エコ型社会元年

気象庁の暖冬予想が一転。寒い冬となり、多雪地帯で記録的な豪雪に見舞われている。除雪作業などに伴う死者の数はついに100人を超えた。雪は万物を純白にするが、白き悪魔であることをまざまざと知らしめた。

地球温暖化は、地上から上層までの気温の振幅が平年値をはるかに超え、揺らぎもたらされている。その最大要因は、化石燃料の大量消費と車から排出されるCO2の増加であると分析されている。地球温暖化=CO2量の増加という相関は明白。

そこで、少しでも温暖化防止に貢献し、CO2排出を抑制・削減する製品やサービスの普及が喫緊のテーマと考える。可能な分野から、エコ型商品やサービスを押し進め、技を競い合う年になればと願う。

英国で始まった蒸気機関による産業革命以来、人類は宇宙で最も美しい水の惑星「青い地球」を、自ら開発した化石燃料から発する煤煙で汚染し続けている。最初は石炭で、重化学工業化を突き進め、七色の煙で環境汚染や多くの人々を心肺器官の疾病の苦しみに陥れた。今も姿を石油に替え、なおもCO2を大気中に放出し、GNP競走に齷齪。

中国は日本の30年前の悪しき事例を再現し、ドル蓄積の代償に、河川や農漁村の環境汚染は世界最悪のペースで歯止めも利かない。都市と農村の生活水準の格差は広がり、暴動も見え隠れ。

我が国は世界に先駆け、環境汚染の負荷因子であるCO2量増大の是非を総合的に抑制できるサービスや技術に取り組むことが大切。9条を変え自衛隊を正当化せずとも、環境先進国でアジアの同意と尊敬は集まる。戦後60年の経済発展、平和と安全は軍事力を行使しなかったことで達成でき、世界に賛辞されもたらされた歴史的事実は宝。

今後は、「温暖化対策=CO2削減」のエコ型商品や技術及びサービスの研究開発に、積極的に予算を投じ、国民の合意が得られる運動を進めて行きたい。誰にも分かりやすいCO2削減指数などで示すと良い。

この努力が、間接的に海水温の上昇を抑え、台風襲来や今冬のような異常な豪雪の予防に寄与することを期待する。

         ( 協同組合通信/井戸端論弾 )平成18年1月30日掲載



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