結界師たちの「嘘」
前回、「烏森にかかわる者たちの嘘」といったことを考えてみて、ふと思ったことですが…。主人公とヒロインたる良守と時音。彼らは確実に嘘伝承しか教えられていないため、作中でおそらく唯一、ただ純粋に務めをはたしていた「クリーンな結界師」であるわけですが…、―でもそれでも、実は彼らも嘘をついているんですよね~。最近日記帳ネタのために「日常話」の妄想をよくするのですが、すると 「夜は遊びに行けない」 「正体はヒミツである」…という条件が、想像以上にキツかった;。子供なんだから、学校帰りなどは「夜遊びするな」である程度済ませられるかもしれない。―でも、「休みの日に、友達と遠出する」こんな、多分によくありそうなことも、実は彼らは一切出来ないんですよね。遠出して、帰りが遅くなってしまった時もし気の早い妖が現れてしまったら。だから、彼らはもし楽しい誘いを受けたとしてもそれをほとんど断らなくてはならないでしょう。でも理由は話せない。―結局、友達に嘘までついて、遊びに行くのを断らなくてはならない。彼らの命をかけた仕事を、彼らの一番の関心どころを、でも友達の誰にも話せない。仕事に悩み、もしそれを心配してもらったとしても、それをやはり嘘をついてかわさなくてはならない。それを含めて「大事な務め」であったとしても、果たして彼らは、どれだけ「本当の顔」を見せることができたのでしょうか?―そんな事が、辛くなるときはなかったのでしょうか…。「烏森にかかわる者」は、本当に皆嘘ばかり。なのに今、そもそもの元凶たる開祖さまが何のためらいもなくぺらっぺらと真実を語りだしちゃってるの図って、やっぱりどっか、イラッときますね;。web拍手を送る