2007/01/31(水)23:49
マリー・アントワネット観て来ました。
註)このレビューを読むと、この映画を観たくなくなるので、これから観る人は読まないで下さい。 映画「マリー・アントワネット」を見てきた。こんなシーン↑と、激しいロックで映画は始まる。とても、ポップでキッチュ、尚且つゴージャス。息を呑むほど可愛くてピンクでヒラヒラのキラキラのゴテゴテ。もうとりあえず、うっとりだ。その後の歴史を知る私達にとっては、ちょっとぞっとするものがあるのだけど、14歳の少女が、世間から隔絶されてこんなものに囲まれたら、何も考えられなくなるのはあたり前だろう。そういう意味では、決して賢くも無いけど愚かでもない、等身大の少女マリー・アントワネットが描かれていた、と思う。もう一つ特筆すべきは音楽だ。UKロックが随所にちりばめられているのだが、これが妙に画像にマッチしていて、少女の気持ちを浮き立たせるのに一役買っている。ただ、ボーカルが煩いなあと思うシーンもいくつかあったけれど。 さて、肝心のストーリーなのだが。。。結婚はしてみたけれど、夫に省みられず、宮廷のお取り巻きと寂しさを紛らわすために贅沢三昧の放蕩三昧。退屈で怠惰な毎日。そこに現れたいい男と危険な火遊び。でも彼も何処かへ行っちゃった。。。後略。(笑)これって、ソフィア・コッポラの前作、「ロスト・イン・トランスレーション」とほぼ一緒のストーリー展開じゃないのかしら。見終わった後その事に気づいて、ほんとにガックリした。ソフィアがどんな人生を送ってきたのか私は知らないけれど、彼女の閉塞感を象徴的する、似たようななシーンが両作品にはある。
「ロスト~」では、忙しい夫をただ待つだけのスカーレットがホテルの窓からじっと外を眺める。
「マリー」では度々馬車の窓から外を窺う。ウイーンから嫁ぐための旅で、仮面舞踏会の帰り道で、パリ市民に引き立てられて。
まぶしげに、外の世界への憧れをこめた目で。。。「私はここから出たいのに、出られないの。」とでも言いたいのか、私はそのシーンを見てとてもむずがゆいイライラを感じてしまった。そんなお姫様のユウウツに共感できるかっての(▼▼)。。。 それにしても、このクオリティでロードショー作品というのは、どうなのだろうか。ものすごく私的な映画なので、ミニシアター向きだと思ったのだけど。これが、後ろにいるコッポラ父の力なのか。。。衣装やセットにしても、分不相(ry贅沢で、退屈で、籠の鳥の可哀想な私。そんなソフィア自身を投影したお嬢様芸的映画、それがソフィアの映画への感想だ。今回の経験で一ついえるのは、ソフィア・コッポラの映画は二度と見ないということか。(笑)。。。○rz