも欲しいが買ってもらえない強欲な子どもでした。 いろんなことが自分の思い通りに進まなくて、学校へ行くのも嫌なら 朝起きるのも、歯を磨くのも勉強するのもイヤイヤづくしの子どもでした。 イチニチニゲンマイヨンゴウト ミソトスコシノヤサイヲタベ 母が、家族の健康を考えて、一時期玄米を炊いていたときがあります。 色のついた米を五目炊き込み飯だと勘違いして口に入れたときのショックったら ・・・ まあねえ、こんなふうに、低学年のアタシはこの詩を聞きながら、 なんと自分とかけ離れたものだろうと思い、同時に 人は、雨にも風にも雪にも勝てんのに、何を言うているのだろうと思い、 いやでも大人がこれほどありがたがっているのだから、 最後には何か劇的なオチがあるのだろうと我慢して聞き続け、 最後の最後に 「ソウイウモノニワタシハナリタイ」 オイィ!願望かい!!と、ちょっと腹が立ったりしたわけです。 それで、感想文を正直に書いたら、先生につき返されて(まあ、そうだろうね) 以来、宮沢賢治が苦手なわけです。 *** さて、そんなアタシにビナードさんが5月にいらっしゃった際に おみやげって言って、くださったわけですよ、 ご自分が訳された「雨ニモマケズ」を。 うわ って思いました。来たよコレ(←歓迎してない)。 でも、見ると絵がね、山村浩二さんです。 アニメーション『頭山』で賞をとった人。 あとNHK教育のプチプチアニメにも作品が出てます。 不思議な動く絵を描くんです。アニメが動くのは当然ですが、 この絵本の絵も、アタシには動いて見える(アタシの頭がおかしいのかな)。 山村さんの動く絵を見ながら、 ビナードさんの英語アメニモマケズを読んで、 なんていうか、・・・・やっと理解できた と言いますか 喉の小骨がとれた、とでも言いましょうか ははは、長かったあ。 (ビナードさん、やっぱ天才) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[紙魚の部屋] カテゴリの最新記事
ビナードさんの訳を一行目だけ書きますと
「Rain won't stop me 」(アメニモマケズ) この訳を日本語で言うと 「雨が私を止めることはできない」 ですかね ああ、それなら理解できる。 百姓として。 (2014/09/27 04:42:47 PM) |