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わりと余裕のない1週間だった。
苦痛は何ひとつない1週間だったが、入ってくるものが多くて心がずいぶん動き疲れた。 金曜日、予想以上に会議があっさり終わり、オフィスを出るとまだ少し明るさも残っている。このまま帰って子供たちと遊ぼうかと思ったが、この時間なら少しぐらいの寄り道をしても子供たちとは遊べるなぁと思い直し、わざわざ行き先を考えた。 映画?ムリムリ。 お茶?今日は読みたい本を持ってない。 ごはん?それは帰ってからでいいや。 渋谷で買い物?そこまでパワーはありまへん。 少しよれよれだから休みたいような気もするんだけど、休むだけじゃなくて何かを感じて満たされたい・・・そんな自分の願望が見えてくる。 ってことで、都内の中心には向わず、帰り道の途中の少しにぎやかな街で途中下車。 まっすぐ向った先は高級文具店。 端正な店構えを眺めながら実際に足を踏み込むと、それだけで少し浄化された気分になる。 わかりやすい目的は手帳探索だったのだけれど、手帳を見終わっても意味もなくうろうろ。 あらゆる白紙は可能性が描かれるのを待っているかのようで、いろんなペンは軽やかに唄う準備が出来ている。 銀座のほうのショップだったか、まだ社会人としちゃあ幼稚園児レベルだった頃に行ったことがある。 あの頃は「ここにあるようなステキなグッズに埋もれて仕事したい」と単純に憧れたものだ。そういえばシステム手帳なるものを意識したのもそのときだった。そのときの私はとあるブランドのバイブルサイズのシステム手帳に一目ぼれし、そこで長々といじくりまわしていた。値段もその頃の私には目が飛び出るような金額だったから、いつかホントのオトナになったら買おう、そう思って思いとどまった。 今となってはブランド名も思い出せないのだが、幼稚園児には似合わなかった黒の手帳は今でもそのイメージだけがしっかりと手の中にある。 結局今日は何も買えなかったけれど、少しずつ自分スタイルを探してみよう、憧れる自分の3歩先をもし具体的にしてくれるモノがあれば、それをきっかけに歩いてみよう、そんな気持ちになりながら薄暗くなった分だけきらびやかになった通りに出る。 ひとりの身軽さでふらっと空を見上げると半月切りの大根が真っ黒に透けた空に張り付いてる。どっかのまな板から飛んで来たに違いない。 そういやわが家の夕飯のメニューは何かな~と思いながら「今から帰ります」とメールする。 「気をつけて」と返事が飛んで来る。 あの月が今日の味噌汁に入ってると嬉しいな~そんなことを考えながら今度はまっすぐ家路を急いだ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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