オリンピックと天気

平成16年8月5日

2004年夏季オリンピックが近づいた。
開催地アテネは北緯37.9度で、新潟とほぼ同じ緯度、標高 28m は熊谷(30m)に近いが、天候は日本とは大きく異なる。

アテネの8月の平均気温は27.7度(東京27.1度)、降水量は 6.3mm(東京155mm)、湿度48%(東京74%)で、地中海性気候を代表する乾燥都市。
さらに、日中の気温は40度近く、暑熱乾燥の下での競技会となる。

天気が各競技記録に及ぼす影響を調べた。通常、人の身体は運動をすると体
温が上昇し心臓の鼓動が激しくなり、高温になるほど身体の負担が大きくな
る。中距離やマラソン競技は、気温が低い季節や時間帯に好記録を期待して
開かれる。

スポーツ医学からは次のように推測される。
今大会の華で、我が国期待の女子マラソンなどは、ロサンゼルス以来の、
過酷な気温耐久レースになる。

一方、瞬発力で技を競う100メートル走や重量挙げ、跳躍などは高温の方が、
選手の高揚感を醸し、全力プレーの好記録ラッシュが期待される。

もう一つは風の影響。
100メートル走では、追い風はプラスに働くが、2m 以上になると、
国際記録として公認されない。
 一方、走り幅跳びや円盤投げなどは、適度の向い風の方で好記録が出やすい。
 朝は南、午後から北の季節風がポイントとなる種目はヨット。

 さて、今夏は米所の新潟や福井県などの日本海側の地方を除き、東京で観測
史上第1位の最高気温を記録。
 ギリシャ並みの炎暑で作物や家畜もバテ気味。
 炎天下の野良仕事は一段と厳しい。
 高温晴天時に発生しやすい病害虫の早期駆除には、熱中症にも留意して欲しい。
 


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