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テーマ:最近観た映画。(38849)
カテゴリ:今日見た映画
ポニョはやはり興行成績がいいのか、レビューもたくさんアップされていてついついたくさん読んでしまいました。(私の感想はこちら→■) 賛否両論あるのですが、面白いのは批判的な意見の人のリサへの風当たりがとても強いことです。 確かに私も彼女には面食らいました。 子どもたちにお湯をかけるだけの即席ラーメンを作るところは、母親にとってはかなり自尊心を傷つけられるシーンです。5歳の子どもに即席ラーメンを食べさせるというのは、ある意味母親にとって敗北を意味するのではないでしょうか。疲れきってぐうの音も出ない、あるいは39度の熱が出て頭を上げることも出来ないような極限状態に追い詰められないとなかなかコレを食べさせようとは思えない。だから、私のようなぐうたら主婦でさえ、未だにチ○ンラーメンを食べさせるというのは何となく罪悪感があります。(私自身は結構好きだったりするのですが)なので、このシーンは、私が作ってるわけでもないのに宗介とポニョに申し訳ない気持ちでいっぱいに。。。 そして極めつけは5歳の子どもを一人残して仕事場へ戻ってしまうこと。ここは、リサの気持ちの優先順位がいったいどこにあるのかかなり疑いを抱いてしまうところです。普通一般の母親なら他所のおばあさんより自分の子の安全を一番に考えるでしょう。 こう見ていくと、リサという母親はかなり雑駁で向こう見ずな母親のように思えます。
つまり、少年少女の冒険のためには、両親は早々に物語の舞台から退場しなければならない。
宮崎作品で例を挙げていくと、ナウシカでは母親は彼女を産んですぐ亡くなり、父親は彼女の目の前でトルメキア兵に殺されました。シータとパズーは孤児。トトロではお母さんは入院、お父さんは、まあいてもいなくても一緒(爆)ですな。キキは13歳で独立だし、千と千尋では豚にされちゃうし。。。とにかく、子どもが自分の力で冒険するためには、親は邪魔な存在なのです。何となれば、親がいる状態では、子どもは親の枠の中でしか行動できないし、責任は親が取ってしまうからです。 しかし、現代日本の一般的な家庭の場合、5歳の子どもから母親を奪うというのはかなりの"力ずく"を要するのではないでしょうか。嵐の夜に5歳の宗介を信じて外に出かけていくような母親とはいったいいかなる母親なのか。一般的な日本家庭の、愛情深く(笑)思慮深く(笑)用心深い(笑)母親ならこの物語は成立しなかったでしょう。 向こう見ずではねっかえり、5歳の宗介を対等に扱い(だから自分のことをリサと呼ばせているのかな)、仕事に対する責任感は強い。高台にある家だから多分大丈夫との計算をして宗介に留守を任せて外に出て行くリサ。この、正直言ってこじつけ臭い設定の全ては、嵐の夜に宗介とポニョが二人きりになるためのお膳立てにすぎないのです。この話は、はっきり言ってここまでが前フリと言ってもいいでしょう。 そして翌朝家の前から船を漕ぎ出すところからが二人の本当の冒険の始まりなのです。 ですので、リサはちょっとかわいそうな役回りなのですよね。 また、赤ちゃんを抱いた婦人のシーンも、何で5歳児の食料を何の遠慮も無くもらうことが出来るのか、という意見も目にしましたが、これって、このご婦人が完全に子どもと対等に接しているからなんですね。ポニョが差し出すスープやパンをつき返さずに素直に貰う、好意を受け取るということは、実は子どもにとってかなり重要なことだと思うのです。だから、そこのあなたも、ちびっ子がよだれだらけの飴ちゃんやおせんべいを「あげる~」といって差し出したら、どんなに嫌でもにっこり笑って貰ってあげて下さいね。 ということで、ポニョにおいて大人の不可解な行動はあまり気にせず、ポニョと宗介にポイントを絞ってみる方が精神衛生上よろしいのではないかと思われますが、いかが?(笑
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みなさん、そんなにマジになってらしたのですか?
お伽噺に突っ込みいれては無粋ですね。 そんなこと言ってたら、船に乗った幼児は救助されてしまう…(笑 感情のままに動いて、宗介に甘えてるリサはダメ母だけど、 そんな要素はみんな持ってるわけで。 そしてもちろん、「物語の主人公」は親なし子でなくてはならないのは、 古今東西決まってるのですよね。 なので耕一が最初から最後まで全くの役立たずだったのが笑えましたけど、 仕方ないのです。 リサももっと不可抗力なら、許して貰えたのに(笑 チキンラーメンを登場させたのは、謎でした。 あと、ポニョが肉食なのが恐かったけど(笑 (2008.08.25 00:23:58)
shimikotoshioriさんいらっしゃいませ。
>みなさん、そんなにマジになってらしたのですか? 児童虐待なんて言葉を見たときにはもう、「ちょっと待て」と。(笑 >お伽噺に突っ込みいれては無粋ですね。 >そんなこと言ってたら、船に乗った幼児は救助されてしまう…(笑 そんな事言ってたら、もう突っ込みどころは山ほどあるわけです。でもそれって、「どこでもドアってどういう仕組みなんだよ」「タケコプターの推進力って何?意味不明」みたいな難癖にしか聞こえない。ただ、中途半端にリアルな絵柄なので、ちょっと誤解されやすかったかなあとは思いました。もっと思い切って線を減らしてもよかったのかなあとも。 >感情のままに動いて、宗介に甘えてるリサはダメ母だけど、 >そんな要素はみんな持ってるわけで。 これ、やはり親である人はリサに寛容で、怒ってる人は独身の人が多いような気がしました。 >そしてもちろん、「物語の主人公」は親なし子でなくてはならないのは、 >古今東西決まってるのですよね。 そうなのよ。怒ってる人に言いたいのはリサがああだからこそ物語が始まったって事なんですよね。図書館に行って児童文学見渡して来いってね。 >なので耕一が最初から最後まで全くの役立たずだったのが笑えましたけど、 >仕方ないのです。 >リサももっと不可抗力なら、許して貰えたのに(笑 私も耕一の部外者っぷりには笑ってしまった。もっとも一茂クンの台詞があの程度ですんでほっとしましたが。 リサは多分、監督の好みなんじゃないかなあ。じゃじゃ馬~。車もとりあえず描きたかっただけ。バカみたいに動かしたかっただけ。そういうとばっちりがみんなリサに向かってしまって本当に気の毒です。(笑 (2008.08.25 21:12:23)
>チキンラーメンを登場させたのは、謎でした。
>あと、ポニョが肉食なのが恐かったけど(笑 たぶん、ハムが美味しそうに見える料理でラーメンを思いついたんだと思うんです。ハムが美味しそうに見える料理って意外に無いんですよね。ハムサンドは他のシーンでいっぱい使ってるし。で、ラーメン。 でもどうせなら5歳児も作るのに参加できる一番簡単な物ってことでこうなったんでしょう。確かに子どもはチキンラーメン好きですもん。細かいのをポリポリ 食べたりね。リサのダメ母ぶりをここでも決定付けられちゃうなんて、監督も想像してはいなかったんじゃないでしょうかね~。(笑) ポニョがハムにかぶりついたのは私も怖かった。このキモさとかわいさの同居が印象的ですね。 (2008.08.25 21:12:58)
あそこで即席麺だから意味があると思うのですが…
(2008.08.26 22:19:01)
ナンさんはじめまして。コメントありがとうございます。
というか、最初の私のコメ、もうご覧になってましたかね~?ちょっと的を射てないなあと思って削除してしまいました。もう一度書き直させていただきますね。 >あそこで即席麺だから意味があると思うのですが… 確かに非常食としてのラーメンはありですね。 私もあの状況になったら、行動としてはラーメンでさっさと済ませて、次の行動に移りたいと思うかもしれません。 でも、気持ちの方はやっぱり「ごめんね」と思ってしまうでしょうが。 それにしても、私この記事であまりにも風当たりの強いリサを擁護したかったのですが、何か上手く行っているのかいないのかよく分からなくなってきました。(;^_^A (2008.08.27 12:35:11)
長いですが、ポニョ考察スレまとめです。
ttp://urasoku.blog106.fc2.com/blog-entry-487.html トトロとかにも色々説がありますよね~。 なんだかんだで見てみたくなりました。 ゲド見ましたが薄すぎて話になりませんねあれ。これだけ考察できる厚さが才能の差なのかもしれないなぁと感じた次第。 (2008.09.04 08:28:19)
喫茶まんがすマスターさんいらっしゃいませ。
>長いですが、ポニョ考察スレまとめです。 おお。冒頭、少しだけ読みましたが、興味深いですね。もう少し暇になったらゆっくり読ませていただこうと思います。 >トトロとかにも色々説がありますよね~。 >なんだかんだで見てみたくなりました。 大画面で見るチャンスはこれを逃すとそうそうめぐっては来ないし、ご覧になってはいかがでしょうか。冒頭のクラゲシーンは恍惚郷に浸れますし。 ポニョの津波爆走シーンの迫力は大画面ならではですよ。 ジブリに対して、そしてこの作品に対してどういう感想を抱くにしろ、見ておくべきなのではないかと思いましたよ。そして、これが本当に宮崎さんの最後の長編となるなら、ファンとして看取るべきではないかとも思います。とは言え次回作も期待してしまうのですけれどね。 >ゲド見ましたが薄すぎて話になりませんねあれ。これだけ考察できる厚さが才能の差なのかもしれないなぁと感じた次第。 薄いっていうか、もう壊れてますよね。全てのスタッフがもう嫌々作ってる感が見て取れる。 何かもう、ゲドについては原作を読んでくださいとしか言いようがありません。いいお話ですので。。。本当は。。。 こんな風に深読みできる余地の有る作品を作るということは、作品に表れてない膨大な裏の設定が実は隠されているんだろうと思うんです。 それに今まで読まれたであろう膨大な本。そういうもののエッセンスが作品の中に自然に織り込まれていくのだろうと思います。やはりすごい人だなあ。 なんて言ったらご本人には全否定されそうだけど。考察にも書いてあったけど、そういう深読みとか本当に嫌いそうだし。 それと、今回、NHKスペシャルの中で宮崎さんが「恥ずかしくない映画を作りたい」と仰っていたんですが、これはまさに、アニメゲド戦記に対する宮崎さんのアンサーだなあと思いました。 (2008.09.04 22:12:20)
はじめまして猫妻と申します。全宇宙ニャン工知能学会の会員です。最近はポニョっぽいようなリサっぽいような感じです。
人間になりたかった猫は宗助っぽいです。小さいマッチ博物館 みちのく銀行石江支店 店番097口座番号2603568 ご寄附をお願いします。いきなりすみません。無視してくださってけっこうです。 (2008.12.24 18:24:58) |