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2005/01/27
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カテゴリ:カテゴリ未分類
 「援助貴族は貧困に巣喰う」という本を今読んでいる。まだ読み始めたばかりだが、非常に気分が悪くなる本だ。

『援助貴族は貧困に巣喰う』 著者: グレーアム・ハンコック /武藤一羊


 どういう本かと言うと、災害で生活基盤を破壊された国々に援助する援助団体の馬鹿さ加減の暴露した本だ。 海外(主に先進国)からの援助は、何の役にも立たないばかりか、有害であることも珍しくない。「災害が起こるとありとあらゆるガラクタが転がり込んでくる」とこの本には書かれている。
 修理費の方が高くつくポンコツトラック、チェルノブイリ原発事故で汚染された小麦のような家畜の飼料にも適さないような食料、電池が液漏れを起こしているペースメーカーなど、先進国のごみ捨て場じゃないんだ!と言いたくなるような援助が寄せられるそうである。
 あるいは、被援助国が収穫の時期を迎える時期に、大量の食糧援助が届き、被災国の農産物が暴落して農家が破産する、ということも良くある。援助団体は、いつ何が必要かなんてことを考えたりしない。
 また、援助団体同士が縦割りで、協調性がなく、それぞれが好き勝手なことをし、よく争う。医療の援助団体と食料援助の団体で「医療が先だ!」、「食料が先だ」と争うのだそうだ。どちらの援助が必要なのか被災者に聞けばよさそうなものだが、決してそのようなことはしない。援助団体は、必要なことはしないで、自分が得意なことを頼まれもせずにやる。
 現地に医療スタッフや農業の指導者がいても、援助団体は彼らを助けるのでなく、彼らの意見を無視し、彼らの能力を使わないのだそうだ。そこには、差別意識が垣間見える。被災国は無能で何もできないから、私たちが助けてやる。そういう意識が根底にあり、メディアを通じて私たちに届く情報もそういうことを強調する。ジャーナリストもカメラマンも、援助団体の言うことを聞いていたほうが、良い取材ができる。
 とにかく、民間援助団体も政府援助団体も組織が腐っていてどうしようもないらしい。民間援助団体は規模も小さく、動機は正しいのでまだましだが、政府援助団体は本当に救いがないそうだ。
 被災国に駐在している白人職員が何をしているかと言うと、立派な邸宅を持ち、白人専用のゴルフクラブ、テニスコート、一流ホテルにおいても恥ずかしくないプールでリラックスしている。旱魃の被害を被災国政府がいくら訴えても、現地の視察には行かず、「またこいつらせびりやがって」と放置して、大量の死者を出したのに、「政府の報告が遅い!」との批判をメディアに流して自分の対面を保ったりする。そんな彼らの平均給与は5万5千ドル。これが『援助貴族』なのか。うらやましい限りだ。
 こうして世界各国からの寄付や、各国の拠出金で集まった援助金は、援助に使われることもなく浪費されている。昨今報道される日本のお役所の実態を見聞きし、「この国の役人はどうしようもないな」と思っていたが、こういう話を聞くと慰められる。

 まだ、50ページくらい読んだだけで、これだけのことが書ける。いや、まだ書いてないことはたくさんある。この先を読んだらどんなことになってしまうのか。スマトラ島沖地震津波の災害で、世界各国、著名人から多額の寄付が寄せられたが、どれだけのお金がちゃんと使われるのだろう?
 こんなことなら寄付なんかしないほうがいいのかもしれない。となってしまっては、やはりいけない。私たちは、寄付をする団体がどのようにお金を使っているか調べ、騙されないようにして、生きるお金を使うようにしなければならない。





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Last updated  2005/01/27 08:55:04 PM
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