「からだと心の栄養学(アンソニー・サティラロ著、上野圭一訳)」副題は「がんにならない」とありますが、そのことと同時に、がんになった人にも役立つ書より編集しました。 著者は米国生まれの医師で病院長。
今日のテーマ 「たんぱく質を正しく理解しよう その1」
風にそよぐ草木が、まっすぐに立つ力と柔軟性を兼ね備えているように、人間にもこの力と柔軟性をもたらしているのはたんぱく質。たんぱく質がなければ、重力に逆らって立つことこともできず、ぐにゃぐにゃの固まりかバラバラの破片になるという。ところが、たんぱく質はカルシウムとリンに結びつきやすく、建物の骨組みにたとえれば、この二つの成分はレンガとモルタルの働きをしている。
たんぱく質は人体の筋肉や腱、肝臓や脾臓などお軟部組織器官の基となり、血液の凝固を助けている。また、眼鼻、毛髪、つめや皮膚など人体のあらゆるところに存在し、体重の約60%を占めている。
食物として必要なたんぱく質はそれ自体ではなく、アミノ酸というたんぱく質の材料である。そして、私達はそれぞれの遺伝子の働きで、さまざまなタイプのたんぱく質を体内で合成している。それらのたんぱく質は主として細胞の補充と組織の修復に使われる。
アミノ酸には22種類のアミノ酸があって、そのうちの14種類は様々な物質から、身体が自分で合成するが、残りの8種類はどうしても特定の食物から摂取しなけらばならない。その8種類を「必須アミノ酸」という。
からだが必要としている全てのたんぱく質は、全種類のアミノ酸を含めて、完全穀物、野菜、豆類及び果物を組み合わせた食事から摂取することができる。
つづく