2007/09/11(火)22:47
源への旅―15(エピローグ~与那国島に感謝5)の続き
この地の仕来りでは、60歳までは、自分で宴を開き、多くの皆様に感謝するのだそうで、N家のお父さんは、60歳の祝いに800人を招待して盛大に宴を開かれたとか。
それ以降は、自分で宴を開いてはならず、周囲の人が開いてくれるのを受けるだけなのだそうだ。
なるほどね・・・・・と感心する。
今回の73歳の祝いの宴は孫たちの発案なのだそうで、私がこの地に来たときから、毎晩孫たちが一箇所に集まり、儀式や歌や踊り、演奏などの練習を繰り返していた。
料理の内容も、料理を出す手順も何もかもルールがあるようで、それはそれは裏方を仕切っている娘さんたちの大変さが伝わってくる。
主役のお父さんが座っているまん前の席に導かれる。
私は部外者、そんな席には座れないので末席にいたのだけれど、どうしてもここに座って欲しいと強く求められ、X氏と共にお父さんの前へ・・・・・
総勢30人くらいが寄り集まり、楽しい歓談、飲食、・・・・・
そして孫たちの仕切りで始まる伝統芸能の披露・・・・・・
誰もが呼び出され、共に踊る・・・・・
私も呼び出され、見よう見真似で躍らせてもらう・・・・・・
X氏は写真を撮ったり動画を撮ったり・・・・
Yさん、Iさんが中心になって、芸能タイムはエンドレスに続いていくかの様相・・・・
Tさんが元気な頃、夜中に徘徊する椰子蟹を捕獲するのに、随分付き合ってきたけれど、それは貴重な食材であるため、食べさせてもらったことがなかった。
今日は椰子蟹の握り寿司やお吸い物にした特別料理も堪能させていただいた。
この人たちの関係を見ていると、太古の人間関係がこの場に現れたかのような気持ちになってくる。
親兄弟姉妹、親族たちが心から祝い、踊り、歌い、・・・・・・
そこには屈託のない陽気が流れており、都会の人間関係の複雑さやエゴの疑心暗鬼など見られない・・・・・・
和をもって尊しとなす・・・・・
その心が今も目の前に生きており、維持されている光景に触れ、深く感じ入る。
日本の心・・・・・・
その蘇りこそが今、地球を、人を救うのかもしれない。
女酋長サンアイ・イソバは、そのために鎖を解かれ、復活してくるのねと一人、感じ続けていた。
あらゆる出来事が単体で起きているように見えて、実に巧妙に時空を超えて繋がっていることに気づかされる。
無駄なことなど何一つなく、経験していくすべてのことがその人の覚醒のための試金石である。
なんというありがたい仕組みであろう。
静かに、静かに、心の奥深くに染み渡っていく宇宙の愛であり、法則を受け止めていた。
宴の最後は、この家の次男であるTさんが、参集された皆様へ感謝の言葉を伝えることであった。
ハラハラしてTさんを見つめる。
元気な頃のTさんは、それなりのエゴもあり、みんなと調和しにくい部分が垣間見られていたし、今は半身不随となり、言葉の流暢には話せない。
人前での挨拶をこれまで見たことがなかったから・・・・・
そんなTさんが、一生懸命に感謝の言葉を口にしている様子に涙が出てくる。
Tさん、良かったね。
あなたも私と一緒に魂の目覚めを迎えているのね。
立派なスピーチ、ありがとう・・・・・
心の中でTさんに伝え続けた。
TVでは、どうやら今回の風を台風8号と命名していた。
笑ってしまった。
これは愛の風、大地と大気、そこに住む人々の浄化の風・・・・・でしかない。
そして、浄化の風は、私自身をも巻き込んだようで、ひどい咳が止まらなくなり、鼻水が垂れ流し状態になってきた。
ベッドに入っても止まるどころか、一層激しさを増す咳に感謝はすれど、その苦しさに眠ることも出来ず、白々とした13日の朝を迎えていく。
唸る風も止みそうにない・・・・・・
つづく・・・・・