2023/11/14(火)05:47
(令和5年11月14日)中日春秋丸写し 税滞納常習者なり冬に入る♪
中日春秋 (書写)
税滞納常習者なり冬に入る
岸田文雄首相が率いる自民党の派閥・宏池会の初代領袖は大蔵省
(現財務省)出身で後に首相となる池田勇人氏。高弟といえるのが
大平正芳氏で、大蔵省で部下として仕え、追って政界に転じ首相に
なった▼大平氏は戦前の官僚時代、仙台税務監督局(現国税局)の
間税部長として「どぶろく退治」に立ち会った。酒密造は東北で盛
ん。酒税確保のため放置できず、摘発は仙台での重大任務だった▼
貧しい農家に正規の酒は高く、田舎で酒屋も遠い。簡単に造れるど
ぶろくは満腹感をもたらす。ばれると働き盛りに代わり老人を「犯
人」にする農家も。大平氏は当局側ながら内心、断罪する気になれ
ず「割り切れない、やりばのない気持ちに沈んだ」と書き残した▼
徴税という仕事の重さをこの人は理解していたのだろうか。税理士
資格も持つ神田憲次財務副大臣が辞任した。既に衆院議員だった10
年前から、代表取締役を務める会社保有の土地・建物の固定資産税
滞納を繰り返し、当局の最終手段たる差し押さえを4回受けていた
。副大臣拝命に本人は躊躇を覚えなかったのか▼大平氏の著作によ
ると、どぶろく退治も抱える仙台の間税部長の人選は難題。大平氏
を推したのは役所の上司の池田氏だったと後に知ったという。容易
でないポストを任せたのも期待の部下だったからだろう▼現首相は
なぜ神田氏を副大臣にしたのだろう。